Vol.52 - 29 Dec. 2004

今年も年末最終号は、例によって自分のこの一年間の総括で締め
くくりたいと思います。
今年を表す言葉、今年流行した言葉はいろいろありますが、ボクに
とっての今年のキーワードは「痛っ!」です。
この「ノンキな通信」の読者の皆さんなら納得の一語だと思います。
まあ、“あのこと”以外にもこんなにも「痛いっ!」ことがあったのです。
どうぞ、お付き合いください。

●自宅で過ごさざるを得なくなった正月
(昨年末〜1月4日)
に起こしてしまった自動車事故。
路肩からの発進時の後方不注意が原因でした。まだボクの横を通り
過ぎきっていないクルマの横っ腹に体当たりしてしまいました。
ボク自身の身体は大丈夫だったのですが、クルマが走行不能に。
影響で、クルマで出かけることのできない正月でした。「痛っ!」

●川崎大師・厄除けお護摩修行
(1月11日)
前厄だし、クルマの事故もあったし…、ということで、川崎大師で
厄除けをしていただくことに。
何時間も並んで、本堂の中では板の間に座って、思っていた以上に
きつい修行でした。脚と腰、「痛っ!」、でも御利益はあったの?

●入院
(1月16日〜2月27日)
朝起きたら、右脚全体がものすごくしびれていました。
トイレに立ってベッドに戻ると、その後はもう立てない状態に。
「椎間板ヘルニア」。
3回の神経根ブロック注射に、とどめの椎間板造影注射(注水)。
どれも手術ではないものの、中枢神経やその周辺への注射で、しか
も映像と問答で場所を確認しながらの長丁場でした。
「焼け火箸」の異名を取るような注射ですから、「痛っ!」なんて、なま
やさしいものではありませんでした。
注水の結果、ようやく立ち上がれるようにはなったものの、8月下旬
まで杖を携えていました。そして、未だに右脚には僅かにしびれが
残っており、だるい状態は続いています。
(血行不順なんだろうなぁ、まだ)

●運転免許の更新
(11月7日)
事故後最初の免許更新ということで、地元警察署での更新とはいか
ず、県警の運転免許試験場にて、言うなれば「加害者講習」。
若葉マーク後最初の更新の人たちといっしょに、永島敏行主演の、
それはそれは暗〜い映画を見させられました。じんわり「痛っ!」。
運転にはホント、気をつけます。
それにしても、初めての日曜更新。試験場には何百人という人たちが
列をつくって更新をしていたのですが、あれだけ大量の"11月生まれ"
を見ることもないでしょう。誕生月占いで、一蓮托生の人々…。


神奈川県警運転免許試験場(横浜市旭区)

●フードテーマパーク
(12月10日〜11日)
訳あって、仕事で関西のフードテーマパークをつぎつぎ訪問。
要するに“ラーメン屋”や“スイーツ”の「テーマパーク」なのでしょうが、
商業施設の食堂街や“デパ地下”とどう違うの?
“テーマパーク”ならテーマパークらしく、非日常な空間であってほし
かった。残念ながら、ほとんどが単なる専門店の集積。
「テーマパーク」を名乗るだけ、「痛っ!」。
唯一、「道頓堀極楽商店街」だけはとてもよかったです。


道頓堀極楽商店街

●コンサート
○David Bowie (3月8日)
ものすごく感激。でも、退院後初めての遠出で無理が祟って、その後、
発熱。「痛っ!」。でも、コンサートは、ホント、良かった。

○Alanis Morissette(9月27日)
隅っことはいえ、東京国際フォーラム、最前列。
力強いヴォーカルに、感激。
でも、2階席は全く売られなかったのか?
大会場に大きな空席スペースが…。「痛っ!」。

●映画
○「Kaena(ケイナ)」(4月22日)
ヨーロッパ初のフルCG作品だとか。日本風でもアメリカ風でもない
登場人物の滑らかな動きには感心したが、PS2のゲームと連動して
いるはずが、映画館にはゲームの宣伝物は何一つなし。
結局、映画の興行成績も、ゲームの売上もぱっとせずに終了。
「痛っ!」。

○「カンフーハッスル」(10月30日/東京国際映画祭)
「少林サッカー」の監督・製作・主演のチャウ・シンチー(周星馳)による
アクション・コメディ。
「ありえねー」というキャッチコピーのとおり、図抜けたバカバカしさに
感服。笑いすぎてお腹「痛っ!」。
ちょうどこの元旦からのロードショーですので、是非観劇。

○「ターミナル」(10月31日/東京国際映画祭)
スピルバーグ監督+トム・ハンクス主演のコメディ・ドラマ。
客を泣かせようとする意図には引っかからなかったけど、東欧の紛争
もので、2001年の「ノー・マンズ・ランド」に引き続いて、映画祭でまた
してもしんみり。(「ノンキな通信…Vol.13」参照)
さらにアメリカへの入国を許可されないストーリーには、1992年にボク
自身にもちょっとしたケアレスミスで、カナダからアメリカへの入国を拒
否された経験があり、そんなことを久しぶりに思い出す。
ちょっと「痛っ!」。
この映画は既に上映中ですので、ぜひとも映画館へどうぞ。

●舞台
○ロックミュージカル「ヘドウィグ アンド ザ アングリー インチ」
(6月6日)
三上博史の熱演に感激。絞られた身体や上演後には声が出せない
ほどの力の入れように、しばらく興奮から抜けられませんでした。
映画も気に入っているけれど、舞台にはやはりライブ感がある。
ただ、最前列中央にいたコスプレ・グルービィには興ざめ。「痛っ!」。

●結膜炎
(12月24日)
数日来、左目が充血しごろごろ痛むので、朝、眼科に寄ってから出社。
すると昼過ぎにカミさんから連絡が入った。
「うたの右目が、目ヤニで開かない。病院に連れて行ってくる」
クリスマスイブに、ワンコとふたりで「結膜炎」の診断をいただきました。
「痛っ!」、ってよりも「痒っ!」。


今年は誰がなんと言おうと、ボクにとっては「椎間板ヘルニア」が全て
でした。あの激痛…。
ところが、人間も動物なんですね。痛さは経験した事実だけが記憶さ
れて、痛さそのものは記憶には残らないのだそうです。残ってしまうと、
身体全体が萎縮したままになってしまって、ついには身動き一つ取れ
なくなってしまうからでしょう。経験は学習されて残り、行動の障壁に
なるような痛さの再現は絶対に起こらない。なんと肉体の賢く作られた
ことか。ならばヘルニアが飛び出す前に、簡単に気づくように教えてほ
しかった。いきなり立てなくなるなんて…。
まあ、その後はいろいろな人生経験と社会についての学習を、じっくり
とさせていただきました、否応なしに。痛く、ほろ苦い一年でした。
あ、相方が突然入院してしまって、ボクの看病という面倒まで背負い
込んでしまったカミさんの方がもっと痛かったんだろうなぁ。感謝です。

前厄なのにこんなに波瀾万丈の一年を過ごしてしまいましたから、
本厄のやってくる来年はどうなるのでしょうか。ちょっと楽しみです。
皆さん、良いお年を。



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