Vol.30 - 04 Jun. 2003

犬の散歩をして通る道に、一軒の喫茶店ができました。
喫茶店といっても広大な駐車場を備えた、ちょっとしたファミレス
のようなログハウス風の大きな、ロードサイドの喫茶店です。
電車でひと駅ふた駅のあざみ野やたまプラーザには、喫茶店と
いうか、今風に言うなら“カフェ”がつぎつぎと開店していますが、
それに比べてなんだか雰囲気の違う喫茶店が、地元に登場し
たわけです。
オープンカフェになっているわけでもなく、道路沿いにコーヒーの
香りが漂うわけでもなく、店先からサイフォンやエスプレッソマシ
ンといったコーヒーメーカーが見えるわけでもなく、とにかくファミ
レスのような建物と、駐車場に建つ別棟の倉庫、そしてなにより
も、巨大な店名看板…。

5月半ばのオープンから半月を経た週末の夜にその喫茶店で、
不思議なデザートに出会いました。
それはどう説明したらいいものか。
直径15cmぐらい、高さは3〜4cmといったところでしょうか。デニッ
シュパンというのかブリオッシュというのか、ボクにはなんという
か、ミスタードーナツの定番メニューのうち、イースト・ドーナツと
呼ばれる、カスタードクリームやエンゼルクリームなどといった
“穴”のないドーナツの、カスタードなどの“中身”が全く入ってい
ないようなものに感じられました。とにかくそんな“パン”がデザ
ート皿に、まるでピザのように中心から放射状に8つに切り分け
られて載っていて、その上にサーバーからコーンの上に渦巻状
に押し出されたのとまるっきり同じ形で、ソフトクリームがどんと
載せられています。
パンはそこはかとなく温かく、中途半端な位置にチェリーが載せ
られたソフトクリームはどんどん溶けていって、半端な大きさの
パンの上を常にゆっくりと動いています。

パンにはきちんと味がついている上に、意外にしっかりとした歯
ごたえがあります。ソフトクリームはそのままコーンの上に出して
提供するメニューもありますから、きちんとした乳製品の味とバ
ニラの香りがあります。
そして店員が「これをかけてください」といって置いていったメイ
プルシロップ。
先端が鈍いのか一発では巧く刺さらないケーキフォークと、ソフ
トクリームをパンに塗りつけるために出てきたアイスクリームス
プーン。
これらの全てがちぐはぐな状態で客に供されているのです。
決して不味い食べ物ではありません。ただ、大きいのでひとり
で完食するのはちょっと無理そうな感じがするだけです。

それは「シロノワール」というのだそうです。
名古屋周辺にお住まいの方ならご存じかもしれませんが、私の
地元「江田」にできた喫茶店は、喫茶店の激戦地である中京
地方の中でもそのチェーン店の数を誇るという「コメダ珈琲店」
です。
江田近辺、あるいは名古屋方面にお出かけの方は、ぜひとも
この微妙な一品をお試しいただきたいと思います。

因みに「シロノワール」をGoogleで検索すると699件、YAHOO!で
検索すると709件、msn.サーチで検索すると339件という結果が
出てきますが、ざっと見た限りでは「シロノワール」のアルファベッ
トのつづりと、「コメダ珈琲店」の公式サイトは見つかりませんで
した。


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