「PENTAX交換レンズ」 についての能書きあれこれ 「smc PENTAX M」 編 |
… 前書き … ・ 「smc PENTAX M」という交換レンズ群は、1975年6月にネジマウントのプラクチカマウント(SマウントまたはM42マウント)からバヨネットマウントのKマウントへと変わった第一世代であるKシリーズカメラの売れ行きがあまり伸びず、その不振挽回を図るべく、当時オリンパスがOMシリーズで挑戦してきた小型軽量という時代のトレンドを、一眼レフの先達であるPENTAXが負けじと急展開して勝利した、小型軽量Mシリーズカメラのためのものです。 先行のK(P)シリーズ交換レンズ群の鏡胴がニコンと同じ標準フィルターサイズ52oとなって、その前のTAKUMARシリーズの49mmより大型化していたのですが、カメラ本体が要求する小型軽量というコンセプトから、Mシリーズ交換レンズ群では49mmに戻されました。そのためか、K(P)シリーズ交換レンズ群からレンズ構成を引き継いだのは、単焦点レンズとしては 「M 1:1.4 50mm」と「M 1:5.6 400mm」のみで、他は新設計のレンズ構成で登場してきました。鏡胴が大きめなだけで機能にまったく差の無いK(P)シリーズ交換レンズ群が併売されていたためでしょう。 ・ 1976年11月に登場したMシリーズカメラは、1983年3月に登場するAシリーズカメラの登場まで、足掛け7年間に渡って製造されました。そのため、Mシリーズ交換レンズ群の販売数は非常に多く、現在もユーザーの手元に多く残っていて、中古市場でも豊富に流通しています。Mシリーズのレンズの多くは1977年になってから販売が開始されていますが、「M 1:2.8 40mm」だけは、カメラと同じ1976年11月から販売されています。最も小さなカメラに最も小さな交換レンズというのがセールスポイントだったためでしょう。 ・ 大幅な小型軽量を目指した設計の故か、その一世代前のK(P)シリーズ交換レンズ群よりユーザーによる評価が低いものが多いようです。販売量、残存数にも大きな差があるためでしょうが、中古流通価格もKシリーズ交換レンズ群の方が相当に高いようです。 ・ Mシリーズ交換レンズ群のKマウントから次世代Aシリーズ交換レンズ群に搭載されたKAマウントへの変更内容は非常に大きく、そのため、Mシリーズ交換レンズ群の製品機能としては 、1983年3月を以って終焉を迎えたのですが、完全な下位互換性ゆえに、限定された機能においてなら新型KAマウントカメラでも十分使用に堪えることから、中古としての市場性はさほど失われなかったようです。絞りの無いレフレックス望遠は21世紀にまで生存しているほどです。 それが大きく変化したのは、*istシリーズになって、レンズ側からの絞り位置情報をカメラ側が受け取らなくなってからです。こうなると、絞り開放以外ではAvも使えなくなったKマウントの交換レンズは、その製品価値を大きく失いました。自動絞りによるMFこそできるものの、実質的にはマニュアル露出でしか使えなくなったMシリーズ交換レンズ群の使い勝手は著しく下落したのです。 手動絞りを選択すれば実絞りAvができるTAKUMARシリーズにも劣る使い勝手に悩み、せめてそれと同等にと願い、自動絞りによる見易いMFを失うことと引き換えに、絞り連動レバーを切除する道を選んだユーザーもいます。その構造上、元に戻せない切除しか選べない哀しさは、それを行った者にしか分からないでしょう。次期機種には、レンズ側からの絞り位置情報を受け取る機構の復活を強く望みます。たとえ価格がそれによって上昇するとしても、古くからのファン、ユーザーから歓声を以って迎えられることでしょう。 ・ このMシリーズの時代は、ズームレンズが価格低下して一般化した時代でもありました。広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームという住み分けで、それぞれ数種類の製品が展開されています。PENTAXの場合、望遠ズームは4グループ式のみを採用し、広角と標準ズームは2グループ式のみを採用していて、高倍率ズームを作り易い3グループ式には消極的です。これは、望遠時に大きく繰出すことで鏡胴強度が不足することを嫌っていたためなのではないかと亭主は推測しています。この時期まで直進ズーム形式鏡胴に拘っていたふしのあるPENTAXですから、力を懸けるズーム・ピント環が 、長く伸びたときに強度の劣る先端に移動することを厭っていたのではないかと… 2グループ式広角ズームはすべて回転ズーム環式であり、標準ズームは、「ME F」と組み合わせて日本初のAFズームとなったものと同じ光学系を用いた「M ZOOM 1:2.8 35-70mm」のみが直進ズームとなっています。 なお、この時代、広角ズームの品揃えに熱心であった感じがあります。「24-35mm」「24-50mm」「28-50mm」というように… ・ このMシリーズまでは、分解することを前提とした構造、組立方になっています。カシメや接着による部品の結合は、レンズの接合以外にはまだ採用していません。物の製造ということへの哲学ゆえか、ただ単に職人としての愚直さからだったのか、その理由をあれこれと忖度するのも愉しみの一つかもしれません。時代がまだそれを許していたということでもあるのでしょう。亭主のような素人にも気軽に分解整備を可能とする最後の存在と言う事も出来そうです。 その造形は、シリーズ全体を通じて共通イメージのデザインとなっています。奇を衒ったところがまったく無く、いつの時代のどのカメラに取り付けても違和感を与えない、これは要らないだろうというところがない機能美に溢れた姿です。 交換レンズの物としての寿命は、進化の速度が目まぐるしいカメラ本体より遥かに永いものです。適切な整備を加えることでその価値は一層永く保てるのですから、黴まみれや埃まみれになどしておかず、自らの手で丁寧に清掃調整し、とりあえずは 「K-5」の一段と高精度となった便利な「ハイパーマニュアル」で、質感の好い鏡胴の操作感と、その味のある光学性能を楽しもうではありませんか。 もとより自前整備というのは自己満足の世界です。時間と手間を惜しみなく注ぎ込んで拘われば、そこいらのぽっと出のプロなど足元にも及ばない結果を出すことも可能です。自分のために行うのが自前たる所以ですから、その結果の功罪も総て自己に帰結します。その矜持あらば、他者の技を盗むも自侭、唯我独尊ご意見無用もまた可也… ・ … 目次 … ・ ☆☆ smc PENTAX M 1:2.8 28mm 前期型 ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M 1:2.8 100mm ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M 1:3.5 135mm ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M 1:3.5 150mm ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M 1:5.6 400mm ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M ZOOM 1:4 75-150mm ☆☆ ☆☆ smc PENTAX M ZOOM 1:2.8-4 40-80mm ☆☆ ・ ・ こぼれ話 ・ Mシリーズの交換レンズの最大径は絞り環であることが多いのですが、その絞り環の径が、広角レンズ、標準レンズの方が望遠レンズのそれより太いのです。広角・標準は63mm、望遠は62.5mmがほとんどです。 Mシリーズ中最も全長が短いのは「M 1:2.8 40mm」ですが、これの絞り環径は63.4mmで、標準レンズ中で最も太くなっています。どうしてそのようにしたのかは、謎… ・ マウント金具のロックピン受け部の形状が、前期のものが金具面外周突起部を切り欠いたU字形であるのに対して、後期のものは現在も採用している金具面外周突起部が切り欠かれていない楕円形となっています。これがどの時期にこうなったのかは明確ではありませんが、1980年に販売が開始された「smc PENTAX M 1:2 28mm」は楕円形になっていますし、他の機種でもシリアルナンバーが大きい個体はそうなっています。これはマウントの防塵防滴性ということを意識しての改良なのだと思われます。防塵 ・防滴性能を売り物とした名機「LX」が発売されたのが1980年6月ですから、これに合わせた改良なのでしょう。 亭主所蔵のMレンズのうち、楕円形のものは6本です。1980年に発売開始された「smc PENTAX M ZOOM 1:4 75-150mm」がU字形なので、1980年以降が変更時期であることは確実なところです。 先代のKシリーズ交換レンズでも、最近まで売られていた「smc PENTAX BELLOWS 1:4 100mm」のマウント金具のロックピン受けは楕円形ですから、1980年以降も製造されていたものはすべて変更になったものと思われます。 ・ ※U字形 ※楕円形
・ Kマウントは公開されていたマウント規格で、リコーなど何社かがこれを採用していました。2011年10月にPENTAXを傘下に収めるリコーのカメラもKマウントのものがあり、これらに使用するレンズ群も、このロックピン受けの形状変更を行っています。そのことから、この変更もマウント規格公開の中に含まれていたことが分かりますし、これが単に意匠のためなのではなく、マウント機能(性能)の変更であることが分かります。 ・ 飾銘板に記されているレンズ機種名表記法がこのMシリーズから変更になっています。それまでは「SMC PENTAX 1:1.4/50」というように表記していたのが、「smc PENTAX-M 1:1.4 50mm」というようになっています。また「SMC」が「smc」と小文字体になったのも特徴です。これは現在にまで続いている表記法です。 なお、この表記法の変更は、その時点で製造を継続している既存K(P)レンズにも適用されていて、「SMC PENTAX 1:1.2/50」が「smc PENTAX 1:1.2 50mm」というように変更になっています。つまり、同じ機種でも、製造時期によって飾銘板の表記法が違っているということです。 ・ Mレンズの意匠は、Kレンズのそれをそのまま引き継いだものですが、すぐに小変更を行っています。それは望遠系以外のレンズ群において行われた変更ですが、絞り環とピント環の間にある被写界深度指標の左右にあったローレットの廃止です。これはレンズの脱着の時の指掛かりのために設けてあったのですが、Kレンズより小型化されたMレンズでは幅が小さくなり、その効果が薄れたからのようです。単にコストダウンのためだけでは無いのは、その部分が長い望遠系レンズでは廃止されていません。
次に行われた小変更は、被写界深度指標裏側にあった「LENS MADE IN JAPAN」の刻印を廃止したことです。これは望遠系を含めて、すべてのMレンズで行われ、当時製造されていたKレンズについても行われました。国産以外の製造も始っていたことが背景にあるのかもしれません。「smc PENTAX-M 1:2 50mm」後期型は、当時あった台湾工場で製造していたはずですから… 最後の変更は、上記したマウント金具ロックピン受け穴形状の変更です。上の画像は「smc PENTAX-M 1:1.7 50mm」の初期型と最晩期型の比較です。 なお、これの最晩期型は、レンズシリアル番号がそれまでの連続から飛んで「6******」から始っていると思われます。 ・ |
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・ これは、いわゆる標準レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。TAKUMAR以来の「1:1.8/55」という大きな存在に取って代われるだけの性能も要求された普及品の小型軽量標準レンズですが、標準中の標準としての役割は十二分に果たしたと言える出来です。あらゆる意味で、Mシリーズ交換レンズの代表格と言えるでしょう。 「ME」及びそれに続く「ME super」が大ヒットしたため、それらとセットで販売されたことで現在も大量に市中にあります。 マウント金具のロックピン受け穴の形状が異なる前期型と後期型がありますが、前期型が作られた約3年間で36万個ぐらいですから、月産1万個のペースです。Mシリーズ交換レンズの中では最も数多く製造販売されました。 後から2群目に貼り合せレンズを使用しているレンズ構成ですが、これより前の時代の「K 1:1.8/55」や「K 1:1.4/50」、同時代の「M 1:1.4 50mm」に多発している「バルサム切れ」があまり発生していないという不可解な存在です。亭主の考えるその理由としては、貼り合せ面が平面に近いため、膨張と収縮のストレスを接着層が受け難いためなのではないかということです。 亭主所蔵の6個の中では、何故かより新しい後期型のものばかり2個が薄くバルサム切れしていました。 ・ PENTAXの交換レンズに共通のことですが、鏡胴の構造が合理的かつ高精度なため、分解と組立は容易です。前後からアクセスしますが、前方から最初に行う「飾銘板」を外すことが最大の関門と言えます。これに外すための手がかりを設けていないのは、素人の分解を拒絶する製造者の意思表示でしょう。あえてそれに対抗するためには、軟らかくて摩擦係数の大きな工具を自作することが先決です。隠された秘密はあばかれるのが宿命… なお、「飾銘板」というのは亭主が独自に命名したもので、一般的な名称ではありません。正式な名称が何なのかは不明… その軟らかくて摩擦係数の大きな工具を押し付けながら左回しに飾銘板を外すと、2本ずつ3ヵ所に合計6本の小ビスが見えます。そのうちの3本はフィルター取付枠を鏡胴に止めていて、他の3本は絞り装置を組み込んだ内部鏡胴をヘリコイド装置に押さえ付けています。前群と後群のレンズホルダーは、この内部鏡胴に前後から捻じ込まれているのです。この構造は、大幅な小型化、軽量化は図られているものの、TAKUMAR以来の「1:1.8/55」と基本的には同一で、絞り装置の保持方法などが 「M 1:1.4 50mm」などとは大きく異なっています。 なお、この交換レンズの飾銘板はプラスチックです。軽量化とコストダウンのためでしょうか…そのため、アルミ製のフィルター取付枠との膨張係数の違いを吸収するための仕掛けが外周ネジ部に設けてあります。その辺もよく見ておくれ… ・ 次は、後方からのアクセスです。マウント金具は、マウント面にある5本の皿ビスを0番プラスドライバーで抜くことにより外します。ビスにはゆるみ止め液を塗布しているものもありますから、無水エタノールを綿棒などで少量塗布し、少し 時間を置いてから作業すると仕事が楽です。ドライバーはいわゆる精密型のものではなく、取っ手の太いものを用意しましょう。力の加わり方が違い、強く押し付けながら回すことでプラス溝を傷める恐れが減ります。固くてビスが回らないときは、強く押し付けながら一瞬右回りに締め付け、反動で左回しにするとうまく行きます。ドライバーの先端に市販の「ねじはずし」を微量塗布すると強力無比です。 マウント金具の前側には鉄輪が入っています。これは、Mシリーズ大口径標準レンズのほとんどに使われている仕組みですが、鏡胴を振るとカチャカチャと音がする原因はこれで、大きく絞り込んだときの自動絞り作動時における緩衝器の役割をしています。大口径ダブルガウスタイプの絞りは大型です。 レリーズすると、この大型絞り羽根がバネの戻る力で開放から急激に絞り込まれますが、その運動慣性を緩衝するのです。ここにグリースなど粘度の高い油を使用すると、絞りの戻りが緩慢になりますから避けましょう。前後の違いがありますからよく確認しておきましょう。裏表逆に付けると絞り込めません。この部分が前時代の 「K 1:1.8/55」とは大きく異なる絞りリンクの仕組みで、鏡胴を大幅に小型化するために考え出されたのでしょう。 「絞り環」は後方に抜き取れますが、指標部の下にクリック用の鋼球(2mm径)が入っていますから、飛ばして紛失しないように気をつけましょう。もしクリック用鋼球を紛失したら…東急ハンズなどで代替品を購入できます。 「絞り環」がリンクとどのように結合されているのか、またその結合位置がどこなのかなどをよく確認しておきましょう。 「絞り環」を抜き取った下の鏡胴側面に3本の皿ビスが現れます。これらは三重構造のヘリコイド装置の外筒に絞りリンク部を組み込んだマウント台座部を止め付けています。マウント台座部の中の絞りリンク部を完全に分解する場合以外は、これを外す必要はないでしょう。 また、絞り装置とレンズホルダーの分解整備だけなら、「絞り環」を抜き取らないほうが仕事がやり易いです。 ・
上の画像は左側がヘリコイド外筒からマウント台座部を抜いて裏返しにしたもので、絞りリンク部の中を示しています。 二重のリンクリング構造になっていて、後側リンクリングの絞り羽根駆動摺動レバーに結合する部分からは、カメラ本体との自動絞り連結レバーが後方に伸びています。また、絞り開度を決めるカムもリング 外周部を変形させて作りだしていますし、絞り羽根を常に最小絞り方向に駆動するためのバネも組み込まれています。 前側のリンクリングには、絞り環連結ピンと、絞り開度カムと摺動するピンが付いています。この合理的な二重リンクリングが組み合わさることで、絞り羽根は駆動されるのです。 なお、絞り装置は内部鏡胴に組み込まれているうえに分解すると組立は厄介です。絞り羽根に油が回って動きが粘る場合は、内部鏡胴を丸ごとベンジンに浸して振り洗いするのが良いでしょう。 丸洗いした場合はヘアドライヤーの冷風などでよく乾燥し、絞り羽根に鉛筆の芯をこそげてよく磨り潰したものをごく少量塗布します。潤滑用の黒鉛パウダーを入手できるのならそれに越したことはありません。 ・ 前方に戻って、フィルター取付枠は、6本のうちの小ビス3本を00番プラス精密ドライバーで外すことで取り外せます。どの小ビスを外すのかは観察すれば分かります。分からない人はこの後の分解作業に向いていませんから、即刻作業を中止して元に戻しましょう。 なお、このフィルター取付枠が変形していると飾銘板は外せません。フィルターが軽く捻じ込める程度に修正しましょう。修正のための工具を自作している人もいるほどに変形は多い故障(事故?)です。これは、カメラを肩に掛けるときに斜め掛けをしないことが根本原因です。首に掛けるか、斜め掛けをするようにすれば起き難い事故です。 話は少し脱線しますが、変形したフィルター取付枠は軟らかいので修正し易いものの、着色アルマイト層に傷が付いてしまいます。これをタッチアップ塗装などで目立たなくする方法もありますが、素材がアルミである点を利用してアルマイト層を除去し、磨き仕上げやヘアライン仕上げにしてしまう手もあります。各種粒度の水砥ペーパーを使用すれば容易に工作可能です。鏡胴にアクセントが加わり、気になる傷も消せて 「これは自分だけの品」という喜びも加わります。勿論、好きな色を塗装するのも素敵です。 フィルター取付枠を取り外すと、鏡胴の奥に「ピント環」をヘリコイド中筒に押し付けている小ビス3本が見えます。軸の細い00番プラス精密ドライバーでこれらを緩めると、 「ピント環」をヘリコイド中筒に対してフリーにすることができ、その止め付け位置を変更することによって無限遠を調整することができます。これらの小ビスをワッシャーと共に抜くと 「ピント環」は外せます。ヘリコイド装置を整備する以外には外す必要はありません。 その前後にレンズホルダーを捻じ込んである内部鏡胴には絞り装置が組み込まれており、他の3本の小ビスを00番プラス精密ドライバーで緩めることで動かすことが出来て、それの止め付け位置を変更することによって 最小絞り開度を調整できます。その小ビスをワッシャーと共に抜き取ると、内部鏡胴は前方に抜き取れます。 ・ 前後のレンズホルダーは、内部鏡胴から左回しに抜き取ります。レンズホルダー内には複数のレンズ玉が入っています。切り欠きリングなどで押さえてありますから、これを外すためにはカニ目レンチなどの専用工具を用意すると仕事が楽で安全です。 レンズ玉には黴が繁茂していることも多いのですが、この黴などは、ほとんどの場合中性洗剤で洗い落とすことができます。無水エタノールやベンジンではなかなか落ちません。なお、黴の出す分泌物に含まれる酸などによってコーティングが腐食されていることがあり、これは痕が残ってしまいます。レンズのガラス自体が腐食されているのではありませんから、画像に視認できるほどの影響を与えることはないでしょう。 また、レンズ玉の外面周辺部には、押さえ金具との間に汚れが溜まってこびりついていることも多いものです。これらもぬるま湯と洗剤できれいに取れます。後はよく水洗いして洗剤分を完全に落とし、水滴を完全に拭き取ってから乾燥して、最後にレンズクリーナー液をしみこませたレンズペーパーで仕上げ拭きをします。水滴を残したまま乾かすと痕が残ってしまい、これを取るのに苦労します。 ・ ヘリコイド装置は外筒、中筒、内筒の三重構造です。外筒と中筒は細かいピッチの逆ネジによって、中筒と内筒は数組の粗いピッチの順ネジによって結合されています。外筒は鏡胴に固定され、内筒は回転しないようにするためにスライド装置を介して外筒に固定されています。ピント環で中筒を回すことで、中筒自体は外筒内で回転しながら少し前後し、同時に外筒にスライド装置を介して固定されている内筒を大きく前後させる仕組みになっています。このことから、ピント環は回転させると少し前後するのです。 中筒をフリーターン構造とするなら外筒との間の逆ネジは必要のないものですが、ガタを無くして回転させるためには非常に優れた仕組みだと言えます。 ヘリコイド装置を分解するときには、内筒と中筒との結合ネジ溝が6組あり、また内筒と外筒との二箇所の固定スライド装置がありますから、相互の位置関係をマーキングしておかないと組み立てるときにとても困ることになります。マーキングは必ず励行しましょう。 中筒を左回しにしてヘリコイド装置を一番縮め、その位置でマーキングしてから、形状の異なる2カ所の固定スライド装置の位置を記録します。その後、固定スライド装置を外してから分解します。 ネジ溝の古いグリースはベンジンでよく洗い流し、新しいグリースを施します。使用するグリースの粘度によってピント環の回転重さが変化しますので、自分だけの好みの固さを探し出すのも自前整備の楽しみの一つです。グリースは番号の大きいものほど粘度が高く、操作感が重くなります。#10か#30ぐらいが向いています。 なお、ヘリコイド装置を分解せず、全体をベンジン槽で洗浄するという方法もあります。この場合はヘリコイド外筒からマウント台座部を外しましょう。 ・ 以上の内容を総括すると、最も必要性が多いレンズ玉の清掃だけを目的とするなら、前方から飾銘板を外し、後方からマウント金具を外すだけで前後のレンズホルダーは外せます。 絞りの整備も必要なら、フィルター取付枠を外せば、絞り開度を調整したり、絞り装置を組み込んだ内部鏡胴を外すことができます。 また、ピント環をフリーにすることで無限遠などの調整も可能です。 このように、必要な整備の種類に応じて段階を追って作業を進められる合理的な構造の鏡胴ですから、自前整備も容易なのです。 ・ この交換レンズの分解整備には、標準レンズの名のとおり、標準的な技能や工具を要求されます。これを満足に成し遂げられたならば、他の種類の交換レンズについてもさほど困難無く分解整備を進めることが出来るでしょう。何よりも、量的にも価格的にも入手し易いということですから、技能を身に付けるためには最適な品です。 詳細な観察に基づく推理力を磨けば、分解の道筋は眼前に開けます。また、分解することで鏡胴の構造を深く理解することができ、交換レンズ全般の扱いに習熟することにもなります。智は日々知ることで充ちるなり…无苦集滅道无智亦无得以无所得故… ・ Kマウント金具に工作をして贋KAマウントとする手法がありますが、この交換レンズを始めとして、Mレンズには3番接点を作る余地が鏡胴内に無いので、残念ながら贋KAマウントにできません。先代の 「K 1:1.8/55」なら十分に余地があるのですが… ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は所有する6本中2本が楕円形です。これらはレンズシリアル番号が「6******」以降です。 |
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・ これは、標準レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。「ME」の成功を受け、それを高機能化した「ME super」を発売するために廉価普及版として先行発売された 「MV-1」のセットレンズ用として開発され、Mシリーズ交換レンズ中最も安価でした。 この交換レンズがラインナップされた理由は、公開された規格であるKマウントを採用したリコーが、1977年に「XR-500」と「XR RIKENON 50mmF2」をセットでわずが39,800円、レンズ単体で9,000円という価格破壊で市場に投入してきたのに対抗するためだったと思われます。 ・ レンズ構成は、絞りより前群はプラナータイプ(ダブルガウス)の前群部分で、後ろはトポゴンタイプの後ろ半分で構成される「クセノター」という形式です。今時の言い方だとハイブリットか…この交換レンズの場合、プラナーでも2群目の凸凹を引き剥がした変形ダブルガウスの方で、後群の凹は両面の曲率が大きな半球状のメニスカスになっています。 このクセノターというのは、上記のように異なる2種類の対称形レンズの前後を組み合わせたという特異な形式ですが、それぞれの長所を引き継ぐことに成功しています。PENTAXではこの時代、これと「M 1:2.8 100mm」以外には使っていない構成ですが、Nikonはよく使っています。解像力が優れているというのがその理由のようです。 また、1960年代初頭に全盛だった距離計連動レンズシャッターカメラのうち、超F2級のレンズとしても多く使われたレンズ構成で、5群5枚とか4群5枚というのがこれになります。コニカSV、キャノネットなどに使われました。同じく対称形を崩した変形ダブルガウスより後群を簡略化できることがメリットだったのでしょう。 このレンズ形式が用いられたのは、2年先行して発売開始した「M 1:2.8 100mm」でうまくいったからかもしれません。コストを削っても性能を確保するという命題を充たすものとして作りだされたのでしょう。 ・ この交換レンズには貼り合せレンズをまったく使用していませんから、バルサム切れの弊害を免れています。適正な整備を加えることにより永く使い続けられることでしょう。100年後でも健全なPENTAXのMF標準レンズはこれだけだったりして… ・ 外形寸法は「M 1:1.7 50mm」とまったく同じで、鏡胴内部構造も酷似していますが、23g、12.5%軽くなっています。これはレンズ構成だけの差で、価格差も7,000円、36%も安いのですから、この品のお得さが際立ちます。恐らく、利益率は最も低かったのでは… 分解の手順も「M 1:1.7 50mm」とほとんど同様ですから、そちらを参考にしてください。ただし、内部鏡胴を抜き取るときには、先に後群レンズホルダーを後方へ抜き取る必要があります。その後端にあるフランジが絞りリンクに当たって、前方には抜けないからです。 ・ この交換レンズの吐き出す画像はなかなか優秀です。解像感があり、前後のボケ方がなだらかで立体感があります。流石の「クセノター」です。あな安価軽小と侮ることなかれ…
後期の品の中には、被写界深度指標リングや絞り環などにプラスチックを採用しているものがあり、これらは30gほど軽量になっていて、絞り環の突起が59山になっているとのことです。また、これらは絞りリンクも次世代Aレンズのものを採用しているようで、絞り込みレバーの移動量と絞り開面積が比例するものになっているとのことです。 既にAシリーズの時代になっていたために部品流用があったのかもしれません。この場合、前期型とは異なって絞り羽根先端が前側になっているようです。比較のために何とか入手したいものだと思っていますが、1986年発売開始のK1000と組み合わせた輸出専用だった可能性もあり、今は廃止した台湾工場製で、国内では流通していなかったのかもしれません。 ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は、所有する3本中1本が楕円形です。 |
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・ これは、標準レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。Mシリーズ交換レンズの標準レンズ・フラグシップとして、Super ‐Takumar以来のレンズ構成をKシリーズから引き継いで、より小型軽量にした鏡胴に詰め込んでいます。 ・ 基本的な構造はSMC TAKUMAR時代と同じです。分解の手始めは、飾銘板の取外しです。このためには、ぜひとも工具の自作をお勧めします。 飾銘板を取り去った下に現れる3本の小ビスを抜くと、フィルター取付枠は外せます。その奥に現れる3本の小ビスは、ピント環をヘリコイド装置の中筒に押さえ付けています。これを緩めることでピント環とヘリコイド装置をフリーにすることが出来て、その止め付け位置を変更することにより無限遠の微妙な調整が出来るのです。 前群のレンズ3枚を収めているレンズホルダーを外すと、絞りユニットが現れます。 3本の小ビスを取り去ることでピント環を抜き取ります。その下に現れるヘリコイド装置内筒の外側面前側にある3本の芋ビスを緩めると絞りユニットを抜き取ることが出来ます。芋ビスは先が尖っており、その先端を絞りユニット周囲に喰い込ませる事で押さえているだけなので、これを緩めることで絞りユニットを回転させて絞り開度を調節できるのです。 なお、この芋ビスは抜き取ると紛失などの原因となるので、緩めるだけにしておきましょう。 ・ 絞りより後群のうち、一番前の貼り合せ玉とその次の単玉は、ヘリコイド内筒に直接保持されています。最後の1枚だけを保持しているレンズホルダーは後方から抜き取りますが、前の1群2枚の貼合せ玉は 、絞りユニットを抜き出した後で前方から抜き取ります。レンズ押さえのリングが奥まっているので、どのカニ目回しでも使えるわけではありません。ピンセットとかデバイダーなどを改造した工具の工夫が必要です。 ・ この貼り合せレンズの接着剤が経年劣化により変性し、いわゆる「バルサム切れ」を非常に高率で引き起こしています。その現象としては、鰯雲状の曇りや、夥しい油滴状の染みが接着面に現れます。ほとんどが 、周辺部からこの現象が始まるようです。 現在、この症状は、ほとんどの個体に出現しているものと亭主は推定しています。最も発現例の多い鰯雲状のものは、正面から覗いただけではなかなか確認することができないのですが、強い光源に向けて後斜めから見ると 、周辺部に見られるケースが多いようです。同時期に造られた 「M 1:1.7 50mm」にはほとんど出現していませんから、接着剤のせいだけではないと推測しています。両者は貼り合せ面の曲率が大きく違い、「M 1:1.7 50mm」はそれが平面に近いのですが、これは大きな曲率になっています。このことにより、熱膨張・収縮によってレンズの貼り合せ面が受けるストレスが違うと考えられます。このことが接着層劣化の原因になっているものと考えられます。高温による伸びよりも、低温による縮みの方が悪影響になる可能性があります。冷えた状態から急に温めると結露の原因になって、カビや水やけのリスクも高まりますから… なお、超高率なバルサム切れ発生で知られる「K 1:1.8/55」の貼り合せ玉も貼り合せ面の曲率が大きいので、この推論の有力な根拠の一つです。 でも、鏡胴構造が類似しているSMC TAKUMAR時代のものには殆んど発生していませんから、接着剤の変更が主要な原因であることが大きく疑われることには変わりありません。 バルサム切れを起こしている貼り合せレンズは、亭主が考案した方法により安全に接着を剥がすことが可能ですから、再度接着すれば修理が可能です。剥離面の接着層の残滓はピカールなどで除去も可能ですし、再接着のための接着剤は、紫外線硬化型アクリル樹脂のものが1K円程度で入手可能です。古典的手法としてカナダバルサムを使うというのも有りでしょうが… ・ 他の分解手順は「M 1:1.7 50mm」と同様ですから、そちらを参考にしてください。 ・ なお、この交換レンズはSMC TAKUMAR時代の「1:1.4/50」とレンズ玉の外形寸法が同一であることから、それからレンズ玉を移植するという方法が可能です。M42マウントのそれを自動絞りのできるKマウント化し、最少絞りもF22にするという訳です。区別のために飾銘板はTAKUMARのものを使いましょう。これぞまさに 、自前整備の醍醐味なり… ・ |
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・ とにかく、小型軽量を目的とした標準レンズです。これより小型軽量な交換レンズは、Mシリーズ交換レンズ中にはありません。そのためには明るさも犠牲にしています。純正のゴム製フードを取り付けてゴムを折り返すと、鏡胴の総てがゴムの中に隠れてしまいます。Mシリーズカメラなら取り付けたままコートのポケットに入れておける小ささです。その形状から「パンケーキ」と言われました。後年人気になって、中古価格が新品販売時価格の2倍にもなった珍しい存在です。 テッサータイプに4群目凸レンズを追加したことで対称形に近くなったシンプルなレンズ構成です。写りはテッサータイプの特徴を受け継いでいて、かっちりとした印象です。解像力が非常に優秀です。 テッサータイプに付け加えられた凸メニスカスレンズの役割としては、その位置に置くことでレンズ群をレトロフォーカス傾向に振って第二主点をレンズ群の後方に出し、凸レンズの効果で焦点距離を縮小すると同時にバックフォーカスをも確保するというもののようです。 ・ フィルターは49mmですが、飾銘板は1サイズ小さな46mmになっています。つまり、フィルター枠のネジが2段になっているのです。加工により手間がかかるというのに、なぜこのようにしたのかは不明です。でも、この飾銘板はネジピッチがP=0.5ですから、そこにP=0.75の46mmフィルターを取り付けることはできません。これも、まったくもって不可思議千万… 飾銘板を外すと、その下に6本の00番プラス小ビスが現れます。1本置き3本ずつ2組のそれのうち、1組はフィルター枠を鏡胴に止めているもので、他の1組は前後にレンズホルダーを捻じ込んだ絞りユニットをヘリコイド装置内筒に押さえ付けていて、これを緩めて絞りユニットを回転させることで絞り開度の調節が出来るようになっています。フィルター枠を外した後でこれを取り去れば、絞りユニットは外せます。 フィルター枠を外すと、その下に3本の00番プラス小ビスが現れます。これはピント環をヘリコイド中筒に押さえ付けていて、これを緩めるとピント環をフリーにすることができ、止め付け位置を変更することで無限遠を調節することができます。これを取り去れば、ピント環は外せます。 つまり、この鏡胴は「1:1.8/55」と同様な構造になっているのです。 絞り環にクリックを与えている鋼球(2mm径)の位置は、通常の交換レンズは零指標の下にありますが、これは少し右にずれて被写界深度指標11付近にあります。鏡胴を小型にした結果でしょう。 絞りと自動絞りのリンクはシンプルですが、摺り合わせ抵抗が大きくなる構造ですから、円滑な自動絞りのためには油切れを嫌います。使用する油の粘度には注意が必要です。グリースでは粘りすぎです。でも、CRC5-56など揮発性油は論外… ・ |
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☆☆ smc PENTAX M 1:2.8 28mm 前期型 ☆☆
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・ これは、広角レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。少し長くなった後期型はAシリーズにそのレンズ構成を引き継いでいますが、これは前期型です。後期型が作られたのはMシリーズカメラの販売が振るわなくなっていた最後の2年間ですから、流通量はベストセラー時代に作られた前期型が圧倒的に多くなっています。逆置きエルノスターの前側に逆構成トリプレット凹レンズグループを配したレトロフォーカスです。全体として前後対称に近いレンズ構成には貼り合せレンズを使用していませんから、バルサム切れの陥穽からは免れています。マスターレンズである後群をエルノスターではなく逆エルノスターとすることで、レトロフォーカスの欠点であるコマ収差を良好に補正できているとのことです。 外形寸法は標準レンズ「M 1:1.7 50mm」とまったく同一です。当時カメラは速写ケースに入れて携帯するのが一般的でしたから、標準レンズと同じ大きさというのは大きな利点だったのでしょう。 Mシリーズ交換レンズの中では、焦点距離28mmのものは明るさの異なる3種類があり、これは中間の開放F値です。 ベストセラーであったMシリーズカメラですから、この交換レンズは最も多く作られた単焦点広角レンズなのではないかと思われます。 ・
内周部に艶消しのコーン部を一体化させた金属製の飾銘板を外すと、その奥に3本のプラス小ビスが現れます。 これらを00番プラス精密ドライバーで抜き去るとフィルター取付枠は外せます。 このフィルター取付枠は120度ごとに取付位置を変更できるので、その範囲内で飾銘板の取付位置を調整できます。上左の位置に成るように取り付けるのが正しい取り付け方です。 ピント環とヘリコイド内筒の間に3本の00番プラスナベ頭ビスが現れ、これを緩めるとピント環をヘリコイド装置中筒からフリーにすることができて、その止め付け位置を変更することで無限遠の調節をすることができます。これらを抜き去れば、ピント環を外せます。 4群4枚のレンズエレメントが組み込まれている前群レンズホルダーを左回しにヘリコイド装置内筒から抜き取ると、その奥に3本の00番プラス小ビスが現れます。これを緩めると絞りユニットを回転させることができ、それによって絞り開度を調節することができます。これらを抜き去ると、絞りユニットは内筒から外せます。 ・
後部から5本の0番プラス皿ビスを抜いてマウント金具を外すと現れる絞りリンクは、随分と複雑です。 「M 1:1.7 50mm」など標準レンズの場合は、リンク内でカムによる絞り設定と自動絞りの仕組みを完結させて、その結果について1本の摺動レバーだけで絞り羽根の駆動を行っていますが、これの場合は自動絞り連結レバーの駆動によりまず絞り羽根を動かし、それから連動出力させる形で絞り設定カムを介在させて設定した絞り値で止めるという複雑な機構になっています。そのため、前後に移動する絞りユニットには前後それぞれに摺動レバーが付いています。いかにも手間隙が掛かりそうな構造ですが、これは、 鏡胴の後の部分の懐が狭い広角レンズのためにリンクを単純小型化して、しかも 機構について機種間の互換性を持たせようという発想の設計だと思われます。絞りリンクリングにネジ止めしている絞り開度カムや絞り環連結ピンを取り替えれば、他の種類の交換レンズにも流用が利きく構造です。マウント金具を取り付けていないとこのリングリンクが外れてしまう構造でもあります。 ・ 3群3枚のレンズエレメントが組み込まれている後群レンズホルダーはヘリコイド内筒に捻じ込んであり、左回しに外します。 ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は所有する2本中1本が楕円形です。 ・ ・ なお、構成枚数は同じものの、光学系も大きく変更している「後期型」は販売数が少なく、中古市場でほとんど見かけません。亭主は未入手です。 その外形上の特徴は、全長が6oも長いことと、デザインがMレンズ共通のものと少し異なっています。鏡胴のプラスチック化が昂進しているようです。ピント環前縁にアルミ色のリングが無く、飾銘板にシリアルナンバーが無くなっています。全体に間が抜けた感じがします。単焦点Mレンズの中では最もダサい… 絞りリンク機構もAレンズと同じものを用いているようです。1982年発売ですから、そのころは既にAレンズの準備は進んでいて、そんな中でのプロトタイプ的な位置付けだったのでしょう。 「前期型」の絞り開放付近での周辺画質の悪さが、この発売を急がせた要因なのかもしれません。それはAPS−C判のデジタル一眼ではあまり目立ちませんが…
・ ※後期型のレンズ構成図
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・ これは、広角レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。開放F値1:3.5というのは、TAKUMAR時代にも、Kシリーズ時代にもありましたが、これはどれとも共通ではありません。レンズ構成は初期のレトロフォーカスの典型で、ラッパ型をしています。逆配置エルノスターの前側にダブレット凹レンズを配したという構成でもあります。TAKUMAR時代のものを簡素にしたという感じです。廉価版という位置付けだったのでしょうか、「M 1:2.8 28mm」よりレンズ構成は1枚少ないのですが、エレメント単体の厚さがあるので、22gも重くなっています。全長も5mm長い… ・ 分解方法、絞りユニット及びリンクの構造は、「M 1:2.8 28mm」と殆んど同一です。絞りリンクの構造は複雑ですが、絞り設定用カムを変更するだけで互換が可能な設計です。合理化のためでしょうか… ・ |
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・ これは、広角レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。開放F値1:2というのはKシリーズ時代にもありましたが、これは別の設計です。逆配置エルノスターの前側に3枚構成の凹部分を配したレトロフォーカスです。 「K 1:2 28mm」が販売され続けていたため、それと入れ替わるかたちで、これはMシリーズの中では最も遅く販売が開始されました。 ・ 絞りユニットは6枚羽根ですが、絞りリンクの構造は「M 1:2.8 28mm」と類似した仕組みです。構造は複雑ですが、絞り設定用カムの変更だけで他と互換が可能な設計です。 ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は楕円形です。 ・ |
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・ これは、広角レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。開放F値1:2というのはKシリーズ時代にもありましたが、これは別の設計です。 ・ この交換レンズを分解するとき、特にマウント部を分解するときには気をつけましょう。マウント金具を外すときに絞りリンクがそれを動かす引っ張りコイルスプリングから簡単に外れてしまい、再びセットするのに手間取るからです。 同じF2級でも、その絞りリンクの構造は、互換性を可能としている「M 1:2.8 28mm」のそれを採用している「M 1:2 28mm」とはまったく異なった構造です。設計時期が違うためだと思われます。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M 1:2.8 100mm ☆☆
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・ これは、望遠レンズというカテゴリーに位置付けられる交換レンズです。このクラスは、Kシリーズ時代には105mmでしたが、100mmとしたこれは、とにかく軽量小型に徹した設計です。レンズ構成は 「クセノター」と言う形式で、 「M 1:2 50mm」と同じ形式です。対称形ですが、前群はダブルガウスの前半で、後群はトポゴンの後半という構成です。明るさがダブルガウスより少し劣るものの、解像力が優れているという利点があります。 ・ マウント金具を外すとあらわれる絞りリンクは、広角系のものと類似した構造ですが、絞り設定カムの位置はリング状リンクではなく、奥に設けられています。 飾銘板を外すと00番のプラス小ビスが3本現れます。これらを抜き去るとフィルター枠は外せます。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M 1:3.5 135mm ☆☆
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・ これは、望遠レンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。エルノスターとトリプレット+ダブレットとの違いから来るものなのでしょうが、smc TAKUMARからKマウント化されたものと比べると随分と短く軽くなっていて、その上引出式フードまで内蔵しています。ただし、このフード、無いよりまし程度のもので、出来たらもっと深いものを別に使うべきでしょう。 コンパクトにするためにレンズ構成のテレフォト度をより高めた(前凸構成と後凹構成の屈折力をそれぞれ大きくした。)ために残存収差も大きくなったようで、前時代のものより評価が下がるものの代表格になっています。 また、凹面6に対して凸面4という構成なので、それだけ凸面の曲率が大きくなっています。 Mシリーズの交換レンズが売られていた頃も、カメラ使いを自認する仁が標準レンズのほかに持つ交換レンズとしては、焦点距離28mmと135mmがポピュラーでした。そのため、旭光学としてはこの交換レンズに力を入れていたようで、絞り羽根の枚数が8枚なのは、Mシリーズ標準レンズのフラグシップである「M 1:1.4 50mm」と同じです。 ・ ところで、この交換レンズは、予備知識をまったく持たない分解整備の初心者にとっては極めて手ごわい存在であろうと亭主は思うのです。標準レンズの分解整備だけしか経験していない者にとっても、それは同様であろうと思います。 鏡胴に引出式フードが内蔵されているため、一般的な交換レンズの分解方法とは大きく異なっているのです。これと同形式の引出式フードが内蔵されている「M 1:3.5 150mm」や 「M 1:4 200mm」でもそれは同様なのですが… ・ 「フツー」の交換レンズの場合、分解作業は飾銘板外すことから始め、そうすることで次の作業が見えてきます。しかし、この交換レンズの場合、飾銘板を外しても次の作業が何も見えてこないのです。ミステリーレンズとでも言いたくなる瞬間です。 飾銘板が分解作業の糸口を隠しているように、この交換レンズの分解作業の糸口を隠しているのが何なのかを推理することから始めなくてはなりません。後方のマウント金具の取り外しから始めても、絞り環を抜き、マウント台座を外すところまでしか辿り着けません。無限遠調整に必要なピント環の取付方法が分からないのです。 さて、隠しているものが何なのか、それは「ME」などこの時代のカメラを分解整備した経験のある人なら推理発見することはさほど困難ではないのかもしれません。カメラの場合、表面に張ってある化粧皮を剥がせば、分解のための小ビスが現れ出るのですから… この交換レンズにも同様の手法が用いられています。ピント環の周囲に巻かれているビニールリングがそれです。これを前方に抜き取ることにより、分解作業の第一歩が始まるのです。
ビニールリングは置かれていた環境によって経年劣化が進んでいるものもあります。その場合、柔軟性を失って安全に抜き取れない場合もあるでしょう。破損しないようにするためには、寒い時期にはヘアドライヤーで暖めるなどの工夫が必要です。 ビニールリングはピント環にその弾力性によって固定されています。また、ビニール素材から染み出してきた成分により薄い接着効果を生じています。これらを剥がさねばビニールリングは動きません。 そのための道具としては、薄く削った竹串が簡便でしょう。これを前方からビニールリングの下に慎重に差し入れ、全体をこそげるように一周させます。これで接着効果を失わせることができます。竹串を少し持ち上げ、ビニールリングを前方に少しずつずらせば抜き取れるはずです。ビニール素材が硬化していると亀裂が入ったり折損することもありますから、 ここは慎重な作業が必要です。 外したビニールリングは中性洗剤を溶かしたぬるま湯で凹凸面の汚れを歯ブラシなどを用いて丁寧に洗い落とし、よく乾燥させます。「アーマーオール」などの浸透性保護剤の入手が可能なら、それを塗って仕上げます。 ・ ビニールリングを取り去ったピント環の側面には6個の穴が開いています。これが何のための穴なのかと不審に思わない人は、この遊びに向きません。即刻退場がよろしいかと… ピント環を無限遠位置付近に回し、フードを引き出すと、6個のうちの1個置きの3個の穴の中に皿小ビスが現れます。これらを00番プラス精密ドライバーで抜き取ると、引出式フードがフィルター取付枠と一緒に外せます。
この状態でヘリコイドを繰出すと、前群レンズホルダーを左回しに簡単に抜き取ることができます。レンズの洗浄などの清掃なら、これだけで十分です。 なお、余談ですが、引出式フードの出し入れが緩くなっているのは、フード内側後部に張ってある起毛フリクション材が磨耗しているのが原因です。これを慎重に剥がし、薄い両面接着テープの下駄を履かせると解決できます。TAKUMAR時代のかぶせ式アルミ製レンズキャップが緩くなったものも、この方法で回復できます。 ・ さて、またミステリーです。ピント環と内部鏡胴の隙間を覗き込んでも、「フツー」の交換レンズにある固定用小ビスがありません。突き当たりの壁が見えるだけです。ピント環をフリーにしたり、外したりする方法が分かりません。これでは無限遠の調整ができません。さて困った… こんなときには、思案投首して鏡胴を捏ね繰り回すのが「フツー」の人の態度でしょう。そしてそれがこの場合、正しい対処法なのです。 鏡胴の先を下にしたとたんにカラリと音がして、薄い鉄リングが転げ出ます。慌てて拾い上げ、どこから落ちたかと鏡胴の隙間を覗き込みます。そのとき小ビス3本が奥にあるのを目にします。そう、それが探していたもの まさにそのものです。 この薄い鉄リングは、引出式フードがそれ以上奥に入り込まないようにするストッパーと、ゴミが鏡胴内に入り込み難くする役割を担っています。これがピント環を止め付けている奥の小ビスを隠していたのでした。 ・ 話はピント環側面の6個穴に戻ります。そのうちの3個の役割は上記のように分かりました。「ピッピッ、警告!!」残りの3個の役割について考えを及ぼさない人は、ここから速やかに退場してください。 引出式フードを抜き取った下から、残り3個の穴の中に芋ビスが現れます。これらを少し緩めると、絞りユニットを押さえているコーン状の部品を外すことが出来ます。 この芋ビスは抜き取らないほうがよいのは普遍的なことです。 注意!!このコーン状部品は、絞り羽根を直接押さえる役割を果たしていますから、外して鏡胴先端を下に向けると、絞り羽根がバラバラになるおそれがあります。 ・ 後からの分解として、マウント金具を5本の皿ビスを抜くことで外します。絞り環を後方に抜くとその下にあらわれる3本の皿ビスを抜けば、マウント台座は外せます。 マウント台座の中には絞りリンクリングが組み込まれています。この交換レンズの絞りリンク機構は広角レンズのものと似ていて、標準レンズの鏡胴とは全く異なっています。 なお、「M 1:4 200mm」の絞りリンク機構も、これとほとんど同じ構造です。 絞り環と連結している絞りリンクのリングには、カメラとの開放測光連結ピンと、絞りユニット背面に組み込まれているカム装置から出ている長い摺動レバーと組み合うソケットが設けてあります。絞り開度の設定を行うカムは、この摺動レバーの基部に設けてあります。 絞りユニット背面からは別に長い摺動レバーが出ていて、ヘリコイド外筒に支点を取り付けてある長い天秤式自動絞り連結レバーと嵌め合っています。絞り羽根を常時最小絞りにするように働くバネは、この自動絞り連結レバーに取り付けてあります。 絞りユニット自体は、ヘリコイド内筒に後から3本のビスで止めてあります。上記「絞りユニット押さえコーン」で絞り羽根の分解を防ぎながら前方に抜き取ります。絞りユニットの分解は、絞り羽根に油が回っているとき以外には行わない方が安全でしょう。絞り羽根の組立は結構厄介です。 ・ 後群のレンズユニットはヘリコイド内筒に捻じ込んであります。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M 1:3.5 150mm ☆☆
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・ これは、望遠レンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。150mmという中途半端な焦点距離ですが、旭光学は歴代これを造っています。 標準レンズ50mmの3倍という拘りなのでしょうか…これは「M 1:3.5 135mm」と極めて似た光学系で、鏡胴も少し長くなるだけでほとんど同じです。 ただし、どういう訳か、絞り羽根が2枚少ない6枚です。販売価格は9,500円も高いのに腑に落ちません。そんなに売れそうもないことが前提の値付けだったのでしょうか… レンズ構成は135mmと同一で、トリプレットの前群凸とダブレットの後群凹を組み合わせたテレフォトです。 ・ |
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・ これは、超望遠レンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。先代のKシリーズ交換レンズと比べると明るさは同じで、レンズ構成も似ているのに、随分と小型軽量になっています。Mシリーズ望遠レンズ群に共通の仕様で引出式フードを内蔵しています。これも無いよりまし程度… 前群凸はトリプレットで、後群凹もトリプレットという構成のテレフォトです。 絞りリンク機構の構造は「M 1:3.5 135mm」とほとんど同じ形式です。 鏡胴構造としては、絞り装置より前群のレンズホルダーをヘリコイド内筒に捻じ込んでいるPENTAX伝統の超望遠型鏡胴形式です。前群レンズホルダーを2つに分割すると、格納式フードは後方に抜き取れます。 この捻じ込みが非常に固いので、事前にネジ部にCRC5-56を塗布しておくなどする必要があります。 無限遠の調整など鏡胴を分解整備するためには、ピント環のビニールリングを抜き取る必要があります。ピント環は前後2つに分かれます。前部はヘリコイド中筒に3本のビスで止めてあります。後部は前部に周囲3本の芋ビスで押さえてあり、無限遠の調整はその押さえ位置の変更で行う仕組みです。 絞り装置は「smc PENTAX M 1:3.5 135mm」とよく似た構造です。分解難度はより高いと思います。絞り羽根押さえのコーン状部品が捻じ込みになっているので、後側3本のビスを外して絞りユニットを外す時に絞り羽根がバラバラにならないようにする仮の押さえ板を別に用意する必要があります。 ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は所有する2本中1本が楕円形です。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M 1:5.6 400mm ☆☆
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・ これは、超望遠レンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。このレンズ構成はTakumar以来のもので、東京オリンピックのときに報道カメラマンなどから要望されて設計したもので、札幌オリンピックでは活躍したと、古いタクマーのカタログに記載されています。解像力とともに、レスポンス重視の設計をしたとのことです。先代のKシリーズのときはそれまでと同じくクリックストップ絞りのままでKマウント化しただけだったのですが、Mシリーズになったときに鏡胴全体を一新し、自動絞りとして最短撮影距離を3mも短縮しています。前群凸がトリプレットで後群凹がダブレットのテレフォトであるこのレンズ構成はMシリーズで終わり、Aシリーズには引き継がれていません。 三脚座が組み込まれていますが、着脱式ではありません。 前群が組み込まれている前部鏡胴を回し抜くと、絞りユニットが見えます。小ビス3本でヘリコイド内筒に押さえ付けていますから、これを緩めることで絞り開度が調整できます。その小ビスを抜けば、絞りユニットは前方に抜き取れます。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M ZOOM 1:4 75-150mm ☆☆
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・ これは、望遠ズームレンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。当時流行のピントリングとズームリングが共用の形式で、直進ズームとも呼ばれることがあります。ズーミングは回転させるフォーカシングと共通のリングを押し出すと短焦点になる逆進なので、感覚的に違和感があります。 原理・構造で分類すると4グループ式ズームですから、ズーミングしても全長が変わりません。第1グループ回転繰出しによるフォーカシングですから、それによる伸縮はありますが… また、4グループ式ズームの特徴で、f/1:4の開放値がズーミングしても変りません。 マスターレンズである第4グループはエルノスター構成です。 最近のズームレンズと違って、ズームしてもピントがほとんど変化しません。ズームレンズの定義に拘っています。 ・ この時代のズームレンズの評価は低く、中古価格は、販売価格と比べるとびっくりするほど低廉です。1割にもならないことが多い… ・ この製品は、ズーム比を押さえ、使用レンズ数を押さえることで低価格化を図った製品です。4グループ式ズームのより高級版として、同時期に「smc PENTAX M ZOOM 1:4.5 80-200mm」があります。そちらはレンズを15枚使用しています。 ・ |
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☆☆ smc PENTAX M ZOOM 1:2.8-4 40-80mm ☆☆
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・ これは、標準ズームレンズというカテゴリーに分類される交換レンズです。焦点距離80mmのときにマクロモードに切り替えて直進で前群を伸ばすという、今では見かけないへんてこな構造です。黎明期のズームですから、写りはあまり期待できません。フォーカスすると前群が回転しますから、PLフィルターは使い難い… 原理・構造で分類すると広角ズームに向いている2グループ式ズームです。焦点系の第1グループと変倍系の第2グループの間隔が変わることでズームします。第1グループは全体で凹レンズ、第2グループは全体で凸レンズのエルノスター構成で、間隔が広がるとレトロフォーカスの広角レンズになり、狭くなると対称形の標準レンズになるというズーム原理です。 ・ ズームとしては当時最も廉価だったこれは、MV-1と組み合わせて販売されることが多かったようです。MV-1はこのレンズを使用することを前提として開発されたと言った方が正しいのかもしれません。 「K10D」でMモード時グリーンボタン一発撮影だと、逆光方向では2段程度露出オーバーになります。それが「*ist D」では出来るMモードでの露出補正機能が欲しい理由です。でも、「K10D」では出来なかったのが、「K20D」になって出来るようになったのはとても好かった… 人気が無いので、販売価格が高価だったのに比べ、中古価格はほとんどただ同然… ・ このレンズ、40mm時には解像力が低いのですが、80mmマクロ時にはかなり高解像力との定評があります。でも、40mm時の開放は本当にソフトフォーカスで、目をこすりたくなるようなもやがかかった画像になります。これだけ大きく性格が変わると、それはそれで面白い のですが… 望遠時に高解像なのは、後グループ凸のエルノスターが、その実力を発揮しているということなのでしょう。2グループ式ズームの初期の廉価版として計画された製品ですから、全域高性能にまでは絞り切れていないということなのでしょう。 ・ マウント金具面ロックピン受けの形状は楕円形です。 ・ 分解の手始めはピント環のビニール環を抜き取ることから始めます。 ・ |
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