箱根登山鉄道の記録

箱根登山鉄道は色々な日本一を持っているが、その中でも大きな特徴は、小田原~箱根湯本に敷かれた三線区間である。これで、小田急のロマンスカーが箱根湯本まで乗り入れることが出来た。また今では規制されている80‰の急勾配、半径30mの急カーブ、しかもスイッチバックが三か所もありそのたびごとの運転士の前後の行き来、そしてここを旧型電車が吊り掛け音で登る姿、同時に電気ブレーキの轟音で下る小さな箱型の電車には、ただただ魅入る以外になかった。
四季の模様もはっきりしていて、春は桜、夏は紫陽花、秋は紅葉、そして冬に毎年降る大雪は、ファンを一年中楽しませてくれた。
ただ残念ながらこの四季の姿は年々衰えてきて、これらの観光資源が失われていくのは忍びがたい。ここではかつての元気のあった四季折々の光景を回顧してみた。

 
 
春-桜
 
 

 
箱根湯本~強羅間開業80周年、彫刻の森美術館30周年を記念し、当時CMで人気の「ポーとメリー」が101-102に描かれ、
「とことこっとトレイン」として運行されました。枝垂れとソメイヨシノの見事な桜のトンネルです。    大平台付近 1999年
 
 
 
 
 

 
入生田と箱根湯本間は入生田に車庫があるため、今でも三線軌道ですが、まだ小田原まで走っていた時代。 途中の国道
 1号線に沿ったところに桜並木がありました。今は桜は伐採され、しかも立ち入り禁止になっています。 入生田~箱根湯本  
 
 
 
 
 

 
上大平台(信)から仙人台(信)に登っていく間にある大平台隧道の上から狙いました。今は桜もなく、ここは立ち入り禁止です。
 
 
 
 
 

 
上大平台信号場から大平台に下ってくるこの場所も桜の名所でした。今は剪定されて貧弱な桜しかなく、撮影には向きません。
 
 
 
 
 

 
上の場所を反対側(上大平台信号場側)から狙った写真。いずれにしてもこの間の桜は見事でした。今は面影もありません。
 
 
 
 
 

 
最急カーブ(R=30m)区間を行く旧型電車。こんな急カーブの連続のため、貫通幌は付けられず、 台車も車体幅を飛び出す
と言うほどの急カーブです。ここに1本の桜がありました。今は草木が伸びてこんなにスッキリした写真は撮れなくなりました。
 
 
 
 
 

 
ここは上大平台の信号場スイッチバック手前の分岐点(三角地)にある、某会社の寮の階段下から撮った桜です
 
 
 
 
 
初夏-紫陽花
 
 

 
紫陽花の小道の踏切から大平台隧道に入っていく電車のお尻を狙った後追い写真です。 ここもトンネル入り口までの間は
線路の両側は見事な紫陽花が咲き誇っていましたが、いっとき全部伐採して丸坊主になりました。今はどうなんでしょうか。
 
 
 
 
 

 
桜と同様に、入生田と箱根湯本間には綺麗な紫陽花が線路わきに繫がっていました。朝方の順光の時に狙った1枚です。
 
 
 
 
 

 
ここは大平台隧道の上を走る道路に抜けられる、けもの道と階段を登ると途中でこんな写真が撮れました。まだ伐採される前です
 
 
 
 
 

 
小涌谷を出発して、連続急カーブから彫刻の森に向かって直線区間に入ったところに踏切があります。そこから狙った1枚。
 
 
 
 
 

 
上大平台信号場の行き止まりの金網の間から望遠で撮ったものですが、2004が遅れて同時侵入にはなりませんでした。この
場所は昔は柵と金網がなく、ここで撮っていると運転士から注意されたものです。今は境界がはっきりして問題はありません。
 
 
 
 
 

 
待っていると、チャンスはあるものです。上大平台信号場に同時侵入が撮れました。運転士が顔を見合わせお互い挨拶しています
 
 
 
 
 

 
小涌谷から下ってきて宮ノ下駅に進入するところを、見事な紫陽花群を入れて撮ることが出来ました。今はかなり細っています。
 
 
 
 
 

 
定番の上大平台信号場から大平台隧道に向かう途中のワンカットです。これだけ見ると山奥と言った雰囲気ですね。
 
 
 
 
 

 
宮ノ下の駅を小涌谷側の小道から撮ったものです。この駅も紫陽花に囲まれ、家族連れが写真を撮る絶好の場所となっています。
 
 
 
 
 

 
ここは、最後にも書きましたが、環境破壊の最たるところです。以前は線路の両側に紫陽花がこんもり咲いていたのに。
 
 
 
 
 
秋-紅葉
 
 

 
早川の鉄橋に並行して架かっている「考三九橋」から撮ったもので、秋にはバックに美しい紅葉の山を入れて撮ることが出来ます。
ただ、トラスの鉄橋のため、顔の写る場面は一瞬で、シャッターを切るタイミングが難しい。しかも午前中です。 出山(信)~塔ノ沢
 
 
 
 
 

 
旧型同士の交換です。上記三角点にある寮の管理人さんに断って
裏庭に入れてもらい、望遠で狙ったものです。   上大平台信号場
 
 
 
 
 

 
同地点から。秋の木漏れ日と、ハラハラと落ちる枯葉。 とてもムード
のある光景です。運転士と車掌はここで入れ替わります。秋ですね。
 
 
 
 
 

 
ここが最急曲線のR=30mの場所です。秋はどうしても山陰になり、太陽光線の当たりがまだらになります。いっそ曇りの方がいいか
もしれません。ただしそうするとせっかくの赤く染まった紅葉や草木が映えません。撮るのに難しい場所です。  宮ノ下~仙人台(信)
 
 
 
 
 

 
イベント車両の108形が旧塗装の緑色で走っていたころ。ここは本当に真っ赤に染まったものです。  大平台~上大平台(信)
 
 
 
 
 

 
この写真も、もう4年前になります。線路脇に真っ赤な紅葉があったので、強引に入れて撮りました。 木陰が顔に当たるので連続で撮り
続け、その中で電車の顔に木陰が当たっていなかった唯一のカットです。連写撮影だから出来るんです。 仙人台(信)~上大平台(信)
 
 
 
 
 

 
ここは背景が、赤と黄色一色になるところです。その時期を予測するのが難しい。 電車の奥の木がもっと赤くなったほうが
いいですね。あと4~5日後でしょうか。そうすると左側の桜の葉は落ちてしまいます。難しいな。 大平台~上大平台(信)
 
 
 
 
 

 
秋の斜光の中を102の古豪が登ってきます。バックは真っ赤です。
 
 
 
 
 
厳冬-大雪
 
 

 
珍しく神奈川県に大雪が降りました。毎年、雪は数回降るのですが、翌日までもつくらいの雪でした。これだけ積もると雪国という感じ
になります。大平台では浅くしか積もっていなかったのに宮ノ下ではこの雪でした。樹木の積もり具合も最高です。  宮ノ下~小涌谷
 
 
 
 
 

 
このときは、翌日は晴れてしまったのでほとんど雪はなくなってしまいましたが、明神ヶ岳が美しく見えました。 彫刻の森~小涌谷
 
 
 
 
 

 
雪中を豪快に電気ブレーキ音を響かせて下ってきました。ここは杉の木に覆われて暗いのですがデジタルだから撮れたのです。
                                                                  小涌谷~宮ノ下
 
 
 
 
 
上大平台-夜
 
 

 
薄暗くなって明かりが灯されました。ヘッドライトは停止直前に消されています。
 
 
 
 
 

 
真っ暗な中を山上りの強羅行が来ました。露出が難しいです。
 
 
 
 
 

 
デジタルでもISO800でないと厳しい。一番灯の当たる瞬間に撮りました。
 
 
 
 
 

 
進入をアップで。シャッターは1/45です。室内の明かりがいいムードですね。
 
 
 
 
 
更新前の風祭駅
 
 

 
風祭駅がまだ三線軌道で、島式ホーム時代です、108形とホームの高低差、距離を見て下さい。非常に危険な駅だったのです。
 
 
 
 
 
最後に
 
紫陽花などの観光資源と環境破壊は止めよう
 
 

 
まずは、この写真をご覧ください。線路の両脇に(特に左側)紫陽花がこんもり咲き誇っています。左上に見えるの
は彫刻の森美術館のコンクリの建物です。ここから手前の小涌谷までは紫陽花街道でした。 小涌谷~彫刻の森
 
 
 
 
 

昔は線路の白い部分に踏切があって、上の写真はその踏切で後追いを撮ったものです。上の白い建物は書いてあるように、彫刻の森美術館で、写真的にも合っています。ところが、この紫陽花街道は、いつの間にか紫陽花は全部伐採されグーグルアースで見ると、 白く細いコンクリの道になっています。なんでこんなところに道を作る必要があったのでしょう。まさしく環境破壊、観光資源の喪失です。「これ以上自然を壊すな」と言いたいですね。