8. 決戦! 溝の口

さて、そろそろ自分で今できることも少なくなってきました。物件のほうはどうなっているのか。ゴールデンウィークが終われば、実質的には目標まであと半年。そろそろ時間の余裕がなくなってきている。退職の意向は、お偉方には伝わってしまった。このところ関口君からの連絡も少ない。社長の歯切れも悪いぞ。かみさんは気持ちが引きだした。そろそろ決断しないといけません。

4月も後半に入ってミーティング。システムの中条さんにはパソコン・LAN構成の検討のたたき台を提示。おおむね了承を得る。電子カルテも、ほぼY社のものに決定。その他いろいろ検討後、こちらからお願い。つまり、溝の口の物件に関して最終判断を連休明けまでにすること、クリニックモール計画になって話が大きくなった分、計画が自分の手から離れてしまった。他人の決断をひたすら待っているのには限度がある。というわけです。

自分の中でも、溝の口でやりたいという気持ちの反面、冷静に考えて次の候補地を探す気持ちも出てきた。というのも、溝の口の物件があらためて賃貸物件として広告されているのを発見したんです。ということは、オーナーはこちらの条件についてはあきらめてしまったということか。となると、もう一度自分の生活圏に立ち返ろう。そこで白羽の矢を立てたのが港北ニュータウン。実は最初にかみさんと話を始めたときにも候補地として出てきたのですが、なにしろ人口の年齢構成が若すぎるので整形外科は厳しいだろうと思いはずしていました。しかし、あらためて考えると、最初に前提条件をつけるのはよくないと言ったのは自分でしょう。逆に厳しい場所でするためには、何が必要かを考えればいい。インターネットをフル活用して不動産を探し出す。関口君にも港北ニュータウンの候補地洗い出しを依頼。でも開業するのは自分ですから、なんでもコンサルトまかせではいかん。とりあえず、インターネットで探したセンター南やセンター北の物件を直接見に行こう。まんじりともせずゴールデンウィークをすごし、さぁミーティングだぁ。さぁ、社長、今日は結論出しますよ。

社長、どうですか、溝の口。只今オーナーサイドで金策検討中です。じゃ、いつ契約できますか、まだ確定したことは一つもありませんよ。そうですね。うーん、関口君、港北ニュータウンはどうですか。医業専用物件で、こういうのがあります。

というわけで出されたのが、今回の物件。通常の不動産では出てこない。これなら、かなり条件がよさそう。とにかく、溝の口については自分は降りることに決断しましょう。荒川さんには、奔走して図面作ったりしていて申し訳ありませんが、これ以上この物件に付き合うほどの余裕はありません。溝の口撤退、決定!!