Vol.001 - 28 Mar. 2005 - Car Sick

子供のころからクルマ酔いが激しく、クルマに乗せられること
が嫌いでした。ですから当然、いろいろなクルマに乗ったこと
があるというわけではありませんし、正直なところ、ドライブに
連れて行ってもらって楽しかったという思い出もありません。
母親は免許を持っていないので、ボクはもっぱら父親の運転
の隣や後ろでうつろな時間を耐えていたのです。
ですから、クルマに乗ること(載せられること?)は、好きでは
ありませんでした。

小学生のころ、週末に父親の実家のある静岡まで行くことが
けっこうな頻度でありました。
都内から静岡まで、だいたい200km強のドライブで、土曜日の
昼下がりに都内を出て静岡に向かい、日曜日の夕方に静岡
を出て都内に向かうというのが一般的だったような気がします。

東名高速道路に入って、クルマのストップ&ゴーがなくなって
順調に走るようになると、クルマ酔いの症状が悪化することは
一応なくなります。それでもカーブや路面の段差などからくる
揺れ、気温や匂いなどによって、気分の悪い状態は続きます。

助手席を照らしつづける昼下がりから夕方にかけての太陽や
車内に入り込んでくるトラックの排気ガス。高速道路の沿道に
規則正しく植えられた緑濃い常緑樹は、無意識のうちに視界
に刺激を与え続け、ボクをちょっといらいらさせました。

でも、そんな不快感の中を、ボクは外の景色を見ながらまどろ
んでいるしかありませんでした。
クルマ酔いのクスリが効いた試しなんてありません。むしろ、
クスリのその妙な甘さが頭痛を誘発しました。
窓を開けて外の風に当たってもダメですし、眠り込んでしまえ
ば、身体が無防備になる分、却って内臓が揺すられて胸焼け
が強くなってしまいます。
いくら生あくびが出ても、眠ってはいけないのです。

そんな気分を紛らわせてくれる唯一のものが、ラジオでした。

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