Vol.002 - 04 Apr. 2005 - Car Radio

ボクがものごころついた頃、父親は、フォルクス・ワーゲンの
ビートルに乗っていました。
当時のクルマは、今のようにCDが聴けるどころか(そもそも
CD自体がこの世になかったわけですから…)、カセットもなく、
せいぜい、特殊なカートリッジのテープを使う「8トラック」という
デッキが搭載されているかどうかというような状態でした。
ほとんどの場合はラジオだけで、そのラジオもAM波しか聴く
ことができなくて、FM波は聴くことができないというのが一般
的でした。ですから、父のビートルも、おそらくはじめの頃はA
Mラジオしか聴けなかったのだろうと思います。

自宅でも母が、テレビよりもラジオという生活パターンの人な
ので、ボクも日常からラジオには馴染みがあって、ラジオは
クルマに乗った時だけに聴くというようなものではありません
でした。クルマに乗る時は、それまで自宅で聴いていた番組
をそのまま聴き続けるのです。

ボクが、というより我が家でよく聴いていた番組は、主に東京
放送(TBS)のプログラムでした。週末の土曜日は朝から「土曜
ワイド ラジオTOKYO」という夕方まで続く番組を聴いていたの
ですが、静岡までのドライブでは出発の時間や道路の混み具
合などによって、最後まで聴けるか番組の途中で電波を捉ま
えることができなくなるかが変わってきたものでした。
山間やトンネルに入ってしまうと電波が捉えられなくなりますし、
海沿いを走っていても、さすがに伊豆半島を隔ててまで電波は
届かないようです。

聴き慣れたラジオ番組が聴けなくなって辺りが暗くなってしまう
と、否応なしにまたクルマ酔いの、あの不快感の中に引き戻さ
れてしまうのでした。

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