37. もうじき3週間

やっとのことでかぜも治まりつつあります、今日この頃。来年の保険点数引き下げが発表され、さらに寒さは増しています。それにしても、この保険点数というのがやっかいです。国民皆保険制度を建前としている日本では、すべての国民が平等に医療を受けることができるようにするため医療の定価が点数という形で決まっていて、とにかく意味不明の文章とともに広まっています。この解釈は人によっても場所によっても違いがあり、本当の値段はどれなんだろう? という状況です。実際、医者の側でも知識・経験・技術に差があって平等な医療を提供することは不可能なわけですから、なかなか難しい現実がありますね。確かに高齢化社会を迎えて医療費の圧縮は重要な問題ですが、単なる点数の引き下げは医療の萎縮を招いていることはまちがいありません。じゃあ、保険制度からはずれて自由診療をどんどん増やすかというと、市場原理から考えれば、当然競走が起こって値段の低下につながり患者さんは得をするでしょうが、長期的には質の低下も招いてしまうという意見も一理あります。

とはいっても、そんな難しいことをいろいろ考えるよりも、まずは自分の基盤を早く作ることがもっかの最優先事項です。これは口でいうのは簡単です。つまり、体調の悪い人に早く原因をつきとめて、充分な説明をして、そしてなるべく早くに社会に復帰できる治療を行うこと。これにつきるでしょう。その上で信頼を得ていくしかありません。そんなこんなで、もうじき開院して3週間になろうとしています。これまで受診していただいた方々は、ポスターや折込広告といった最初の広告によって認知してもらった分でしょう。患者番号は200番くらいまできました。当然徒歩圏内の方の受診が圧倒的です。これが「地域に密着」ということですね。収支は、もちろん大赤字はまちがいありません。いろいろな先生から「あせらずぼちぼちやること」とアドバイスされていますが、実際その通りだと思います。

プロのカメラマンによる撮影。さすがに違いますね。薄暮れ時のセンター南をうまく取り入れ、待合室の広がりを描ききった力作!! というほどではないですが、今までの自分の撮った写真とは一味違います。