11. 契約、機器選定開始

当初の予定より数日遅れで、賃貸契約の当日のなりました。
その前に、社長・関口君それに荒川さんとミーティング。すでに荒川さんには、ここでのレイアウト案をいくつが送って検討してもらっていました。何と言っても最初にほれた景観を生かし、患者アメニティを考慮する。待合室や、あるいは物理療法中の患者さんが楽しめるようにしましょう。ただ、本来入り口からはいってすぐに待合室をとり、その周囲に診察室・検査室・処置室などを配置していくのが、患者導線とスタッフ導線が最短でかつ交差しない基本とされています。しかし、ここでこれをするとせっかくの窓がすべてスタッフの裏導線になってしまいます。これじゃ、なんのためここにしたかわからない。またスタッフの主たる配置を近づけて効率よく仕事をするためには、あまりバリエーションは無い。しかも難しいのは横長であること。どう考えても待合室を窓側にすれば、左右に分断されてしまう。というわけで、だし汁には自分のレイアウトを採用してもらい、そこに荒川マジックで味付けして豪華料亭の味に変貌、ということで荒川さんと設計契約。前金は待っててね。

続いて、物件地下にある事務所で賃貸契約。これも特に問題なく終了。オーナーの方は近くの地主さんで、物静かな初老の紳士という感じです。これから、いろいろお世話になります。

さてここで、メディカル・コンサルトのお二人は、他の物件での最終段階があり超多忙のためちょっとお休み。そこで自分は、大きな機械類の業者との面談シリーズに突入することにしました。レントゲンの会社というのは、秘密主義というか、本当にちょっと問い合わせたくらいでは何にも教えない。直接会わないと全然わからないので、自分から乗り出すしかありません。最先端技術でしのぎを削りあう業界だからでしょうか。まずレントゲン撮影装置。通常のものは定価で500万くらいするのが、実際の売値は100〜200万くらいになるといいます。ただ、整形外科としては透視を是非したい。こればかりは後から装置を替えるわけにはいきません。透視もできるものだと定価でゼロがひとつ増える。実売価格は600〜700万。当初考えていたのはS社。実は4月に機械展示があって、その場所で資料請求の住所・氏名を書いておいたのに、まったく何の連絡も無い。それにいろいろな技師さんに聞いてみると、とにかくメンテナンスが悪いと皆異口同音に言うのです。まぁ、そんな噂は置いといて、そこで、少し額が上がりますが、T社のもので検討。次の問題がレントゲンのデジタル処理のためのCR装置。今時、現像というのはありえない。なんといっても業界随一のブランドがF社。一式で実売600万。フィルムレスでいくので印刷機はいらないというと、けっこう冷たい反応。基本はフィルムメーカーなのでフィルムを買ってくれないなら、あんまりまけないよ、というのがありあり。そもそもデジタルを最初に開発したのがおたくでしょ。そりゃ、ないぜ。それに対してK社は後発だけあって姿勢が低い。ただ、値段は王様F社とあまり変わらないじゃないか。とにかく見積もりを早急に出すように依頼しました。

上は入り口から南側・駅前を見たもの、下は駅前から北側・入口を見た写真です。とにかく広い、しかも横に長いので、一枚の写真にはおさまりません。南側の全面ガラスによる、景色の素晴らしさは相当なものです。