名 寄 本 線

9600の最後の咆哮が天北峠に響きました

 

北海道の蒸気機関車が終焉を迎えようとしていたとき、唯一素晴らしい重連機関車の活躍が見られたのが名寄本線でした。ここには上興部と一ノ橋間に双方から25パーミルの急勾配が続く天北峠があり、そのためこの間に9600形の専用補機が1両充てられていました。
上り名寄行列車には正向で補機が連結され、9600形の美しい前部重連列車が見られましたが、一ノ橋にはターンテーブルはなく下り列車には補機は逆向きで本務機の次位に連結され、あまり絵にならない重連となりました。
上り重連列車は午前中と夕方の2本しかなく、効率は悪かったのですが、ときとして夕方の上り1692レが遠軽方面から重連で来ると専用補機がさらに連結され三重連になることがありました。私の蒸気機関車撮影の最後を締めくくる路線でした。
写真は45年〜47年の撮影です。

 
 
 
 

 
昼の上興部で憩う専用補機。このあと下り列車の補機仕業のため単機で一ノ橋に向かいました。  上興部
 
 
 
 
 
 

 
上興部にはターンテーブルがありました。機関車の蒸気と人力で回す当時としては珍しい転車台でした。
 
 
 
 
 
 

 
上り最終列車の補機となり名寄に重連で向かいます。構内は既に暗く、1/15のスローシャッターで切っています。  上興部
 
 
 
 
 
 

 
日の長い夏には最終の1692レの走行写真が撮れました。  上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

 
2両の9600が夕日を浴びながら珍しく豪快に煙を吹き上げて最終列車が天北峠に向かいます。夏の夕暮れ。   上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 
 

 
これは一ノ橋からサミットを下ってきた貨物列車です。初春で残雪も見え、雑草もまだ生えていなくてすっきりしたな牧場でした。
 
 
 
 
 
 

 
短い貨物を牽いて、名寄行貨物がやってきました。もう25‰は始まっているので、ブラストも勇ましくやってきました。   上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

 
上興部から歩いて1時間、夏の峠路は思ったような場所が見つかりませんでした。午前中の1690レ重連です。  上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

 
臨時客車列車は残念ながらDD15の牽引でやってきました。DD15は除雪用機関車です。   上興部〜一ノ橋

 
 
 
 
 
 

 
残雪の山々をバックに峠を下る1691レ。これは補機なしの単機でやってきました。   
上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

下り1691レです。結構長い貨物ですがこれも単機牽引です。キャブとテンダにペンキの落書きが。 組合運動はなやかなりし頃、よく見られたファン泣かせの白ペンキです。     名寄〜中名寄
 
 
 
 
 
 

 
峠に挑む9600重連の上り1690レ。煙が内側に舞い、すっきりした重連写真になりませんでした。   上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

 
この場所ではモノクロも撮っています。早春で風が強く舞っていました。上の写真より前にシャッターを切ったので、ポールは邪魔ですが、煙は上に登っており重連であることがよくわかります。遠くから聞こえる2台の9600のブラストが時折乱れました。    上興部〜一ノ橋
 
 
 
 
 
 

 
「今日は最終が3重連になるよ」と駅員さんが教えてくれました。びっくりして「これは走行を撮らねば」と思いましたが、日が沈むとあたりは急激に暗くなり、結局駅撮りとなってしまいました。しかも停車中でもシャッターは1/8と極めて撮影条件は厳しく煙が流れてしまいました。初めて見る9600形の3重連です。 今ならデジタルで走行撮影が可能ですが、ASA100ではどうにもなりませんでした。 夏なら可能でした。

 
 
 
 

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