「Takumar」一族における中望遠レンズの歴史

 ここでは、望遠レンズの中でも、焦点距離「105mm」以下の「中望遠レンズ」の発達の軌跡について概要を述べようと思います。

Takumar 1:3.5 f=100mm

 3群3枚構成トリプレット型です。 

 1952年発売のM37マウント長焦点レンズです。プリセット絞りです。旭光学工業最初の交換レンズです。

 1957年「ASAHI PENTAX」のために、同一名称でM42マウント化されました。

Takumar 1:1.9 f=83mm

 4群7枚構成ゾナー型です。

 1953年「ASHIFLEX TA」の時代に発売のM37マウント高速中望遠です。プリセット絞りです。

 1957年「ASAHI PENTAX」のために、同一名称でM42マウント化されました。

Takumar 1:2/100

「レンズ構成図不明」

 5群5枚構成です。詳細不明な品です。クセノター型だったのかもしれません。

 1958年「ASAHI PENTAX K」 の時代に極少数発売されました。プリセット絞りです。

Takumar 1:2.8 f=105mm

 4群4枚構成エルノスター型です。

 1958年「ASAHI PENTAX K」 の時代に発売されました。プリセット絞りです。

 1961年鏡胴意匠を小変更しています。

Auto-Takumar 1:2.8 f=105mm

 レンズ構成は「Takumar 1:2.8 f=105mm」と同一です。

 4群4枚構成エルノスター型です。

 1959年「ASAHI PENTAX S2」 の時代に発売されました。半自動絞りです。

Auto-Takumar 1:1.8/85

 4群5枚構成エルノスター型です。

 1960年「ASAHI PENTAX S2」 の時代に発売されました。半自動絞りです。

Super-Takumar 1:2.8/105

 4群5枚構成エルノスター型です。

 1963年「ASAHI PENTAX SV」の時代に発売されました。完全自動絞りです。

Quartz-Takumar 1:3.5/85

 「レンズ構成図不明」

 4群4枚構成です。

  1963年「ASAHI PENTAX SV」の時代に発売されました。紫外線撮影用石英製レンズです。

Super-Takumar 1:1.9/85

 4群5枚構成エルノスター型です。

 1964年「ASAHI PENTAX SP」の時代に発売されました。完全自動絞りです。

 「Auto-Takumar 1:1.8/85」とほとんど同一のレンズ構成のようですが、開放F値を大きくしています。鏡胴を完全絞りに変える際に、公表値を見直したのかもしれません。

Bellows-Takumar 1:4/100

 3群5枚構成ヘリヤー型です。

 1964年「ASAHI PENTAX SP」の時代に発売されました。ベローズと併用します。プリセット絞りです。8枚羽根ですが、中間絞りが 八稜星型になる癖玉です。

Ultra-Achromatic-Takumar 1:4.5/85

 5群5枚構成変形エルノスター型です。

 1968年「ASAHI PENTAX SP」の時代に発売されました。蛍石レンズを使用しています。紫外線撮影の外、一般撮影、赤外線撮影にも使えます。

 エルノスター型の前に凹レンズを1枚配置した珍しいレンズ構成です。 この凹レンズは、バックフォーカスを延長する効果があったのでしょう。エルノスター前側凸2枚がメニスカスになっていないので、それを相殺する効果もあったのでしょう。蛍石レンズの採用など、古典的レンズ構成からの脱却を模索していた時期 でもあったのでしょう。 同時期に「Ultra-Achromatic-Takumar 1:5.6/300」も発売しています。

Super-Multi-Corted-MACRO TAKUMAR 1:4/100

レンズ構成は「Bellows-Takumar 1:4/100」と同一です。

 1971年に発売されたマクロレンズです。 絞込測光鏡胴、プリセット絞りです。

Super-Multi-Corted TAKUMAR 1:1.9/85

レンズ構成は「Super-Takumar 1:1.9/85」と同一です。

 1971年開放測光鏡胴に変更し、レンズコーティングを7層にしています。

Super-Multi-Corted TAKUMAR 1:2.8/105

レンズ構成は「Super-Takumar 1:2.8/105」と同一です。

 1971年開放測光鏡胴に変更し、レンズコーティングを7層にしています。

Super-Multi-Corted-Bellows TAKUMAR 1:4/100

レンズ構成は「Bellows-Takumar 1:4/100」と同一です。

 1971年開放測光鏡胴に変更し、レンズコーティングを7層にしています。

Super-Multi-Corted TAKUMAR 1:1.8/85

 6群6枚構成変形ダブルガウス型です。

 1972年 「ASAHI PENTAX ES」の時代に発売されました。開放測光鏡胴、自動絞りです。

 中望遠にダブルガウス型を用いた魁的な存在です。明るさと像平面性を追求した設計なのでしょう。