オーストリア エルツベルグ線

 

1975年、ラック式鉱石運搬専用の鉄道「エルツベルグ線」が本線のレオ―ベンから分岐して出ていました。日本には碓氷峠のラック式がありましたが、一体蒸気機関車のラック式とはどんなものか非常に関心がありました。途中の機関区のあるフォルデルンベルグまではラック式ではなく、普通に列車は勾配を登っていきますが、次駅のフォルデルンベルグマルクトからは60‰の急勾配となり、俄然列車はラックを頼りに山すそを登っていきます。素晴らしい光景でした。唯一残っていた4気筒のF形タンク機関車にも会う事が出来ました。4気筒の機関車でラック式、しかも後部補機付きの機関車の音ってどんな風に聞こえるか想像できますか?

 
  

朝方、レオ―ベンの駅に到着しました。ホームの一番端に、単行のレールバスが停まっていました。これで乗客列車の終点、フォルデルンベルグマルクトまで行きます。脇に電気機関車牽引のローカル列車が待機していました。なんとオープンデッキに2軸の客車です。最近ここを通ったことがありますが、今はもっと開けて近代的になっていました。   1975年 レオ―ベン駅
 
 
 
 
 
 

 
フォルデルンベルグマルクト駅を通過していよいよ60‰に挑みます。ここでは6×6の大判に中望遠を付けて撮ったあと、標準レンズで接近したところを手持ちでもう1枚撮ることが出来ました。先頭はF型機関車97-301です。ギースル煙突もよく分かります。この形は2両いましたが、1両はすでに廃車になっていました。これはしかも4気筒で、なんとも異様な音を響かせて登ってきました。