あとがき


さて、ここまで、いきなりフィールドひたすらゲーム一画面のエンディングと、
ストイックな星みるの世界をご案内してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここまで付き合っていただいて感謝感激の至りです。

クソだクソだと言われ続け、実際クソであるこのゲーム、ただ一つだけ
いいところがあるとすれば、想像力の介入の余地が多分にあることです。

自分もクソだと思うし、もうしんどくてあんまりやりたくない
というのがホンネだけど、決して嫌いではないのは、まあそう言った
想像力云々といったことなんだろうと思います。

ろくな設定もなく、目的も稀薄、物語をかき回すようなイベントも無しという、
エンターテインメント性のなさが、かえって
「役だけもらって大ホールでアドリブ劇させてもらってるような楽しさ」を
与えてくれたのかも知れません。
というか、想像しなきゃやってられないよなこんなモンは。

こういうのを引き合いに出すのも何かと心苦しいし問題もあるのでしょうが
今のゲーム(あくまで傾向ですが)をプレイするに、登場人物ひとりひとりに
声優がつき、説明書を見れば戸籍抄本が如く登場人物の年齢血液型、
そして好きな食べ物(例:焼ビーフン)、あげくのはてには3サイズ(死)
まで設定されていて、妄想はできても想像の入る余地はゼロ。完全に
受け手に回らなければなりません。それはそれで楽しいのですが、
背中のあたりで想像力が行き場が無くて身悶えしてるのを感じます。

まあ、遊園地で遊ぶか、自分が舞台に立つかというような違いなので、
どっちが悪いといったたぐいの話ではないのですが。それでも
たまには星みるみたいなゲームも悪くないなあと思うのであります。

いやだなあこんな事言うのは年を取ってきた証拠なのかな。


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