Vol.7 - 30 Jun. 2001

この6月の初めに、自宅の引っ越しをいたしました。
今日はその引っ越してきた地域の話などを。


新しく移ってきた「横浜市青葉区荏田北」という場所は、横浜市
北部の新興住宅地の中でも開発が遅く、最近になってようやく
宅地が造成されたところです。
東急田園都市線の江田駅に隣接した場所でありながら、まだ
まだ空き地が多く、この江田駅周辺は大規模どころか個人経営
の店舗すらあまりなく、住むにはまだちょっと不便な場所なのか
もしれません。
駅前には国道246号線が走っているのですが、それだけでなく、
ちょうど駅前の上空を東名高速道路が横切り、地図上では交通
の要所という印象です。

荏田という地名に関しては、「エダ」は「湿田」を意味する言葉で
あるとか、源義経に合流し「鵯越えの坂落し」や「屋島の戦い」
に加勢した御家人、江田源三広基の居城で山城の「江田城」が
あったなどという話を聞きます。
駅名は「江田」でも地名は「荏田」であったり、たしかに「荏田町」
は裏東海道とも言われる「大山街道」の荏田宿に位置していて、
そこには鶴見川の支流である早淵川が流れていていたりするの
で、おそらくその近辺は湿田だったのでしょう。

そもそも荏田の「荏」は、シソ科の一年草「荏胡麻(えごま)」に
由来します。
奈良時代以前には渡来してきていたといわれるこの荏胡麻の
種子から採れる荏胡麻油は、食用だけでなく、ロウソク代わりの
灯明用や屋根などに塗って防水用としても使われています。
東京都品川区にある「荏原(えばら)」という地名は、古くからこの
地域で荏胡麻を広く栽培していて、そこで採れる油は江戸城に
献上され城内外の灯明に使用されていたと聞いたことがありま
す。つまり「荏原」は当時の「発電所」だったわけです。
「荏田」でもおそらく同じように荏胡麻から油が採れていたので
しょう。

新居の窓から眺めた正面には、国道246号線とそれに鋭角に
まじわる東名高速道路との間の三角地帯に作られた変電所。
高圧線の鉄柱が乱立する姿に、荏田は昔も今も「明かり」の要
所なのだと、ふと思いました。
駅周辺には満足に店すらありませんが…。





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