私とオーディオシステム
現在使用中のシステム、Altec 620B (604-8H)、トーレンスTD-126、
マッチングトランス(UTC A20, WE111C)、真空管アンプについて
Altec
620B (604-8H)をついに導入しました。Tannnoy Stirling TWWで結構満足していたし、もうこのままずっと聞き続けると考えていたのですが、何の気の迷いかこんなに大きなモニタースピーカーを手に入れてしまったのです。最初はウッドワックスでお化粧です。 高音域での音色のスパイスとして、ゴトーユニットのツイーターSG17-SAを0.15μFでつないでいます(最初は0.2μFでつないでいましたが、ちょっと目立ち過ぎなので小さくしました)(2001.11.5)。 ネットワークがどうなっているのか調べてみました(後から考えれば、やらなきゃ〜良かった)。写真の右下に2つのレベル調節が付いているやつです。真ん中に付いている押しボタンでツイーターの周波数特性が通常のものと、受け持ちの周波数を2分割してそれぞれのレベルを調節できるものとに切り替わります。せっかくの機能ですが、殆どの人はシンプルな前者を選んでいるようです。ネットワークの内部とシンプルな場合の回路を次に示しますが、使われている部品はとても高級なモニタースピーカーとは思えないものばかりです。回路にしてもこれで良いのといった印象を受けてしまいます。 |
604-8Hネットワークの内部写真 |
604-8Hネットワーク回路(単純なハイパス) |
このような貧弱?な部品は音造りのためとも考えられますが、コストとのバランスにたって選択されたと考えるのが妥当なところでしょう。この1.5kHzカットのネットワークなら普通に使う空芯のコイルとフィルムコンデンサーを使えば納得の出来るものが自作可能と考えられます(貧弱なオリジナルのほうが良いという可能性もありますが?)。まずは38cmウーファーをそんなに無理せず900Hzでカットして、手持ちのゴトーユニット(スコーカー+ツイーター)をその上の周波数で使うように
ネットワークを組んでみることにしました。スコーカーは900Hz〜7kHz、ツイーターは7kHz〜といった配分です。将来はチャンネルデバイダーを作って、マルチアンプシステムを構築し、このネットワークと較べてみたいと考えています。 |
自作3ウエイネットワークの写真と回路 |
1月末に彩球オーディオクラブの新年会があり、松並さんと参加してきました。その際にクラブ代表の樫村さん宅に伺い、持参したネットワーク、スコーカー、ツウィーターを(ウーハーには樫村さんのAltec604-8Gを使用)聞いて貰い、音決めの方法を伝授して頂いてきました。ジャズを鳴らすならこれっきゃないと、スコーカーをAltecに替えられてしまいました。その後は、これに合わせてネットワークのいろいろな部分の値を付けたり外したりして、音決めをしていきます。これこそは経験のなせるわざですね。しかし見ていてかなりいい加減、でも大体で良いんだという言葉が納得できるだけのノウハウをお持ちです。振り返ってみると、アンプを作るにあたり自分でも抵抗やコンデンサーの値は結構いい加減に変えていることを考えると、ポイントを押さえることが大事という点で同じなんだと思いつきました。 この組み合わせ、この設定でたしかにジャズを聴くには最高だと納得はいきましたが。それでは帰ってどうするとなったとき、ちょっとだけなら貸してあげるとの声、渡りに舟とはこのこと、、、持ち主の皆様、ありがとうございます。 インダクタンスはフォステックスのものを使っていますが、これの良いところはニスで固めてあるだけなので適当にほどいたり、タップを出したり出来ることです。一方、トリテックのものが高価にも拘わらず使う方が多いですが、改造はできません。さらに使っている線径は同じなので、あとからエポキシなりニスで固めれば同じだろうと考えました。もともと2.8mHのものを改造して2.0, 2.2, 2.4mHに、1.8mHを1.4, 1.6, 1.8mHのタップ付きにしてあります(注:タップ位置はLCRメーターで測って決定しました)。これで音を聞きながら若干の調節ができるというわけです。 |
改造後のネットワーク |
スコーカーがAltec 811B+802に替わっています。 |
先日トーレンスのレコードプレーヤーTD126
Mk.3(アームはSME 3009)をオークションで手に入れました。ガラード301,401がリムドライブの代表とすればトーレンスはベルトドライブを代表するレコードプレーヤーです。測定値ではダイレクトドライブが良いわけですが、音ではベルトドライブが高い評価を受けています。この辺りはトランジスタアンプと球アンプの関係と大いに似ていますね。 程度はあまり良くないとの話ですが、その代わりかなりお安くなっていました。リストアするつもりで整備すれば良いかとの判断をして購入を決めました。こちらの都合で2週間後の日曜に横浜から前橋まで車を飛ばして頂きに行ったわけですが、取引はそっちのけでオーディオの話で夕方までお邪魔してしまいました。 |
購入したときのTD-126 III |
家へ戻ってから改めてチェックしてみると、手を入れなければならない部分はかなり多かったものの、整備可能との確信を持ちました。整備しなければならないのは以下のようで多岐にわたります。 (1)アームベースの余分な穴を埋めるのと塗装 (2)アーム引き出し線とシールド線のはんだ付けやり直し (3)亜鉛ダイキャスト部分の研磨(ターンテーブル)、再塗装(本体) (4)本体木部下のスカートと足が無いので取り付け |
|
アーム周りのはんだ付けやり直し |
ターンテーブルは金属磨きで磨いたらピカピカになり、まずはほっとしました。それから本体ダイキャ スト部分の再塗装ですが、これが古い塗膜を落とすのが結構大変でした。紙ヤスリで荒いのから細かい のへと替えて、ダイキャストの表面が出るまで研磨しました。その後、下塗り、中塗り、クリア塗装と 行い、新品同様となりました。ただ、色はパールのクリーム色としたので、重厚さには欠けますが、 TD-124に似た色合いとなりました。受け取った時点ではスカートが無く、左下の写真で分かるように 制御基板が前から見えてしまうだけでなく、置いたときにはトランスが床に触れる状態でしたので右下 のように10mm厚の木で高さ16mmの枠を作り、艶消しの黒に塗ったものを底の部分に取り付け、 さらにクッションの足(丸いディスク)をネジで固定しました。 |
|
|
木部はタンノイに付いてきたウッドオイルでなんべんも磨いたら、テカリもでてきて傷も分かり難く なりました。下の写真は整備が完了し、全体を組み立て直した状態です。この写真ではあまり分かり ませんが、とても綺麗になりました。 カートリッジはデンオンDL103Rを使用しています。 |
(2001/2/2) 整備したTD-126 III |
プリアンプとメインアンプの間にマッチングトランスを入れて信号を平衡ー非平衡変換すると、音がアナログ風に(帯域が狭いという意味ではなくて)なるとの御神託を頂いて、使っているプリが600Ωの平衡出力を出せるので、さっそくやってみることにしました。 トランスには帯域の広いものの代表としてUTC(TRW)のA20を、どちらかというと帯域が狭いものの代表としてWE111Cを使うことにしました。後者はCDプレーヤーとメインアンプの間に入れて使っている方が多い、パーマロイコアのトランスです。 両方とも入力にはITT−CANONコネクター、出力にはRCAピンジャックを使いました。A20を使ったものは非常に小型に作ることができましたが、111Cを使ったものは大げさすぎるような気がします。もう少しまとまった形にできると良いのですが。 |
UTC A20マッチングトランスとその周波数特性
WE111Cマッチングトランスとその周波数特性
A20の周波数特性は600Ωの負荷抵抗を付けた状態で80kHzまで殆どフラットでした。さすがに広帯域のトランスです。プリアンプとメインアンプの間に入れても音は殆ど変わりません。 111Cも当初は600Ωの負荷抵抗を付けたのですが、音が大甘になってしまいます。これでは入れる意味がありません。いろいろな方からアドバイスを頂き、負荷抵抗の値を大きくすることにしました。 抵抗を変えたときの周波数特性の変化を示します。3.3kΩ〜6.8kΩだと素直にまあまあの周波数まで延びることが分かります。この結果と音を出してみた結果から6.8kΩを二次側に繋いで使うことにしました。。 |