14. 診療圏調査再び

少し話が前後しますが、港北ニュータウンについても当然経営が成り立つかどうかの調査が事前に行われます。港北ニュータウンは、整形外科が開業するにはけっして有利な土地とはいえません。人口統計と疾病統計から患者さんの数を予想し、競合する診療所との関係を加味して自院の患者数を割り出します。これはなかなか大変な作業で、さすがに素人一人ではできません。ただし、インターネットの発達と情報開示が進んだおかげで、かなりの情報を収集できますし、特に地元でないとわからない特殊性については数字だけから見えてはきません。コンサルト会社の示すデータに、自分なりに納得できるものを混ぜていくことは大切です。基本的な統計データはインターネットで都筑区のホームページからいただきます。これに厚生労働省のホームページから疾病罹患率の統計を組み合わせると、それなりの数字がはじきだせる。

競合医療機関については、一時的には「競合」であることはまちがいありませんが、それぞれの特殊性・専門性といった部分で差別化されていくと思いますので、最終的には「協調」医療機関となると考えます。今後も新規の整形外科が進出してくる可能性はあるし、それを自分なりに消化していく覚悟が必要ですね。ただ、意外と難しいのが現在のクリニック数の把握。医師会に入っている分はわかるけど、昔と違い医師会に所属していない先生を探すのはけっこう骨が折れる。

とはいえ、現状の都筑区の人口と整形外科診療所数は、客観的に考えてもMAXに近いと思いますし、今後の地域の発展がどこまで進むかが重大なキーポイントであることはまちがいない。地下鉄の新規開通、駅前ショッピングセンター建設、マンション計画などの計画進捗状況がとっても気になりますよ。また、この地域が商業的には周辺からの流入地域であり、車が各家庭に一般的にあるため通常の診療圏(徒歩圏として半径500m 〜 1km)よりも広めの設定は可能です。またリウマチという病気は通院しやすい環境さえあれば、比較的診療圏を広く取ることができます。そういう意味でも、もともと駅に限りなく近いことと駐車場の確保は必須条件と考えていました。

これは自分が独自にインターネット情報のみから作った資料です。川崎(溝の口)より、横浜の方が医者が多いのがわかります。横浜北部では緑区が一番条件がいいかもしれませんが、核となる駅が少ない。ということは診療圏が拡大できないと言うことを意味しています。青葉区は人口も多く、いいのですが何しろクリニック数が多すぎる。港北区にいたってはお互いに潰し合いに入っている。しかし都筑区は少ない患者数が一番伸びるかも?川崎の高津・宮前は医者不足で都筑区への流入が想像できる。