Vol.66 - 15 Jan. 2006

この年末年始や正月に届いた年賀状の中で、ボクが一昨年、
ヘルニアで入院していたことを知っていらっしゃる方々から、
「どうですか?」と多くの声をかけていただきました。
お気遣いに感謝致します。ありがとうございました。
早いもので、この1月16日で椎間板ヘルニア発症による緊急
入院から丸2年になります。
そこで、今回は発症した時の想い出と最近の状況などをご報
告したいと思います。

ざっとしたところは「ノンキな通信…Vol.35」をお読みいただけ
ればと思います。ボクがなった椎間板ヘルニアという症状に
ついて簡単にお解りいただけると思います。
さて、その椎間板ヘルニアですが、退院後によく皆さんから訊
かれたことは、「どうしてなったの?」と「今はどうなの?」という
ことです。まずは、その辺からお話ししてまいりましょう。

発症についてですが、“その時”は突然やってきました。
前日は会社帰りに知り合いと会って居酒屋で語り合い、終電
までまだ余裕のある時間帯に自宅に帰り着きました。
風呂に入って寝床に入るまで、ふだんと何も変わらない生活
でした。寝る前にワンコとじゃれあって…。
朝も目覚めはいつも通りでした。目覚まし時計が鳴るほんの
少し前に目が覚めて、トイレに立ったところまではふつう通り
だったのです。
ただ、なんだか右脚全体がしびれているなぁという感覚があ
り、それでもしばらくすれば治ると考えていました。しかし、トイ
レから出て廊下を歩こうとした時には、右脚は振り出さなけれ
ば前に出ないような状態になっており、しばらく待つにしても、
どのくらい待てばいいのかわからないほどになっていました。
とりあえず寝床に戻り、倒れ込むように身体を横にしました。
右脚がしびれ、鈍痛すら感じられます。そしてその痛みが和ら
ぐかと、仰向けの体勢から身体を横に向けたりしているうちに、
左側には寝返りが打てるものの、右側には身体が回せないよ
うだということがわかってきました。
右の膝を曲げると、それはそれで腰から脚にかけて激痛が走
り、体勢を立て直すために上半身を起こそうとすると、これまた
右脚に激痛が走るのです。
こむら返りにおそわれた時のように、しばらく待っていれば徐々
に和らいでくるというようなものではなさそうです。
この辺でようやくカミさんを起こして、病院に行かなければなら
ないだろうということと、でもこの痛みが治まらなければ病院に
自力で行くことは不可能だということを伝えました。
その結果、人生二度目の救急車と相成ったわけです。

その前の年の終わりに、不注意から自動車事故を起こしてし
まいました。それまでに積み上がってきたストレスもあったの
だと思います。
そしてまた、その事故の処理でさらに神経を消耗していて、自
覚するものはなかったのですが、体調的にはあまり良い状態
とはいえなかったのでしょう。
また、ふだんから運動などは全くしない生活なので、ほんの
些細な動きですぐに腰が痛くなったり筋肉痛になったりもして
いました。
ですから、前日の晩かあるいはその前から、導火線に火は点
いていたのだろうと思います。それが何かの拍子に…、という
ことなのかもしれません。

思い返せば、予兆がなかったわけではありませんでした。
駅などでは階段を駆け下りることが不自由に感じていました
し、真っ直ぐ階段を下りているつもりでも右方向にどんどん寄
ってしまったりしていました。
また、深めのソファなどに座った時は、立ち上がる時に膝が
痛くなり、いわゆる座骨神経痛の症状というのでしょうか、そ
んな細かな予兆らしき症状は出始めており、ボクはそれらを、
太ったためだと認識していたのでした。

結局、43日間の入院となり、25日目に受けた注射により、よう
やく寝たきりの状態から解放され、ベッドの縁に腰をかけること
ができるようになりました。
初めて歩行器を使って立ち上がった時には同室の患者さんた
ちから「そんなに背が高かったんだ」と冷やかされたものです。
同室の皆さんは、初めて会った時からその時までずっと、ボク
が横になっている姿しか見たことがなかったものですから。
その後は右肘の下で右半身を支える杖から、やがて小振りの
杖に変えて、歩く練習が続けられました。
(杖は結局、退院後の8月末まで使うこととなりました)

注射によって、大きく突っ張っていたヘルニア本体の弾性は失
われました。しかし、すぐにはなくならない残骸のせいで、痛み
こそなくなったものの右脚のつま先から甲にかけては今も相変
わらずしびれが残っています。天候や体調に左右されて、しび
れがだるさや軽い痛みが感じられることもいまだにあります。
ここまでずっとお読みいただいて、気付かれた方もいらっしゃる
と思いますが、ボクにとっては腰痛よりも右脚のしびれの方が
大きな問題でした。寝ている限り腰は使いませんし、その後も
今まで力仕事だけはやらずに済んでいますから、腰が気にな
るようなことはありませんでした。
唯一、長時間のデスクワークやクルマの運転だけが、医者か
ら気をつけなさいと言われたことです。
「クルマに乗るならランバーサポート(体格に合わせて最適な着
座姿勢を調整できる機能)付のシートを選びなさい」って先生、
つまり高級車に乗れということ? (ボク、医者じゃないし…)

とにかく今、発症から2年が経とうとしていて、相変わらず違和
感はありますが、ひとまずふだんと変わりない生活に戻れて
います。確かにまだまだ右脚に体重をかけるのには若干の抵
抗がありますが、やってやれないわけでもありませんし…。
とりあえず今年は、大事にしすぎて太ってきてしまっている身
体を引き締め、少しは運動をしてみようと思っています。
身体を動かして、頭も活性化させる。そんな感じでしょうか。

気遣っていただいている皆さんには、この場を借りて、改めて
感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
もう大丈夫です、2年経ちましたから。

 
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