Vol.7 - 25 Apr. 2000

さて、今回はたまたま耳にして記憶に残った言葉と、それから
ちょっとしたエピソードをひとつ。


●「多少のプラスマイナスはあるでしょう」−東京ならばたぶん
こういう風に言うはずの表現を私の上司は「多少の“デコヒコ”
はあるやろ」という。
“デコヒコ”、つまり凸凹(でこぼこ)のことでしょうけれど、それを
あえて言い換えた時には、こうも語っていた。
「多少のでっこみひっこみはあるでしょうって…」
…“ひっこみ”はわかるけど、“でっこみ”って何だ?
それをいうなら“でっぱり”、でしょ。
でも“デコヒコ”という表現、言わんとしていることはよく解るし、
語呂もよい。

●大阪ミナミに「店じまい大安売り」を10年来掲げたまま営業
を続けている靴屋があるらしい。
いつ閉めるのかという質問に店主のオヤジいわく、
「暗くなったら閉めますねん」
…なるほど。

●映画館で「グリーンマイル」を見た。エンドロールが流れる中、
涙を拭いながら席を立ったカップルの女の子がひとこと。
「ええ話やったわぁ…」
このひとことで、私は冷めてしまいました。

●今から1ヶ月ちょっと前の、会社の事務所の引っ越しで、東京
の本社から力仕事の手伝いで、助っ人がやって来た。
そしてこの彼の活躍もあって、荷物もひととおり新事務所に無事
に運び込まれ、彼は夕方、伊丹空港に到着。一路東京への帰
路についていた。しかし、どうしたことか機内持ち込み手荷物
検査所で何がどうなってしまったのか、金属探知機に足留めを
くわされていた。
力仕事と業者に対する指示だけだから、僅かな引っ越しに関す
る書類だけを持って、身軽にやって来たのだが、小銭入れを出
しても鍵を出しても、もちろん携帯電話などとっくの昔に出して
いた。…でも、鳴る。
「ベルトのバックルでしょ」、「革ジャンの鋲ですか?」
彼はいろいろと喋ったそうだが、それでもなお鳴る。
「…もう、ベルトのバックルということで…」
そういう結論で切り抜けようとしたその時、係員は一言。
「胸ポケットの中になにか入っていませんか?」
「あ!」
…引っ越し前の事務所でLANコードなどを縛るワイヤーを切る
ために近所のコンビニでハサミとカッターを買い込んで作業に
取りかかったが、それがそのまま内ポケットに入っていた。
よりによって飛行機に乗ろうとしていて、係員のあまりの執拗さ
に自分の態度もちょっと横柄になりかかっていた。
それに引っ越しの作業で汗をかいたままの状態で空港に到着。
身なりは着古した革ジャンにGパンだし、汗で髪の毛が額に張
りついている。
そんな彼はほとんど手ぶらな状態である上に、ハサミとカッター
を胸ポケットに隠し持っていたのである。
彼は別室に連れていかれて、ハサミとカッターはそのまま没収
されたとのことである。


次へ

トップへ
関西通信トップへ



*** I.Z.'s Attic ***
Copyright - I.Z. - 2004 - 2010 All Rights Reserved