5. 電子カルテ選び

荒川さんが図面を引き直しエレベータがついた。オーナーもOK。薬局も力が入る。内部の構成についても、メディカル・コンサルトからいろいろ案が出てくる。自分はとりあえずやることは無い。うーん、どうしよう。まず、ここまで「宗定クリニック(仮称)」と呼ばれていて、なんか漠然としていたので、早々と名称を考えた。辞書をひっくり返して考えたのが「あすなろ」で、いろいろ考えてこれで行くことにする。

次に自分のもう一つの理想が、電子カルテ導入によるペーパレス。病院用はいくつか見てきましたが、診療所向けはよくわからない。診療所は「おーい」っと呼べば聞こえる範囲で診療をしている。そこがだいぶ病院とは違う。また、多人数で使うわけではないので、万人に使いやすいものではなく、くせがあっても自分にしっくりくるものがいい。入力のスピードが電子カルテの最大のボトルネックである。どこまで、自分用にカスタマイズできるかで、作業効率が決まる。また自分もここまでは入力するが、ここからはむしろ入力しないというはっきりとした線引きが必要となる。
電子カルテの導入は、クリニック側からはレセコン(医事会計システム)連動による会計処理の簡素化とカルテの保存スペースを用意しなくて良いことが大きな利点になる。またレントゲンのデジタル化と合わせれば、大幅な管理コスト削減が可能となるのだ。患者側から見ると、カルテ閲覧が容易になり、全体の流れがスピードアップして待ち時間の短縮効果がきたいできる。最大の効果が出れば、みんなハッピー。パソコン好きとしては、意地でも実現したい。

そこで神田にある電子カルテ展示場に行って、いくつかサンプルを見ることにしました。ここで、開業支援チームNo.4となるシステム関連担当の中条さん登場。ただ、電子カルテについては予想していた通りで、できることはどれでも同じ。後は見た目の好き好きと、しばらく使って見て、自分になじむかどうかでしか判断しようが無い。結局、試用が可能なものをいくつか手に入れて、とっかえひっかえパソコンにインストール。

これも自分で考えた、最小スペースの診察室コンセプト。机は三角形。患者との対面をよりしやすくする。また机が四角だと医者が座る後ろを通り抜けしにくいが、三角にするとそれが解消できる。また車椅子での入室も方向転換を必要とせず、まっすぐ入って、まっすぐ出ることが可能。この場合、机には極力ものを置かないことが重要。従って、電子カルテは必須。