さかばのくじいこうはごふんがいっぷん
酒場の九時以降は五分が一分

なんだ、まだ九時か。
と飲んでいると、あっという間にこうなる。
すわ、もうすぐ終電の時間!

さんちょうのものげかいをしらず
山頂の者下界を知らず

山頂にいる者には、下界のことはわからない。
世襲政治家など、ずっと頂上にいる者には、
麓にいる庶民の気持ちは理解できないということ。

しけんかいじょうでふるこーす
試験会場でフルコース

どんなにおいしいフルコース料理も、
試験会場ではとても満喫することができない。
心に余裕がないと楽しめることも楽しめないことをいう。

しびんにはいったびーる
溲瓶に入ったビール

溲瓶に入ったビールは飲む気がしないことから、
要求を拒む時に言うことば。
「減給なんて、溲瓶に入ったビールだ」などと使う。

じぶんのれっとうかんはたにんのゆうえつかん
自分の劣等感は他人の優越感

劣等感のタネは自分には不愉快だが、
他人にとっては取るに足らないこと。
むしろ、愉快のタネである場合が多い。

しゃかいのやまはくだりがたし
社会の山は下り難し

社会的地位という山は、ひとたび上に登ると
下りるのがむつかしいということ。
実際、要職に恋々とする者は少なくない。

しょうべんこぞうのしょうべん
小便小僧の小便

とめどなく続くこと。切りがないこと。
「部長の話は小便小僧の小便で困る」
「欲を言ったら小便小僧の小便だよ」などと使う。

じんこうをたいてじんたんをくう
沈香を焚いて仁丹を食う

沈香を焚いて佳い香りを放ち、
さらに、仁丹を食べて口からも爽やかな香りを放つ。
長所の上に長所を重ねて申し分のないこと。

すぎないたいふうはない
過ぎない台風はない

生きていれば苦難に遭うこともある。
しかし、永遠に続く苦難はない。
台風が過ぎた後には必ず明るい陽が降りそそぐ。

せいぎのこわいものしらず
正義の怖いもの知らず

正義と信じる者は、正義の名のもとに、
どんなことでも恐れずに行う。
たとえそれが、原爆の投下だとしても。

そばやのさいそくたいおう
蕎麦屋の催促対応

出前の催促電話を受けた蕎麦屋が
決まって「今出ました」と答えることから、
適当なことを言ってその場を取り繕うことをいう。