北海道・消えた鉄路と風景①


江差・松前・興浜北・士幌・富内 
 
1982年~1989年
 

広大な北海道の大地を、かつては多くのローカル路線
が走っていました。国鉄時代の時刻表の北海道路線図
を見ると隈なく張り巡らされていた路線はほとんどが
消え去り、幹線しか残っていない北海道には大きな驚
きを受けています。                    
ここでは、当時の各路線を代表する光景と列車の写真
で振り返ってみたいと思います。各路線とも、それぞ
れ特徴があり 40年以上も昔の写真は、自分でも よく
ここまで行って撮ったものだと感心する今日このごろ
です。まずはその1をご覧ください。
           


■江差線・松前線


 
当時、江差線は函館から出て海沿いに走り、木古内で松前線と分岐し、山側に入り、再び江差の手前で海に出るという路線でした。木古内
 

 
 
 
 

 
江差の手前で海際に出ますが、丘の上から撮ろうと道なき道を登っている間に来てしまった江差行列車です。この時はキハ40ではなく、キハ54でした。
 
 
 
 
 
 
 


これは松前線です。松前線は木古内からおおむね海岸線を走り、海を入れて取れる場所は沢山ありました。江差線より絵になりました。

 

 
 
 


寒風吹きすさぶなか、堤防の先端から海を入れて、松前行列車を撮ることが出来ました。  渡島大沢~及部
 
 
 
 
 
 
 

 
終点の松前は桜でも有名でした。あちこち場所を変えながら、撮った1枚です。 なかなか良いところは見つかりませんでした。
 

 
 





ここは定番のお城を入れた撮影地です。鉄橋を入れたもう少し前で撮った写真もあるのですが、鉄橋下の民家が玉に瑕でした。








そして1988年1月31日、「さよなら列車」が走りました。 松前駅では恒例の式典があり、寒風吹きすさ
ぶ悪天候の中で花束贈呈のセレモニーが予定されていたようですが、列車は1往復しか走らなかったので
私はその前に撮影地に向かいました。 「JRフレッシュガール」が待機しているところだけ撮りました。








これがその松前線最後の日のさよなら列車です。皮肉なことに、青函トンネル開通で海峡線となった江差線より先に廃線となりました。






■興浜北線



興浜北線は札幌からとても遠いです。夏の道北旅行で、この浜頓別に泊まりました。日の暮れた後、最終1本前を駅に撮りに行きました。



 
 
 

 
ここは北見枝幸と問牧の間で、線路と国道と海がまだ平行して見えるところです。先に見える集落が問牧です。

 
 





問牧を過ぎると線路は山臼に向かって上りになり、国道と海が下に見えるようになります。ここには山臼と言う仮乗降場がありました。



 
 
 


有名な斜内~目梨泊間のお立ち台で、誰もが行く所ですが、夏草でこれ以上は登れません。少し前までは灯台があったようですが既になくなっていました。
1985年6月30日が運転最終日で、大きなマークを付けたキハ22の6連「さよなら列車」が走りました。いつもは単行なのに多分初めての6連だと思います。








ここも興浜北線の代表的な撮影地です。海と山と中腹を行く単行のキハ22が撮れます。車が殆ど走っていません。 斜内~目梨泊





■士幌線



士幌線には夏冬とも何回か行っています。ここは糠平から黒石平までの間、国道に近づく場所が
 あり2両のキハ22がすっきり写せた場所です。士幌線は結構沢山撮っていますが載せきれません。








左は糠平湖ですが、まだ氷結していて雪原に見えます。夏は真っ青な湖ですが、樹木の葉が邪魔で撮れません。撮影時期が難しいです。








これは1987年3月22日、士幌線最終日に走ったDCによる「さよなら列車」です。国道273号線の道路からです。雪崩除けの鱒見覆道が見えます。








 これも、もう一編成走ったDE10のさよなら列車(復路)です。覆道から撮りました。
 





 
ここは有名な不二川の橋梁でトンネルからすぐ鉄橋を渡ります。川も氷結しています。







糠平付近ばかりでなく士幌付近で撮影地を探しましたが、平凡なところばかりでした。牛とサイロを入れたのですが、良く見ないと分かりませんね。





■富内線




日高町寄りの鵡川の渓谷には素晴らしい撮影地がたくさんありました。これは沙流川を渡る「景勝橋」です。岩知志~日高岩内はもう一つ鉄橋がありました。








これがもう一つの鉄橋「竜門橋」ですが、国道237号線のトラス橋も一緒に写って失敗作となりました。
川に降りるのは大変だったのですが、ダムも枯れていて放流もなく 水溜りのよくわからない写真です。








これも鵡川の渓谷で、道路から線路が見える場所を探しました。景勝地は沢山あったのですが、列車本数が少ないので(日中3本)1本が貴重でした。








ここも沙流川沿いの崖下を走るキハ22単行です。草をかき分けてもっと川に近づこうとしたら蛇や虫がいて諦めました。写真は上と同じ穂別~富内間です。









幌毛志~富内間にある有名なコンクリの眼鏡橋です。既に樹木や雑草が邪魔で、なかなかこの角度で撮るのは列車の時間帯もあって難しかった記憶があります。









この路線は、のどかなローカルを撮るには鵡川付近くらいしかなく、これは旭丘で、たまたま来てしまった列車を日高山脈をバックに撮った1枚です。








終点の日高町駅です。まさに日勝峠の麓の駅でした。何もないところまでよく線路を敷いたと思います。根室本線に繋ぐ構想もあったようです。。。。