Vol.28 - 23 Mar. 2003

ついに戦争が始まってしまいました。
世論の空気が読めずに相変わらず好き放題していた者や戦争
がしたくてしたくてたまらなかった者たちが、犠牲や影響を顧み
ずに始めてしまった戦争。
世界中のわがままな者たちは、自分の好き勝手をしているとい
うのに、どこを向いてなにを考えているのか解らない日本の首相
や内閣。
宇多田ヒカルがホームページで「私はこれまで反戦活動とかし
てきてないし、始まったからにはうまくいってほしいと思ってニュ
ースを見てる」などという書き込みをしていた。その前日の開戦
の日には「正しい戦争なんて無い」と訴えていて、その通りだと
共感できたのに。
「うまくいく」ってどういうことだ?
戦争そのものがうまい手段ではないのに。

鉄腕アトムが生まれようとしていた、あの夢の21世紀。
迎えてみれば、実態は本当はこんなものだったのか?
それとも、本当にどうしようもない世の中だったからこそ、鉄腕
アトムは生まれて、10万馬力の腕力で悪を叩きのめす必要が
あったのだろうか。

ところで、兵器を作った人たちの気持ちというのはどんなもの
なのだろう。
自分の作った物が実戦で使われる。自分の作った物が行った
こともない国の建物を打ち崩す。自分の作った物が行ったことも
ない国の建物を打ち崩して中に居合わせた人たちの命を奪う。
滅多に使われないのに、たまに使われる時は必ずこんなことに
なる。そんな目的、殺戮が目的の物を、作ることが自分の仕事。
たまにしか使われないのに、決して望ましくない物を作り続ける
人たちの気持ちというのは、いかようなものなのだろう。
今どきの戦争は、TVの生中継で自宅の居間にいながら、弾の
行方を着弾まで見届けることができる。
自分の作った物をTVの中で久しぶりに見る。それは見慣れな
い陰うつな雰囲気の街で、しかも夜間に赤外線を使った一面
緑っぽい画面の中に同じく緑色の弾となって現れる。
自分の作った物が迎撃されている。しかし、自分の作った物は
着弾する。
…無事に着弾?
正確に目標物に当たって、…それは喜ぶべきこと? 嬉しいか?

ダイナマイトを発明したスウェーデン人アルフレッド・ノーベルは、
自分の発明が戦争で利用されることを憂い、人類の発展に貢献
した人を報償してほしいとノーベル財団を作って後世にノーベル
賞という権威ある制度を残した。
そんな憂いを、武器・兵器の製作者たちは感じているのだろうか。
毎日、そんなことに従事できる神経は、ボクには解らない。

なにがなんでも戦争は早く終わらせるべきだと思う。
そしてその後にやってくる“まともな”社会では、兵器を作ること
にも重大な戦争責任があるということを、今一度考え直してもら
いたい。

…テーマが重すぎて、ちっとも「ノンキな」通信ではなくなってし
まいました。
世界中は混沌としているけれども、日本にはなんとも能天気な
桜の季節がやってこようとしています。
季節は暖かい方に向かっているというのに…。


<< Vol.29  Vol.28  Vol.27 >>

ノンキな通信  I.Z.'s Attic




*** I.Z.'s Attic ***
Copyright - I.Z. - 2004 - 2010 All Rights Reserved