38. 激動の2005年を振り返る

というほど、大袈裟なことではありませんが、年末になると1年の総括ををするのが社会の通例ですから、自分も今年を振り返ってみたいと思います。ただ、終わったことを悔やんでも「後悔を先に立たせて後から見れば、杖をついたり転んだり」、というわけで、振り返って次のステップへつなげていくことが大事だということでしょう。

まず、全体の準備期間についてですが、実質的に1年間は長くはありませんでした。大雑把にいうと、場所探しを含めて可能性を検討している期間が半年、場所が決まって具体的な検討に3ヶ月、工事に2ヶ月、実働を前提とした準備に1ヶ月という具合です。これより早くできるとしたら最初の半年をつめることでしょう。とにかく場所が決まることが一番大事。とはいっても、もともと自分の持ち家で開設する場合を除いたら、気に入った物件に出会うかは運にまかせるしかありません。しかも、いくつもの候補から選り好みできることはたいてい無い。不動産関係は直感でいくしかないんですよね。具体的な検討に入ってからは、物理的な制約なども出てくるので、後半の半年は短くはできない。といって、長くても勢いが鈍るので、ジャスト・サイズな期間といえます。いずれにしても始まってみないと、準備不足のポイントが最終的に見えてこないので、とりあえず診療ができる最低ラインがゴールと考えたほうがよいということです。100%で開院と思っても、けっきょく始めれば、無駄なことを用意していたり、やっぱりあれが足りないということは山ほど出てきます。

じゃあ、準備するものは何かというと、資金・内装設計・機材・システム・人材・広告というのが大きな柱でしょうか。自分で全てできるという自信があれはいいけど、たいてい知識が足りないし、勤務しながらでは時間的にも難しい。となると優秀なコンサルト会社を見つけることが必須といえます。100万以下の安いところから、500万くらいの高額なところまでいろいろあるようです。安ければ安いなり、高ければ高いなりということでしょう。ほとんどが、何らかの形で関連会社に利益誘導することが目的の一部にあると考えてよいと思いますので、コンサルトを選ぶときの視点の一つに入れておくことが重要です。いざ、診療をという段になって制約が生じることが有り得るということです。いずれにしても、全体の流れを作ってコントロールする力があることが最も大切なところです。まったく知らないコンサルトにかけるのは危険が大きいので、知り合いに紹介してもらう方が無難でしょう。ちなみにメディカル・コンサルトは優秀なコンサルト会社です。社長の人柄か、関口君の能力か、他のスタッフの行動力か、理由はいろいろありますが、「顧客満足度NO.1」といっても過言ではない(褒めすぎ?)。

機材・システムについては電子化というのが、今後のキーワードになります。レントゲンのデジタル加算はすでに始まっていますが(加算とはいっても、フィルム代がかからないので患者側から見ると安い)、今後レセプトの電子申告の計画も具体化してきていますし、電子カルテに対する加算も検討されています。好むと好まざるとかかわらず、この流れは避けて通ることはできないでしょう。その時になって導入すればいいと考えることもできますが、新規に開設するなら最初から導入すべきだと思います。いずれの電子カルテ・メーカーも対応せざるえないので、今の時点で心配してもしょうがない。その時になって慌てるより、今から余力を持って準備しておいたほうがいいということです。今のところ、自分のペーパーレス・フィルムレスの環境はすこぶる快適です。おそらく、クリニック仕様としては、最安値の環境で構築されているにもかかわらず、です。ただし、重要なことは前にも書きましたが、デジタルよりもアナログが優ることもあるので、臨機応変に対応することが大事ですよね。

なんにせよ、医療は最終的には人と人との間の仕事です。いろいろな人との関係がこれほど大事だと思い知らされた1年というのが総括の中心になります。メディカル・コンサルトを紹介してくれた知人から始まり、社長、関口君、そこから広がった設計の荒川さん、システムの中条さん、そして今後もお世話になる税理士の小田先生、ビルのオーナー、隣接の先生方、医師会、いろいろな業者の担当の方、そして多数の恩師・友人。こんなに捨てれない名刺ばかりいただいたことは今までありませんでした。そして今の主役は一緒に仕事を始めたスタッフと患者さんです。まだ始まったばかりで患者数が少ないので、余裕を持って仕事をしていますし、患者さんを待たせることも少ない状況です。だんだん軌道に乗ってきて忙しくなってきた時に本当の真価が発揮されるのでしょうが、今の所はほとんど問題も無く、当初の「楽しく働いて患者さんにやさしく接する」という目標ができているように思います。

来年の目標というのは、かわったことは無いわけで、いつでも「患者さんをしっかり治す」しかありません。その結果として「患者数が増える」、「経営が安定する」という結果がついてくるはずです。その次にくるものは・・・多少考えていることはありますが、今はとにかく「患者さんからの信頼を得ること」に専念しましょう。