Vol.56 - 16 Apr. 2005

ボクの住む横浜市でも、この4月1日からゴミ回収の分別項目
が増え、今までのようなザックリとしたゴミの出し方ができなく
なりました。
今までも、全く分別せずにゴミを出していたというわけではあり
ません。「ビン・缶・ペットボトル」「電池」「粗大ゴミ」ぐらいの分け
方はしていました。それが今度は、もう少し細かく分けましょう
ということになったということなのです。

牛乳の紙パックは中を洗ったらハサミを使って切り開いて古紙
として束ねて月1回の回収に、スプレー缶はジュースやビール
の缶とは別にスプレー缶単独で週3回の回収になりました。
世間一般では既に行われているはずのペットボトルも、ラベル
を剥がし、キャップを取って捨てなければいけなくなりましたし、
スーパーで買ってきた肉や野菜のパックは、表面を覆うラップ
もトレイもプラスティック。しかし、値札のシールは切り抜いて
一般の家庭ゴミとして出さなくてはならなくなりました。

正直なところ、今のところ面倒くさくなったとしか思えません。
分類の仕方を覚えなければならないですし、またそれを回収し
にくる日にちも、分かるようにしておかなければなりません。
そしてそれ以上に、ゴミ箱を増やさなければなりません。
家から遠くないショッピングセンターに入っている「無印良品」
のスタッフは、春休みに入ってからゴミ箱が急に売れるように
なったので、何があったのかと驚いたとのことでした。どうやら
横浜市内の各家庭はどこも対応に追われているようです。

地域の情報を率先して収集しているとは到底言い難い我が家
に、マンションの管理会社からゴミ分別のパンフレットが届いた
のは、もう変更間近の3月29日だったでしょうか。
その内容を見て、ほとんど初めて「ゴミの分別が始まるんだ〜」
と思いながらも、でも実際には、4月1日の朝のゴミ出しまでは
パンフレットに書かれていることはきちんと見ていませんでした。
横浜市の場合、家庭ゴミは週に3回の回収なので、1日ぐらい
出さなくとも、その2日後にはまた回収日があるので、それほど
困ることでもないのです。もともと我が家は生活ゴミは少ない方
なので、それで十分にやってこられたのです。

既に4月1日から始まっているので、もうそろそろ素材を見分け
ることにも慣れてきたところですが、そんな中、4月10日の日曜
日に、ボクの住むマンションの理事会で横浜市資源循環局の
方にお越しいただいて説明会が開かれました。

局の方の説明は、パンフレットを読むよりも明確でした。
肉や野菜のパックの表面を覆うラップに貼られた値札のシール
は、きれいに切り抜くなんて限界があるから、むしり取ってしま
えばいいんですとか、紙類は紙袋に入れるよう書いてあるけど
スーパーのビニールバッグでいいですよなど、現実に即した話
をしていただきました。すると話の途中からだんだんとわかって
きたのです、ゴミの分け方のコツが。
ゴミは"素材"で分別するのではなく、“業界”で分けるのです。
つまり、リサイクル事業に費用を捻出している業界で生産され
た物はリサイクルに回る方に出し、それ以外は今まで通りの
家庭ゴミなのです。魚の切り身が載っていた白いトレイは、トレ
イの生産者団体がリサイクルさせようという事業に取り組んで
いる。でもトレイと同じ素材で作られた、おもちゃのヒコーキの
翼は燃える家庭ゴミなのです。玩具の業界団体がリサイクル
事業に取り組んでいないから…。

4月1日を迎えるに当たって、自然を守り地球にやさしくしよう
などと大上段からヒューマニティに訴えるようなポスターなど
を一切、眼にしなかった理由がよくわかりました。
隠れたキーワードがわかった現在、もちろんゴミの分別には
率先して取り組みたいとは思っていますが、だいぶ気が楽に
なりました。目からウロコがぽろりと落ちたからです。
なんたって、「分類がわからなくなった時は家庭ゴミで出す」
という万能の切り札を得てしまったのですから。

ところで、目からぽろりと落ちたウロコはどのゴミに分類するの
でしょう? −え〜と、わからない時には“家庭ゴミ”です。


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