整形美人になっても、
笑われるのがオチ。

芥川龍之介 著 『鼻』

昔あるところに、鼻の恐ろしく長い高僧がおりました。
その鼻はみなの笑いの種になっていましたが、
僧は気に病みながらも気にせぬ風を装っていました。
ある時、そんな僧の心を知る弟子が、
鼻を短くする法を京の都で教わってきました。
さっそく試すと、あら不思議!見事に鼻が短くなったのです!
僧は内心とても喜びましたが、どういうわけでしょう、
僧の短くなった鼻を見た者たちは、前にも増して笑うのです。
なぜなのか。理由は、どうぞ本書で。

『羅生門・鼻』(文庫)