リンツのペストリング鉄道


最急勾116‰の登山電車を撮りに行きました
  
2018年4月7、8日撮影
 

これはオーストリアのリンツ市内を走る普通のトラムが、突然登山鉄道に変身する、というほとんど他では見られない驚くべき登山電車です。山に差し掛かると、高度差255mの頂上まで最大116‰というとてつもない急勾配を力強く登っていきます。しかも、ラックレールと噛み合わせる歯車もつけず、軌間1mの線路を、ひたすら登り続けます。箱根登山鉄道ですら最大勾配80‰で、電圧は同じ直流600Vですが、同じ600Vでも、線路や車両には独特の登山線用メカニズムの工夫が各所になされています。しかも外見は昔のオールドタイマー。私はこれを見たさに、夜リンツに到着し、翌日早朝にその頂上まで行って見ました。
 





宿泊ホテルがリンツ中央駅の近くで、目的の登山線から少し離れているので、とりあえずタクシーで終点の一つ手前まで行きました。
走行予定のない旧型車X=10番機が来たので、タクシーを降りて咄嗟に撮りました。この想定外の走行は一体何だったんでしょうね?



 

 

上の踏切から終点のペストリング駅まですぐなので、急いで行って見ると、すでに電車は折り返し山下りの出発の準備をしていました。
  
 
 

 

 
とてもきれいな駅で、見晴らしもよく、ここが頂上なんですね。旧型車が去った後も、あまりに美しい駅で、次の電車まで待っていました。
 


 



撮影地は、終点の一つ手前の駅付近に決めていたので、次の旧型車まで、朝のペストリングを散策しました。







この教会は有名なペストリングベルグ巡礼教会で、タクシーの運転手さんが盛んに説明してくれていましたが、言葉が通じません。


 
 
 

 
そうこうしている間に旧型電車の時間となり、今日は[(8号機)が薄暗い山中をライトを線路に反射させながら、しっかりと登ってきました。
 
 
 
 
 

 
ここは写真で見る限り急勾配には見えませんが、とてもきつい斜度です。鬱蒼とした山間を走る姿はまさに登山電車です。
 
 
 
 
 

 
もしかすると右の標識が勾配票かもしれませんが、この向きでは運転士には確認できませんね。ここは見る限り急坂が視認できます。
 
 

 
 


どういうアングルが、急勾配を表現できるか、普通の電車でいろいろ角度を試してみました。結局はこんな写真になりました。






 
殆ど人が乗らない駅に、二人の旅人がホームに来ました。「乗る時にこっちを向いて」と頼んだら、大げさなそぶりでやってくれました。
 
 
  
 
 

 

ここは「リクエストストップ」の駅で、誰も乗降客がいないと通過してしまいます。乗る時にはしっかり手を上げなければなりません。
 
 
 
 
 

 
お腹がすいたので近くのレストランへ。展望の良いお店でした。何を食べたっけ?
 
 
 
 
 

 
今日は朝の1往復だけを撮りました。午後からドイツに向かいます。
 
 
 
 
 

 
これは市内に向かう普通の電車内で、これで終点まで戻ります。木造で作られた車内などに、お国柄が出ています。







運転室のガラス越しに前を撮れそうなので行ってみると運転士が仕切りガラスを降ろして、ここから撮れ、と言ってくれました。ありがとう!

  






電車はいつのまにか市街に入り、路面を走っています。2両編成の旧型とすれ違いました。結構まだ旧型車は走っているんですね。







終点駅の旧市街のハウプトプラッツ(Hauptplatz)で降りると、そこは広い中央広場になっていて、お土産屋さんも沢山並んでいました。







リンツ中央駅まで散歩がてら歩きました。街にはオーストリアらしくない、こんな観光バスも走っていました。さようならリンツ。