こどもの感染症   


よく見られるこどもの感染症について概略を記載しました


■溶連菌感染症(しょうこう熱)

原因 溶血性連鎖球菌が扁桃に感染。潜伏期間は2〜5日。
主な症状 発熱。のどの痛み(のどが真っ赤になる)。細かい発疹が、全身のいろいろなところ(四肢、顔、からだ)にでてくる。かゆくなる。舌がイチゴの表面のように赤く、ブツブツになることもある。
登園・登校開始のめやす 抗生剤内服開始後24時間くらいで感染力は低下するので、それ以降は登園、登校は可能です。抗生物質服用中は過激な運動は控えたほうがよいでしょう。
合併症

リウマチ熱(→抗生物質を必ず最後まで飲みきることが大切です)、急性糸球体腎炎


■咽頭結膜熱(プール熱)(アデノウイルス感染症)

原因 アデノウイルスによる目、口からの感染(唾液、目やに)。プールでうつることが多かったので”プール熱”と呼ばれている。
主な症状

38〜40℃の熱が4〜5日から1週間続くはじめは熱だけが主な症状でなかなか下がらない。午前中37℃台で、夕方から39℃くらいになるというパターンを繰り返すことも多いのどが赤くなり、痛い。その後、目が充血、目やにが出てくる。鼻づまりがひどくなる。下痢をすることもある。

  ウイルス感染症なので抗生物質の効果は期待できない。なるべく安静にして、消化の良いものを与える。
登園・登校開始のめやす

発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状がなくなった後、2日間してから。


■ヘルパンギーナ

原因 コクサッキーウイルスによる感染。潜伏期間は3〜5日間。
主な症状 発熱1〜3日(多くは39〜40℃の発熱が1日)。のどに水疱ができ、痛くなる。食欲が低下、よだれが多くなる。
  硬いもの、酸っぱいもの、味の濃いものは避けて、ぬるめの口当たりのよいもの(牛乳、クリーム味のものなど)を食べさせて下さい。


■手足口病

原因 コクサッキーウイルス、エンテロウイルスによる口からの感染(唾液、便を介して)。潜伏期間は3〜5日間。
主な症状

手(下図左)、足(下図右)、口の中、ひざ、おしりなどに赤いボツボツができる。その後水疱になる(みずぼうそうの水疱と違って、かたく、すぐには破れない)。発熱は2〜3日。

  口の中の発疹(口内炎)が痛くて、食欲がおちる(乳幼児ではよだれが多くなる)。硬いもの、酸っぱいもの、味の濃いものは避けて、ぬるめの口当たりのよいもの(牛乳、クリーム味のものなど)を食べさせて下さい。
登園・登校開始のめやす

便の中へのウイルスの排泄が2〜3週間と長く続くため、長期間登園停止にしないかぎり流行を抑えることは難しい。このため、平熱で、食欲があり、元気であれば、発疹が消失していなくても登園してもよい。

合併症 髄膜炎

2013年の手足口病は,、
例年流行する小さい丘疹タイプ(▲上の写真と)と、
手のひら、足以外に前腕や下腿に水痘に似た大きめの発疹がみられるタイプ(▼下の写真 コクサッキーA6型)の2種類が見られました。


■水痘(みずぼうそう)

原因 水痘ウイルスによる飛沫感染。潜伏期間は2〜3週間。
主な症状 顔、からだに赤いボツボツ(3〜5mmくらい)ができる。その後水疱→かさぶたになる。かゆくなる。発熱(熱のでない人もいます)。
  発疹が出現する1日前〜すべての発疹がかさぶたになるまでの期間は人にうつす可能性があります。
登園・登校開始のめやす すべての発疹がかさぶたになったら登園、登校可能です。
予防

水痘ワクチン(接触後72時間以内、家族の場合は48時間以内に接種するとうつったときに軽くすみます)


■流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

原因 ムンプスウイルスの飛沫感染。潜伏期間は2〜3週間。
主な症状

耳の下(耳下腺)や顎の下(顎下腺)が痛くなり、腫れてくる。発熱(熱のでない人もいます)。

 

耳下腺が腫れてくる2、3日前〜腫れが引くまでの期間は人にうつす可能性があります。

登園・登校開始のめやす 耳下腺、顎下腺が腫れてから、5日間経過し、全身状態が良好なら登園、登校可能です。
合併症 髄膜炎(→頭痛、嘔吐がひどいときは必ずもう一度受診して下さい)、難聴
予防

おたふくかぜワクチン(接触後にワクチンを接種しても予防はできません)


■伝染性紅斑(りんご病)

原因 ヒトパルボウイルス。潜伏期間は2〜3週間。
主な症状 両方のほっぺたが赤くなり(下図左)、ほてった感じになる。腕(下図中央)、太ももにも赤い発疹ができる(網目状)。かゆくなる。微熱。
  治りかけに、日に当たったりすると、再び発疹がひどくなることがあります。
登園・登校開始のめやす 発疹が出たときはすでに感染力がほとんどないので、出席停止にする必要はありません。