吐き気のあるとき…感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の対処のしかた |
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1)吐き気の強いときはまずおなかを休ませましょう …何も与えずに胃を空にして吐き気が鎮まるのを待つ。
◆吐き気止めの座薬(ナウゼリン座薬)を入れて、1時間くらいは水分も与えずに寝かせる
2)その後、少しずつ水分(麦茶、番茶、嘔吐下痢用のイオン飲料など:OS-1、アクアライトORS)を与える
◆はじめはひとくち〜ふたくち(3歳未満ならスプーン1〜2さじから、3歳以上ならぐいのみ1杯くらいから)
◆5〜10分くらいして吐かなければ、同量〜倍量与える
◆吐かないことを確認しながら,5〜10分ごとくらいに1回量を増やして与える
***点滴をしているように「少量ずつ」、「回数多く」与えることがコツです水分の与え方***
3)1回にコップ1/2〜1杯くらい(50〜100ml)水分を与えても吐かなくなれば、以下のように進めてみて下さい
◆野菜・コンソメス−プ、りんごジュ−ス など → お粥、うどん、食パン
注:一般のスポ−ツドリンクは乳幼児の嘔吐、下痢の治療には不適当です。乳幼児には、こども用イオン飲料あるいは下記のような補液剤を与えて下さい。
家庭で作る経口補液剤
塩 2g、 白糖 40g 、水 1000ml
オレンジのしぼり汁で香り、味をつける
こんなときは要注意…脱水症およびその他の合併症を併発している危険があるのでかかりつけ医へ連絡してください
◆オシッコが半日以上でていない 。
◆口の中や舌が乾いている(乳児ではヨダレが出ない)。
◆皮膚に張りがなくシワシワしている(おなかの皮膚をつまんではなしてもすぐに戻らない)。
◆顔色が悪くぐったりしている。呼びかけに反応しない。
下痢の時の食事療法 |
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■乳児
◆軽症
1)母乳、ミルク(薄めずに)はそのまま続ける
2)離乳食は、前期程度(おもゆまたは水分の多いお粥、野菜ス−プ、味噌汁の上清)
◆中等症〜
1)6〜12時間くらいは、湯冷まし、番茶、嘔吐下痢用イオン飲料(アクアライト、OS-1)などの水分を少量 ずつ与える
2)つぎに、母乳またはミルクを開始する。
3)離乳食は一時中止する
■幼児〜
◆ 水分…湯冷まし、番茶、野菜ス−プ、味噌汁、こども用イオン飲料(OS-1、アクアライトORS)
◆食事…粥、よく煮たうどん、食パンなどの炭水化物を主に。副食は消化のよいもの(豆腐、白身魚、鷄ひき肉など▼下表参照)
◆甘いお菓子、油っこいもの、繊維の多い野菜は避ける
◆柑橘系の果汁(みかんなど)は避ける
消化の良い食品 |
消化の悪い食品 |
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穀類 |
食パン、軟飯、うどん | 赤飯、寿司、ラーメン |
魚類 |
脂肪の少ない魚:たい、かれい、ひらめ、あじ、 とびうお、すずき |
脂肪の多い魚:いわし、まぐろ、さんま、さば、 うなぎ |
肉類 |
脂肪の少ない肉:ヒレ肉、とりささみ | 脂肪の多い肉:ベーコン、ソーセージ |
豆類 |
豆腐、きな粉、煮てうらごしした豆類 | あずき、大豆などの固い豆 |
卵類 |
卵、うずら卵 | すじこ |
油脂類 |
植物油 | ラード |
野菜類 |
軟らかく煮た野菜:にんじん、かぶ、 ほうれんそう、カリフラワー、きゃべつ |
繊維の多い野菜:たけのこ、ごぼう、れんこん、 強い香をもつ野菜:うど、せり、みょうが、セロリ |
その他 |
海草類、つけもの、干物 | |
果物 |
りんご、白桃 | みかん、梨、いちご、干し果物 |
飲み物 |
牛乳、うすい紅茶、乳酸飲料、ヨーグルト注1 | コーラ、サイダー、コーヒー |
菓子類 |
カスタ-ドプリン、ぼうろ、アイスクリ-ム、ウエハ-ス、カステラ |
ドーナツ、かりんとう、ケーキ、辛いせんべい |
注1:吐き気、下痢のひどいときは乳酸飲料、牛乳は控えめ にしたほうが良いでしょう |