Vol.45 - 19 Sep. 2004
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日本のプロ野球史上初めてのストライキに突入しました。
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皆さんもここに至る一連の流れはテレビのニュースなどで見聞きし、
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知っていらっしゃると思いますので、それについては割愛しますが、
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高度経済成長期からバブルの崩壊を経て、社会情勢の変化や
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それに伴う大衆の趣味趣向の多様化などにより、プロ野球の人気
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王・長嶋以降のスター不在などと言われていたころもありましたし、
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1993年のサッカー・Jリーグ開幕以降は、それはもう、誰の目にも
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しかし、それでも野茂やイチロー、松井秀喜や松井稼頭央、そして
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新庄剛志たちが、米国メジャーリーグにおいてめざましい活躍をし
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たり、つい最近では日本のプロ野球選手から選ばれたメンバーが
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オリンピックで銅メダルを獲得するなど、選手たちは皆、プロ野球
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に今一度ファンの眼を向けさせる努力をしてきました。
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ところがどうでしょう。そのプロ野球を運営していく立場の人たちは、
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シーズンの途中だというのに、選手や監督たちに何の説明もない
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うちに、ビジネスライクにM&A(企業の合併や買収)の話を唐突に
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球団経営の窮状は理解できます。一時期は隆盛を誇っていたあら
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ゆるものには、必ず衰退や凋落の時期がやってくるのです。
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売れなくなってきたら、生産量を減らすとか、新しい機能を付加する
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とか、新製品を考えるとか、さらには経費の削減を考えるとか。
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今回の騒動の発端である大阪近鉄バファローズは、1997年に本拠
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地を従来の藤井寺球場から大阪ドームに移しました。完成したばか
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りの大阪ドームは関西初のドーム球場ということで話題になりました。
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ボクは、この時点から既に間違っていたのだと思います。
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阪神タイガースに圧される一方の関西の球団として、球場に脚を
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ただ、そこで採るべき手段としてドーム球場への引っ越しというだけ
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ではダメだったのです。野球を観る場所は球場かもしれないけれど、
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ファンは球場を見に来るわけではないのです。ファンが観たいのは
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プロの選手がプレイをする“野球”なのです。いくら器がきれいに
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なっても、やはり勝負すべきは中身だということです。
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大阪ドームに移った時点で近鉄バファローズはもうひとつのミスを犯
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しています。それは本拠地が近鉄電車の沿線ではなくなってしまっ
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母体が鉄道会社なのですから、観客にはその鉄道を利用して球場
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過去から現在まで、球団経営経験のある鉄道会社は近鉄も含めて
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7社ありますが、本拠地球場が沿線になかったのは1952年から53
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年まで東京都文京区の後楽園球場をホームグラウンドとしていた
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近鉄(近畿日本鉄道)には、阪神電鉄が現在の西大阪線を近鉄
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難波まで延長し、その線に相互乗り入れするという計画が2009年
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これが完成すれば大阪ドームの脇に駅ができ、沿線ファンを乗り換
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えなしで運べるようにはなります。まあそれでも、そもそも阪神電車
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の駅ですし、またこの分だと新線開業のころには大阪近鉄バファロ
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それから、他力本願で自ら努力しないという体質もあったのです。
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そんな人たちに球団なんか経営してほしくないと思います。
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オリックスと合併することで自分たちの椅子を確保するのも見苦しい。
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辞めたいならば即刻去っていただきたい。そしてプロ野球は新しい
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経営陣も経営陣ならば、チームもチームで腑甲斐ない。
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スト直前の9月17日現在、合併相手のオリックス・ブルーウェーブと
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仲良く最下位争いの5位。ゲーム差から見て、プレイオフへの進出
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はあり得ない状況です。ストライキで試合がない間にバファローズの
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選手にはぜひとも、映画「メジャーリーグ」を観ていただきたい。そし
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♪Take me out to the ballgame♪
2004年8月20日 ヤクルトvs阪神 (神宮球場)
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ノンキな通信 I.Z.'s Attic
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