真空管アンプについて考えていること、面白かったこと
球アンプにとっての測定とは一体なんなのでしょうか?自分の耳を信じろと測定はしない人もいます。測定結果に一喜一憂し、満足のいかない特性=不満足な音と考える人もいます。「趣味なんですから好きなようにやれば良い」のですが、それでは終わってしまうので自分なりの考えを書いてみようかと、、、
測定は機材の許す限りしたほうが、せっかく作ったアンプの為だと考えます。それは、アンプが正常に、設計通りに動作しているか、という健康診断だと思うからです。「バイアスが狂っていて直ぐにクリップする」、「発振ぎりぎり」なんていうのは可哀想だと思いませんか。測定してみれば比較的簡単に分かることも多いのに、やばい状態を良い音と勘違い、、、、
例えば周波数特性が悪くても回路的にいちおう納得できれば、後は音が納得できるかどうかが重要です。特性だけで音が全て決まるという単純な発想しかできないかどうかが、ポイントだと考えています。現在、測定技術は格段の進歩をしていますが、人間の聴覚との関係においてはまだまだ未完成としか言えません。しかし未完成とはいえ、一部なりとも反映はしているわけで、、、、
VT-62 シングルアンプ、先に周波数特性が不満足と言いましたが、結局はそれでも音を聞いて頂ければ納得のアンプだと、ちょっとだけの自身を持っています。私もそういう意味で大人になったのかもしれません。まあ、特性が良いだけならトランジスタアンプに適うわけありませんから!
せめてアンプの主要箇所の電圧だけでも測ってやって下さい。可愛いアンプのためです。
11月14日(日)に狭山のエイフルでクレデンザによるSPレコードの鑑賞会があり、参加させて頂きました。
私の先入観は大はずれで音量も十分、音域はさすがに現代のステレオとは比較できませんが、音楽を聞くという意味では決して負けていないというのが印象でした。それならSPに移りますか、と言われると、私はやっぱり球のアンプでステレオを聞く方を選びます。きれいな高音とそれなりに響く低音の魅力にまだまだ侵されているからです。まだまだ青いのかもしれません。
鑑賞会でチェロソナタの生演奏があり、素敵な時間を過ごさせて頂きましたが、SPだステレオといって、じたばたしたところで生演奏にはかなわないというのが結論でした。やっぱりね!
2000年2月20日に狭山のエイフルに場所を貸して頂き、3W以下のミニワットアンプでどこまで鳴らせるかという事で自作アンプを持ち寄り、検討会と称して聞き比べを行いました。なんと全部で19台+番外2台ものアンプが集まり、まことに壮観でした。その一部を下に披露します。ここで感じたことはミニワットアンプでも家庭用で使う分にはパワーだけでなく十分な能力を持っているということでした。参加者の皆さんもそのように感じているようです。0.35W ~ 3Wまでのパワーで比較してしまうとやはりパワーの有るに越したことは無いというのは分かるのですが、ただミニワットアンプにはそれなりの良さがあります。リラックスして聞くのが趣旨ですから、レンジを無理に稼がさないほうが良いようです。ミニワットアンプの良さを実感した一日でした。