smc PENTAX-DA及びHDシリーズ交換レンズ収蔵庫

 

 smc PENTAX-DAシリーズは、デジタル一眼レフ専用に設計された交換レンズです。レンズのイメージサークルをAPS-Cサイズの撮像素子(例:ヨコ23.5mm×タテ15.7mmのCCD)に合わせて設計することによって、小型軽量化をも実現しています。

 なお、この情報は正式に公開されてはいませんが、一部の交換レンズについては、35mmフルサイズ一眼レフをカバーするイメージサークルを有するものもあります。

 絞り環の無いシンプルな構造となっているので、絞りはカメラ側で制御します。PENTAXがデジタル一眼レフを始めたときに、カメラ側から絞りを操作するデジタルシステムだけに統一し、従前までのレンズ側で絞りを設定するアナログシステムと併用するダブルシステムを廃することでコストを削減したのでしょう。このことで、アナログシステムだけしかない旧 「Kレンズ」での自動露出の切捨てになってしまいましたが、傑出した独自機能である 「ハイパーマニュアル」で可能な限り機能を補完することでそれに対処しています。このことに、従前ユーザーに対するメーカーの姿勢と、その誠意と暖かさを感じます。先のことしか見ていない、あの冷徹傲岸身勝手なCanonなどとは違うのだと…

 クイックシフト・フォーカス・システムの採用で、AFでのピント合焦後でも、マニュアルでのピント合わせを切り替えなしに行うことができます。

 ノーマルシリーズのほかに、Limitedと★シリーズも上梓されています。

 マウント部付近の緑の飾環がDAシリーズのシンボルです。

 このシリーズの交換レンズの問題点は、接写リングやベローズ装置を使用しての接写が、絞り開放または最小絞り値でしか出来ないことです。絞り環が省略されたことがその原因です。

 また、マウントアダプターを利用して他社カメラに取り付けて使うときも同様です。ただし、ミラーレス一眼用の場合だけ、絞り操作環が付いているマウントアダプター(ノボフレックスやレイクオール宮本製作所)がありますから、それなら中間絞りを設定可能です。この仕掛けを接写リングに仕込んでくれると嬉しいのですが…

 なお、オートベローズなら、ダブルレリーズや押し込みを任意位置で固定できるケーブルレリーズを利用することで、中間絞りの設定が可能です。

… 目次 …

DA★シリーズ

 諸収差の除去や明るさなど、レンズ性能を追求した最高級シリーズです。

 第1レンズ前面に撥水・撥油性のある特殊コーティングを採用しています。汚れが付き難く、落としやすいので、レンズ面の保護に効果的です。

 各部にシーリングを施すことにより、従来のレンズには無かった防塵・防滴構造にしています。 これにより、レンズ内部に水滴や埃が入り難くなっています。防塵・防滴ボディのK10DやK-7などと組み合わせれば、優れた耐候性能をより発揮する事ができます。

 インナー・フォーカス・システムを採用しています。

 コンパクトな超音波モーターによるAF機構(SDM機構)を内蔵しています。SDM対応カメラに装着すると、自動的にSDM機構によるAFに切り替わります。また、それ以外のペンタックスデジタル一眼レフの場合は、ボディ内モーターによるAF作動に対応します。

 左手で持ったときに親指の来る位置にAFとMFの切替スイッチが付いているので、カメラ側を操作する必要がなく、便利です。 

 外装の角バッチと飾り環が金色です。

  smc PENTAX-DA★ 300oF4 ED [IF] SDM

  smc PENTAX-DA★ 200oF2.8 ED [IF] SDM

  smc PENTAX-DA★ 50-135mmF2.8 ED [IF]SDM

  smc PENTAX-DA★ 16-50mmF2.8 ED AL[IF]SDM

DA Limited シリーズ

 小型のアルミ削り出しボディによる質感と、描写に味を持たせたシリーズです。専用フードやキャップにも凝っているのが、このシリーズの特徴です。

  smc PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited

  smc PENTAX-DA 21mmF3.2 AL Limited

   

 2011年2月8日に全世界限定500個販売ということでSilverモデル3本の発売が発表され、10日には早くも受注が完了した旨の公告がありました。4月1日に発売され、亭主は幸運にも3本ともに取得できました。

  smc PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited Silver

  smc PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited Silver

  smc PENTAX-DA 21mmF3.2 AL Limited Silver

DAシリーズ

 外装の角バッチと飾り環が銀色です。

  smc PENTAX-DA 14mmF2.8 ED[IF]

  smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5 ED[IF]

  smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6 ED AL[IF]DC WR

HDシリーズ

 smcコーティングからHDコーティングへ進化させたシリーズです。

  HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW

  HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited

※ 用語の解説

 「ED」 特殊低分散

 ガラスの屈折率は光の波長によって異なります。従って、様々な波長を含む自然光は、1点に焦点を結ばない性質があります。赤色が焦点を結んだときに、周囲に紫色のにじみが出ることがありますが、これが色収差と呼ばれるもので、一般の光学ガラスを使用した場合に、この修正が困難になります。
 この色収差を抑えるために様々な特殊光学レンズを使用するのですが、そのなかのひとつが特殊低分散(Extra-Low Dispersion)ガラスです。屈折による各波長の分散が小さく、優れた結像性能を実現できます。

 「AL」 非球面レンズ

 ALはAspherical Lensの略で、非球面レンズのことです。光学レンズには、理想的な結像を妨げる様々な収差があります。そのひとつが、光が1点で像を結ばず、点像のにじみとなって現れる球面収差です。これは、通常の球面レンズでは避けられない収差であり、明るい大口径レンズほど発生しやすくなります。それを解決するために採用されたのが非球面レンズです。

 「IF」 インナーフォーカスシステム

 通常の交換レンズは、その多くがレンズ系全体を動かしてピントを合わせる全体繰り出し方式です。これに対しIFは、ピント合わせの際にレンズの一部だけを動かす仕組みとなっており、オートフォーカス時にモーターが駆動するレンズ部分が軽く、AF時の高速化に寄与することになります。

 また、全長の変化がない、重量バランスが崩れない、最短撮影距離が短くできるなどの特長があります。

 「SDM」 超音波モーターによるAF機構

 SDM機構は、カメラボディ内のAF用モーターは使用せず、レンズ鏡筒内に内蔵された超音波モーターの駆動によりフォーカシングを行います。この超音波モーターは、静かでスムーズなフォーカシング駆動を行うとともに、ブレーキ機能を備えているため、高品位な速度制御と位置制御が可能です。より高度なAFを実現しています。

 「DC」 DCモーターを搭載

 レンズ内にオートフォーカス(AF)用のDCモーターを搭載し、滑らかなAF作動を実現しています。

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 smc PENTAX-DA★ 300oF4 ED [IF] SDM

   

 第2・第5レンズにEDガラスを用い、画像の品位を低下させる諸収差を徹底的に補正することで、クリアでコントラストの高い画像を実現するとともに、大幅な小型化を達成しています。

 軽快な使用感で、スポーツ写真など動きのある被写体にも最適です。簡単な操作で足部分が着脱できる回転式三脚座を装備しています。バッテリーグリップBG-2を装着したK10Dの場合、重心点はほぼ三脚座付近になります。

 三脚座にはカメラネジ中心から20mm離れた後方位置に回転止めの4.5mm径の穴があります。でも、これを利用できる雲台は現存していないので、自作するしかありません。

 なお、アルカスタイルレンズプレートの場合、プレート端に突起が設けてあり、これに三脚座の後端をあてがうことで回転を抑制することが可能です。「KIRK」のレンズプレートを使うのなら、下の写真のように「LP-3」がぴったりのサイズです。同社レンズプレートには色々な長さがありますが、プレート端突起と取付ボルトの間隔に注意しないと適合しないものもありますから注意が必要です。同社のプレートには脱落止めを付けることができるので、ずらして重心位置を探るようなときに安心です。

 また、ジッツォのCプロファイルミドル・ロングプレートのVHSピンは位置固定なので、これは使えます。

 インナーフォーカスは5群目凹を前後させる仕組みです。無限遠時が一番前側になります。

 原理としては、近接時には凹レンズを後退させることで全体としてのテレフォト度合いを高め、それによって見かけ上のバックフォーカスが長くなっていたのを短縮してピントを合わせる仕組みです。実質焦点距離が延びる ことになる全群繰り出し式より画角が大きくなりますから、像拡大効果は少なくなります。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、ケラレません。レンズ補正にも対応します。

 

 レンズフードはバヨネット取付です。突起が4か所なので、回転角は45度で取り付けることができます。

 レンズフード自体はsmc PENTAX-DA★ 200oF2.8 ED [IF] SDMのものと同一です。

 

 これはSDM搭載のDA★レンズに共通のことですが、SDMの性能は大いに疑問です。後に出たDCのきびきびとした作動とは異なり、超スローです。

 また、しばらく使用しないで置いた場合、使い始めに作動しない場合があります。何度もピント環を動かすなどしないと作動し始めないなどの困った現象が現れます。駆動トルクが不足しているのだろうと思われます。PENTAXの説明では、金属部分の膨張収縮により抵抗が増えることがあるとのことで、使わずにおくことが良くないとのことです。やはりトルク不足が原因らしい…

<SPEC>

焦点距離/明るさ:300mm/F4

対角線画角:5.4度

レンズ構成枚数:6群8枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:1.4m

最大撮影倍率:0.24倍

フィルター径:77mm

大きさ:83(最大径)×184(長さ)mm

質量(重さ)1070g

フードPH-RBK77 6,000円(税込6,300円)、ソフトケースS120-210 4,000円(税込4,200円)付属。

35mm判換算焦点距離:460mm相当

設計 加藤浩司

 smc PENTAX-DA★ 200oF2.8 ED [IF] SDM

   

 第2・第3レンズにEDガラスを使用し、色収差をはじめとする諸収差を極限まで除去しています。美しいボケ味と、シャドー部まで精緻な質感の描写が特長です。

 また、最短撮影距離1.2mを実現しています。近接撮影でも際立った描写性能を発揮します。

 F2.8の明るさを利して、ストロボや三脚の使えない劇場内客席における演劇等の撮影には威力を発揮します。

 インナーフォーカスは6群目を前後させる仕組みです。無限遠時が一番前側になります。

 原理としては、近接時には凹レンズを後退させることで全体としてのテレフォト度合いを高め、それによって見かけ上のバックフォーカスが長くなっていたのを短縮してピントを合わせる仕組みです。実質焦点距離が延びる ことになる全群繰り出し式より画角が大きくなりますから、像拡大効果は少なくなります。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、ケラレません。レンズ補正にも対応します。

 レンズフードはバヨネット取付です。突起が4か所なので、回転角は45度で取り付けることができます。

 レンズフード自体はsmc PENTAX-DA★ 300oF4 ED [IF] SDMのものと同一です。

 リアコンバージョンレンズは前玉の飛び出しているLタイプが使えますが、AFが使えないので、入手には至らない…

 これはSDM搭載のDA★レンズに共通のことですが、SDMの性能は大いに疑問です。後に出たDCのきびきびとした作動とは異なり、超スローです。

 また、しばらく使用しないで置いた場合、使い始めに作動しない場合があります。何度もピント環を動かすなどしないと作動し始めないなどの困った現象が現れます。駆動トルクが不足しているのだろうと思われます。

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:200mm/F2.8

対角線画角:8.1度

レンズ構成枚数:8群9枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:1.2m

最大撮影倍率:0.20倍

フィルター径:77mm

大きさ:83(最大径)×134(長さ)mm

質量(重さ)825g

フードPH-RBK77 6,000円(税込6,300円)、ソフトケースS120-160 4,000円(税込4,200円)付属。

35mm判換算焦点距離:307mm相当

 
 

 smc PENTAX-DA★ 50-135mmF2.8 ED [IF]SDM

 なめらかなグラデーションの背景に狙った被写体が立体的に浮かび上がる描写、ディテールまで色のにじみが少なく、シャープに描ききる表現力、F2.8の大口径とコンパクトな操作性を併せ持つ、デジタル時代のスターレンズです。

 光学系に特殊低分散(ED)ガラス3枚を使用して、像性能に影響を及ぼす色収差を徹底的に低減しています。 このことにより、絞り開放でもパープルフリンジが発生しません。

 レンズの内面反射を抑え、逆光撮影時の描写性能を向上させるゴーストレスコートを施しています。

 分類すると4グループ式ズームでインナーフォーカス式なので、ズームやフォーカスで全長が変化せず、またズーム全域でF値が変わらないので、ズームしてもシャッター速度が遅くなったりする使い難さがありません。

 フォーカスは、5枚で構成されている凸レンズ第1グループのうち、後の2枚を別グループに分割し、これを前進させることで近接撮影を行います。これがインナーフォーカスの仕組みです。

 変倍は、凹レンズ第2グループの4枚を後退させることでアフォーカス率を増大させて望遠化します。凹レンズ第3グループの3枚は第2グループが移動することで焦点位置が変動することを補正するために曲線移動します。ズームによって焦点移動は発生しない優秀な作りなので、再度のフォーカシングは不要です。

 絞りより後の凸レンズ第4グループ・マスターレンズは6枚構成で、第3グループまでで作り出した虚像を実像にして撮像素子に結像させます。このグループは移動しません。絞りも移動しないので、ズームしてもF値が変動しないのです。

 この第4グループのレンズ構成は、ダブルガウスの前群とオルソメターの後群をハイブリットの対称形にしたものです。これは、かつて引き伸ばしレンズやマクロレンズなどに使われた歪曲収差の少ない優秀なレンズ構成です。テレフォトともなっていますから、全長を短くする効果もあるのでしょう。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、165mm端のみケラレません。他は四隅がケラレます。

 しかし、「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」を併用すると、焦点距離が 「70-190mm F4」となりますが、周辺減光は大きいものの、ギリギリでケラレずに使えるようになります。この合成焦点距離、開放F値なら、望遠ズームとして十分使える存在となります。

 手振れ補正時にはイメージセンサーが結構大きく動きますから、最悪片側がケラレる場合もあるのかもしれません。しかし、いわゆる「小三元」の一角として使えるのなら、利用価値は高そうです。

 

 これはSDM搭載のDA★レンズに共通のことですが、SDMの性能は大いに疑問です。後に出たDCのきびきびとした作動とは異なり、超スローです。

 また、しばらく使用しないで置いた場合、使い始めに作動しない場合があります。何度もピント環を動かすなどしないと作動し始めないなどの困った現象が現れます。駆動トルクが不足しているのだろうと思われます。

 

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:50-135mm/F2.8

対角線画角:31.5〜11.9度

レンズ構成枚数:14群18枚

各グループ構成枚数:4群5枚(2群3枚-2群2枚)-3群4枚-絞り-2群3枚-5群6枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:1.0m

最大撮影倍率:0.17倍

フィルター径:67mm

大きさ:76.5(最大径)×136(長さ)mm

質量(重さ)685g

フード(PH−RBK67)、ソフトケース(S90-160)付属。

35mm判換算焦点距離:76.5〜207mm相当

設計 小織 雅和

 

 smc PENTAX-DA★ 16-50mmF2.8 ED AL[IF]SDM

 シャープな解像力、豊かなコントラスト、そしてクリアで美しい色再現性。さらに超広角側でも歪みの少ない高品位な描写、ズーム全域でF2.8の明るさなど、デジタル画像のクオリティを究めて誕生したスターレンズです。

 光学系に特殊低分散(ED)ガラス2枚を使用したレンズと3枚の非球面(AL)レンズを採用して、色収差と球面収差を良好に補正しています。

 分類すると3グループ式ズームなので、望遠側で全長が長くなりますが、インナーフォーカス式なので、フォーカシングでは長さが変わりません。ズーム全域でF値が変わらないので、ズームしてもシャッター速度が遅くなったりする使い難さがありません。

 フォーカスは、第2グループ(エレクター)凹レンズの5枚を前進させることで近接撮影を行います。これがインナーフォーカスの仕組みです。普通の3グループ式ズームでは、第2グループのエレクター(前群バリエーター)はほとんど動きませんが、この交換レンズでは第2グループを動かしてフォーカスするインナーフォーカスのために、ズームすると移動してしまう焦点位置を補正するために微少に移動します。これでも補正できないフォーカスのずれは、カメラ側AFによる補償に頼っています。

 移動する凸レンズ第3グループ・バリエーターの前面に絞りが付いているので、開放F値は変動してしまいます。それを通しのF値とするために、約40oより広角側では補正のために絞りを少し閉じています。つまり、広角側では、実際の開放F値はもっと小さい(F2.5程度か?)ということになります。

 また、インナーフォーカスシステムにして前玉を回転させないようにし、花形フードを使用できるようにしていますが、2段繰出しを行う鏡胴の作動による誤差から、鏡胴先端は微小に回転してしまいます。フードの効果に影響があるほどではありませんが…

 亭主の入手した個体は初期不良があり、AFの作動が不安定であったため、レンズ内モーターと基板をクレーム交換しています。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、四隅がケラレます。「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」を併用してもケラレますから、この組み合わせは不可です。

 

 これはSDM搭載のDA★レンズに共通のことですが、SDMの性能は大いに疑問です。後に出たDCのきびきびとした作動とは異なり、超スローです。

 また、しばらく使用しないで置いた場合、使い始めに作動しない場合があります。何度もピント環を動かすなどしないと作動し始めないなどの困った現象が現れます。駆動トルクが不足しているのだろうと思われます。

 

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:16-50mm/F2.8

対角線画角:83〜31.5度

レンズ構成枚数:12群15枚

各グループ構成枚数:2群3枚-4群5枚-絞り-6群7枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.3m

最大撮影倍率:0.21倍

フィルター径:77mm

大きさ:84(最大径)×98.5(長さ)mm

質量(重さ)565g。

フード(PH-RBJ77)、ソフトケース(S100-140)付属。

35mm判換算焦点距離:24.5〜76.5mm相当

設計 小織 雅和

 

 

smc PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited Silver

 35mm判換算で焦点距離107mm相当の画角を持つデジタル専用望遠レンズです。ポートレートや風景写真などに最適です。人物の肌の質感や背景のボケ味、絞り込んだときのコントラストやシャープネスを実写で評価し、高画質であることはもちろん、「レンズの味」までも追求した描写性能を発揮します。

 また、大口径でありながら、全長26mmの薄型設計であり、鏡筒、フード、キャップに質感の高い削り出しのアルミニウム素材を採用しています。スライド伸縮式の着脱可能専用フードを採用しているほか、汚れに強いSPコーティングをレンズ前面に採用 していて、AFからMFにシームレスに切り換えられるクイックシフト・フォーカス・システムも採用しています。

 レンズ構成は対称形の変形ダブルガウスです。4枚目凹レンズと5枚目凸レンズが貼り合せになっていて、最後群だけが両面凸レンズで、他はメニスカスレンズです。DA Limitedシリーズの中では最も明るいものの、F2.4と、明るさを頑張っていません。

 専用フードは捻じ込み式で、引き出して延長することができます。専用レンズキャップはフード全体を覆うことができます。

 色がSilverというだけで、性能は標準の黒と全く変わりません。全世界500本限定で販売されました。黒いカメラボディには存在感が強調される感じです。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、ケラレませんが、四隅の画質が低下します。

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:70mm/F2.4

対角線画角:23度

レンズ構成枚数:5群6枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.70m

最大撮影倍率:0.12倍

フィルター径:49mm

大きさ:63(最大径)×26(長さ)mm

質量(重さ):130g

専用ケース、フード(MH-RD49)、専用レンズキャップ付属。

35mm判換算焦点距離:107mm相当

 smc PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited

 新しい光学設計思想を盛り込むことで、レンズの全長がわずか15mm、レンズ本体90gという、一眼レフAFレンズとしては世界最薄・最軽量(2004年12月13日現在。レンズ交換式一眼レフカメラ用AFレンズにおいて)を実現した単焦点レンズで、ポートレート、スナップなどに適しています。
 「Limited」の名を冠するだけに、味のある描写も魅力です。テッサータイプ3群の後ろ側に凸レンズを追加した、というより凸凹凹凸の対称形ダブルガウスと言った方が良い光学系はコントラストが高く、立体感のある描写、ヌケの良いクリアな画像が持ち味となっているほか、9枚絞り羽根によりやわらかなボケ味が得られます。

 さらに、アルミ削り出しボディによる質感、ソリッドな操作感など、撮る楽しさを存分に味わえるレンズです。フジツボ型専用フードの内側に30.5mmフィルターを装着すれば、レンズ全長は変えずにフィルターを装着することもできます。

 Mシリーズのレンズで「smc PENTAX M 1:2.8 40o」という元祖パンケーキとでもいう交換レンズがありましたが、それとテッサー+凸レンズというレンズ構成はよく似ています。絞りの位置が、そちらは2群目と3群目の間なのですが、こちらは1群目と2群目の間です から、エルマー+凸レンズとでも言うべきでしょうか。その分、より薄い鏡胴になっています。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、フジツボ型専用フードを付けたままでもケラレませんが、 絞り開放付近では光量落ちなど四隅の画質が低下します。1:5.6からは問題ありません。 中央部は絞り開放から解像感が優れています。

 

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:40mm/F2.8

対角線画角:39度

レンズ構成枚数:4群5枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.40m

最大撮影倍率:0.13倍

フィルター径:49mm(30.5mm)

大きさ:63(最大径)×15(長さ)mm

質量(重さ):90g

専用ケース、フード(MH-RC49)、専用レンズキャップ30.5mm付属。

35mm判換算焦点距離:61mm相当

設計 平川 純

smc PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited Silver

 色がSilverというだけで、性能は標準の黒と全く変わりません。全世界500本限定で販売されました。

 

 smc PENTAX-DA 21mmF3.2 AL Limited

 デジタル画像の特性に合わせた新設計光学系により、厚さ25mm、フード付でも32mmという薄型を実現しています。パンフォーカス効果とあいまって、日常を切りとるスナップ写真に最適なレンズとなっています。

 光学系には、ハイブリッド非球面レンズ、フローティング機構を採用して、コントラストが高く立体感のある描写、ヌケのよいクリアな画像など、リミテッドレンズならではの美しい表現力を発揮しています。

 レンズ構成は凹凸のレトロフォーカスです。前凹部分は分離型ダブレット、後凸部分は凸凹凸のトリプレット構成ですが、3群目凸をダブレット、4群目凹をトリプレットの貼り合わせレンズ、5群目凸を非球面レンズにしています。PENTAXの現役レンズで3枚貼り合わせは、これだけです。
 鏡筒から角窓フード、キャップまですべてアルミ削り出しなので、ソリッドな感触で質感の高い外装を実現しています。

 第1レンズ前面に撥水・撥油性のある特殊コーティングを採用しています。汚れがつきにくく、とれやすいので、レンズ面の保護に効果を発揮します。

 フィルター径は49mmとなっていますが、専用角穴フードの内側に43mmフィルターを装着すれば、レンズ全長は変えずにフィルターを装着することもできます。

 Limitedの定番となっている凝った造りのフードはバヨネット取りつけなのですが、ロックが甘くて回転し易く、落下事故が多いので、黒ビニールテープの小片を外周部に貼付して回転しないようにしています。電工用ビニールテープなら容易に剥がせますし、糊も硬化しないし、痕も残り難いし、残っても無水エタノールで容易に取れるのでお薦めです。予備のテープ片を何枚かレンズキャップ裏に貼付して置くと、剥がしても安心…

 しかし、明るい外光で、遠い背景の前にバストアップ程度の人物を置いてのプログラムAEによるスナップ撮影の場合、立体感の無い異様なものになることがあります。大きく絞り込まれることによるパンフォーカスがそれをさせるのだとおもいますが、風景写真に人物写真を切り貼り合成したのかと疑う異様さとなります。可能な限り絞りを開ける必要のあるレンズだと思われます。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、四隅がケラレます。

また、「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」は、後玉が無限遠時に干渉するため使用不可 と公告されていますが、亭主の所有する個体だと干渉しません。自己責任で使うことは可能です。この場合、専用角穴フードを付けてもケラレずに使えます。

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:21mm/F3.2

対角線画角:68度

レンズ構成枚数:5群8枚

絞り羽根数:7枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.2m

最大撮影倍率:0.17倍

フィルター径:49mm(43mm)

大きさ:63(最大径)×25(長さ)mm

質量(重さ):140g

専用ケース、専用フード(MH-RBA43)、専用レンズキャップ付属

35mm判換算焦点距離:32mm相当

smc PENTAX-DA 21mmF3.2 AL Limited Silver

 色がSilverというだけで、性能は標準の黒と全く変わりません。全世界500本限定で販売されました。

 

 smc PENTAX-DA 14mmF2.8 ED[IF]

 優れたコストパフォーマンスを実現する本格的な超広角単焦点レンズです。超広角レンズ独特の遠近感の強調と深い被写界深度を得ることができます。

 特殊低分散ガラスを使用したレンズと高屈折率低分散ガラスを使用したレンズを各1枚採用し、デジタル画像で特に重要な倍率収差を徹底的に排除しています。

 レンズ構成は凹凸のレトロフォーカスです。前凹部分は分離型ダブレット2組を対称形に配置して構成し、後凸部分は、大きく分ければ凸凹凸のトリプレット構成です。

 インナーフォーカスシステムを採用しています。 絞りを含んでレトロフォーカスの凸部にあたる5群目以降が動きますが、無限遠時が最も後退します。その原理は、レトロフォーカスの後ろの凸部を前進させることで凹凸の間隔を少なくし、それによって焦点距離が伸びて近接に合焦します。

 

 付属のフードにはPLフィルター操作用の窓を設けていますので、フィルターの操作も容易に行えます。

 深い被写界深度を利して、引けない場所で美しい背景をたくさん入れて人物の全身撮影するなどの状況には威力を発揮します。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、四隅がケラレます。

 しかし、「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」を取り付け ると、「焦点距離20mm開放F4」の超広角レンズとして使えます。APS-C機において単体で使うより画角が少し広くなりますから、利用価値が広がります。

<SPEC>

焦点距離/明るさ:14mm/F2.8

対角線画角:90度

レンズ構成枚数:11群12枚

絞り羽根数:6枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.17m

最大撮影倍率:0.19倍

フィルター径:77mm

大きさ:83.5(最大径)×69(長さ)mm

質量(重さ):420g

ケース(S100-120)、フード(PH-RBH77)付属。

35mm判換算焦点距離:21.5mm相当

設計 平川 純

 smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5 ED[IF]

 画面中央部が大きく写り、周辺部が湾曲する特殊な描写の魚眼レンズです。最大180度のワイドな視界も相まって、個性的な作品づくりに挑みたいレンズです。レンズ先端から約2.5cmの近接撮影ができ、遠近感とデフォルメ効果をいっそう強調することも可能です。画面中心を通る直線は歪まないという特性をうまく生かすことが作画のポイントです。
 このモデルではSP(Super Protect)コーティングを新採用しています。撥水・撥油性のある特殊コーティングをレンズ前面に採用することで、汚れがつきにくく、レンズ面の保護に貢献しています。

 インナーフォーカスシステムを採用しています。また、他のDAレンズと同様にQuick-Shift Focus Systemも採用していますので、AFで合焦後、ピントリングを回せば直ちにMFに移行します。切り替え操作の手間がなく、スムーズに操作できます。

 専用レンズキャップには高級感のあるアルミ素材を使用しています。

 焦点距離10mm時には対角180度ですから、カメラが水平になる構図だと、足や三脚を写さないようにするのが大変です。

 広角ズームの常套で2グループ式ズームです。インナーフォーカスなので、フォーカスでは全長が変わりません。

 

 フルフレームデジタル一眼レフだと、14mm以上ならケラレずに使えます。それ以外では固定フードによってけられてしまいます。

 しかし、「HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW」を併用すると、焦点距離が14-24mm、F5-6.3となりますが、ケラレずに使えるようになります。この合成開放F値だとAFが心配ですが、明るい場所なら十分使える存在となります。

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:10-17mm/F3.5-4.5

対角線画角:180-100度

レンズ構成枚数:8群10枚

絞り羽根数:6枚

最小絞り:f22-32

最短撮影距離:0.14m(全域)

最大撮影倍率:0.23倍(10mm時)

フィルター径:-

大きさ:68(最大径)×71.5(長さ)mm

質量(重さ):320g

フード組込。専用レンズキャップ、ケース(S80-80)付属。

35mm判換算焦点距離:15.4-26.2mm相当

設計 平川 純

smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6 ED AL[IF]DC WR

 7.5倍の高倍率ズームレンズで、鏡胴の挙動とレンズ構成図でも判るように3グループ式ズームです。 第2グループを動かすインナーフォーカスなので、フォーカスでは全長が変わりません。

 最新の光学設計により、高倍率と小型軽量化を両立、常用レンズとしての使いやすさ、機動性を高めています。

 防滴構造を採用したデジタル一眼レフと組み合わせることで、雨天や霧の中、水しぶきのかかる場所などでの耐久性、信頼性を向上しています。

 レンズ内にオートフォーカス(AF)用のDCモーターを搭載し、滑らかなAF作動を実現しています。また、AF中にピントリングが回転しない非回転機構を採用しており、マニュアルフォーカスと同じポジションでレンズを保持することが可能です。

 KAf3マウントのため、カメラ内モーターによるAFには対応しません。KAf2マウントではないK100D以前のデジタル一眼レフではAFで使えません。

 AFでのピント合焦後、マニュアルでのピント合わせが切り替え操作なしでできる「Quick-Shift Focus System(クイックシフト・フォーカス・システム)」を採用しています。

 通常の配置と異なり、ズーム環が前方で、ピント環は後方です。これはインナーフォーカスのための合理化です。 この配置は、なかなか操作性が良好です。以後、流行するかもしれません。

 光学系にED(特殊低分散)ガラス1枚と、ハイブリッドおよびガラスモールドの各非球面(AL)レンズを1枚ずつ使用しています。諸収差を良好に補正して描写性能を向上させるとともに、本体の小型化にも寄与しています。

 レンズ前面に、汚れに強いSP(Super Protect)コーティングを採用しています。

 点光源を撮影した際の光芒を抑え、より自然で美しいボケ味を実現する円形絞りを採用しています。

 ズーミングによる焦点移動が大きいので、再フォーカスしないとピントが合いません。ピント環に距離指標が無いのは、これが一因なのかも…MFカメラの時代であれば、これをズームレンズというと、非難譴責されたことでしょう。高倍率と引き換えにした欠点ということなのかもしれません。AFが速い 「K-5」のキットレンズとしてなら、まったく問題にならない欠点で、他の利点の方があまりにも大きい…

 インナーフォーカスのため、近接時には全群繰出し式のものより画角が広くなります。2メートル付近では、135mmでも全群繰出し式90mm相当ぐらいです。近接した割には拡大効果が得られません。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフで使う場合、四隅がケラレます。

 

<SPEC>

焦点距離/明るさ:18-135mm/F3.5-5.6

対角線画角:79-11.9度

レンズ構成枚数:11群13枚

絞り羽根数:7枚

最小絞り:f22-38

最短撮影距離:0.4m(全域)

最大撮影倍率:0.24倍

フィルター径:62mm

大きさ:73(最大径)×76(長さ)mm

質量(重さ):405g

フード(PH-RBC62)付属

35mm判換算焦点距離:27.5-207mm相当

KAf3マウント  ※カメラ内モーター不対応

 

 

HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW

・・

 PENTAX初のAFリヤコンバーターです。レンズとカメラボディの間に装着し、マスターレンズの最短撮影距離を変えずに焦点距離を1.4倍に拡大しますが、レンズの明るさ(F値)を1段分暗く(F1:2.8→F1:4)します。

 オートフォーカスは、レンズ内モーター駆動(SDM、DC)、ボディ内モーター駆動のいずれにも対応します。最新の光学設計により、優れた光学性能と、厚み約20mmという小型軽量化を両立させました。
 また、HDコーティングを採用し、極めて高い透過率と、逆光などでもゴーストやフレアの発生を抑えた、高コントラストかつクリアな描写を実現しています。
 さらに、防塵・防滴構造も採用し、過酷なアウトドア環境下でも、防塵・防滴仕様のボディ、レンズと組み合わせることで、安心して撮影が行えます。

 PENTAXの公称では、AFが合焦するのは合成F値1:5.6までとのことですが、暗くないところでは1:8まで合焦します。実用として、過去のほとんどのAFズームレンズでもAFが可能となります。

 ただし、DA 15mmF4、DA 21mmF3.2及びDA 40mmF2.8XSなどは、無限遠時に後玉が干渉するため使用不可です。 広角でもDA14mmF1:2.8は使用できます。

 また、合成F値は1:2.4までで、1:1.4を付けても1:2にはなりません。これはレンズ径から来る制約です。1:1.8であるFA Limitedが限界ということです。もっとも、望遠レンズ以外で使用することはあまり意味が無さそうなので、これでいいのかと…

 

 なお、このリヤコンバーターがフルフレームデジタル一眼レフで使えるのかという問題があります。凹レンズを光学系の最後部に置くのですから、原理的にはイメージサークルが広がってもよいはずです。自作ピント板において亭主が幾つかの交換レンズで実験の結果は、どれもイメージサークルが広がります。このことにより、DAレンズでイメージサークルが不足しているものは、ほとんどのものがフルフレームの範囲をカバーするようになります。

 DAズームはすべてフルフレームでは四隅がケラレていたのですが、これを使うと、逆にほとんどの焦点距離域でカバーするようになります。これは広角側でより顕著で、望遠側で一部僅かに不足するものもありそうです。

 ところが、何故か「smc PENTAX-DA★ 300oF4 ED [IF] SDM」の場合は逆にイメージサークルが縮小して、レンズ単体ではフルフレームでも問題が無いのに、これを装着すると四隅の画質が悪くなることが懸念されます。

 なお、亭主の所蔵する超望遠レンズはどれも同じ傾向です。安全なのは200mm級までと思われます。

<SPEC>

倍率:1.4倍

レンズ構成枚数:3群4枚

大きさ:65(最大径)×20(長さ)mm

質量(重さ):126g

KAf2マウント

AF対応マスターレンズF値:1:4まで

 

HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited

 

 肉眼に近い自然な画角で、標準レンズとしても活躍するマクロレンズです。

 可視光域での反射率を、従来の50%以下に抑えた新世代のマルチコーティング「HD コーティング」を新採用。逆光などの悪条件下でフレアーやゴーストの発生をより低減し、クリアでコントラストの高い描写を実現しています。なお、レンズ前面に、汚れに強いSP(Super Protect)コーティングを採用しています。

 イルミネーションや水面のきらめきなどの点光源を、やわらかい円形のボケとして表現できる円形絞りを新採用しています。

 FREE(後群分離型フォーカシング)システムの採用により、近距離から無限遠まで諸収差を良好に補正し、歪みの少ない像を実現しています。 レンズ群の7群目と8群目を残して、1群目から6群目までが繰出されるフォーカスです。レトロフォーカスですが、前後に対称形にガウスを配置したダブルガウスの中に、逆置きエルノスター(ゾナー)を置いた配置となっています。この配置は、ダブルガウスによる像面湾曲や歪曲収差を補正する力と、レトロフォーカスによるバックフォーカスの確保を併用した、なかなかの設計だと思います。

 最大で等倍のクローズアップ撮影が可能で、レンズ前面から約3cmのワーキングディスタンスを実現(等倍撮影時)しています。

 スライド伸縮式でかさばらない専用フードを内蔵しています。レンズキャップは、フードに被せる形式です。

 AFでのピント合焦後、マニュアルでのピント合わせが切り替え操作なしでできる「Quick-Shift Focus System(クイックシフト・フォーカス・システム)」を採用しています。

 35mmフルサイズデジタル一眼レフ(PENTAX K-1)で使えますが、無限遠に近づくほど四隅の画質劣化が大きくなります。これは レンズ全群を大きく繰り出すマクロ域になるほど改善しますから、構図の中でピント位置がなるべく近くなるようにする使い方が望ましくなります。

  

<SPEC>

焦点距離/明るさ:35mm/F2.8

対角線画角:44度

レンズ構成枚数:8群9枚

絞り羽根数:9枚

最小絞り:f22

最短撮影距離:0.139m

最大撮影倍率:1.00倍

フィルター径:49mm(30.5mm)

大きさ:63(最大径)×46.5(長さ)mm

質量(重さ):214g

フード内蔵

レンズケース(DA-70)

35mm判換算焦点距離:53.5mm相当

設計 金指 康雄