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オートキャンプ場は設備は整っていても外です。更に良い環境のキャンプ場は山や海、湖といった場所が多く、どうしても雨や風、そして標高の高いところではキャンプシーズンであっても寒い場合もあります。
そういった自然環境の中で布1枚のテントやタープ内で過ごすのですから、それから身を守るためにどのような対策があるのか?を考察してみます。
特にファミリーキャンプでは小さな子供がいることが多いと思いますので、危険回避や風雨に対する対策には気をつけたいところですね。

雨風台風に限らずですが、川の中州や崖下への設営などはもってのほかですよ。
子供と場内探検をして、危険な場所を確認し、子供にも注意するような対処も必要ですね。

このページでは、
を記載しています。
風対策
風が弱い場合でもそうですが、風の方向を考えて設営することが大切です。テントの入口を風上に向けた場合、入口からゴミが入りますし、そこから風が入り込むことで、パラシュートのようにはらんで飛ばされることもありますので。

風の強い場合には他にポールの破損を防ぐために高さを低くなどの対策や、倒壊防止のために張り綱を多くすること、そしてペグの抜け防止の対策などが必要になります。
それ以外にも、寒さにも関係しますが、身体に直接風が当らないような対策も必要になります。
順番に記載していきます。これらはどれかひとつを実施するのではなく、合わせて実施する必要があるでしょう。一箇所のみ強化した場合、それ以外の部分に負荷がかかりますので。

ただ、あまり風が強い場合には、どれも有効とはいえません。思い切ってタープを撤収してしまうなどの決断も必要です。風が強い場合にはそれが一番安全なので。

【ポール】
ポールの対策としては、屋根の高さを低くし、風が取り抜け易くすることと、ポールはジョイント部分が壊れ易いことから、一番負荷のかかる真中部分に繋ぎ目が来ないようにするという理由があります。
風の影響を少なくするためには、勾配を緩やかにすることと、風上から風下に流線型を取らせるなどがあります。勾配はポールの長さを短くすることで緩やかになります。
真中に繋ぎ目(ジョイント)部分が来ないようにするには、ポールを奇数の組み合わせにすることが考えられます。これにより高さも抑え、ジョイント部分を真中からずらすといった対策が可能です。
割り箸などを折る際にも、真中から折れますので、そこに繋ぎ目があると弱いといった理屈です。
例えば私の持っているポールは280pなのですが、これは70pのポールを4本つなぎ合わせたものです。その一本を抜き210pの長さにします。
当然ポールの太さは太い方が丈夫なので、付属ポールが細い場合には、太いポールと交換しておくことや予備ポールとして太いポールを持っていることで安心感が増します。
 
【張り綱(ロープ)】
張り綱の対策としては、強度を上げることが主です。まずは本数を増やし強度を上げることが一番ではないでしょうか。
一本で抑えるよりも数本で抑えた方が力が分散されますので、ペグ抜けなどを防止することが可能です。ただ、張り綱の強度を上げることは、その分幕体やポールに負荷をかけることになりますので、上記のポールを低くするなどの対処を合わせて実施し、風の通りを良くするなどで負荷軽減を合わせて実施することが重要です。
タープを張る時には、ポールに幕体のグロメット部分を通し、その上から張り綱をかけることが幕体の外れるのを防止するためには必要ですが、風の強い日などは煽られ外れる場合があります。この防止には通称豚鼻と呼ばれる小川キャンパルのポールアンカーやロゴスのポールエンドロックを使用する方法があります。これらは雨対策でも使用しますので、ひとつ持っていると便利です。
それでも外れる場合があります。その際の有効な手段として、ポールに一巻するという方法があります。これはガルヴィに掲載されていた方法で、通常ポールからそのままペグダウンする張り綱をポールに一巻してからペグダウンするというものです。ちょっと文書だと判りづらいですよね。
この方法で幕体がポールから外れることに対しかなり強化されます。
その他では張り綱を太いものにすることや、自在金具の材質と張り綱の材質などで張り綱の緩みや強度を上げることも重要です。この辺りは予備の張り綱などで準備をしておき、必要に応じ交換すると良いでしょう。私は張り綱の本数を強化する時に追加分を違う材質のものにしていたりします。
もうひとつが張り綱のテンション(引っ張り強度)を和らげる手法です。これにはロゴスのガイラインアダプターとか、小川キャンパルのショックコードフックといったもので、フックに強力なゴム製の輪がついたものです。ゴムの部分がテンションを和らげてくれます。
【ペグ抜け】
ペグ抜け防止は非常に重要です。風の力はすごく強く、タープ倒壊だけではなく、抜けたペグがかなりのスピードで飛んでいきます。それが子供の頭に当ったら一大事です。それ以外でもテントに穴を開けたり、車に傷をつけるなども考えられますので慎重な対策が必要になります。
まず初めに打ち込む角度です。これはキャンプの本やタープの説明書などにも書かれていますが、張り綱に対し60度〜90度の角度で打ち込みます。
次が地面の固さや状態によりペグ形状や長さのものを使用することでしょう。
長さは重要でタープでは30p以上(40p以上が推奨)のものを使用するようにしたいですね。柔らかな地面であれば、V字やT字の方が抜けにくいです。
更に強化する場合には、本数を多くするのも有効です。十字型にペグを打ち込むとか、2本打ってそこに張り綱をかけるとか。
地面が弱い場合には、ペグの上に大きな石を乗せることや、ビニール袋などを二重にし、そこに土や石を入れてペグの代用とする、または立ち木や柵、車のタイヤやルーフレールに張り綱を結ぶことも有効です。
【その他】
その他がそれ程あるわけではありません。風は体感温度を下げますので、その風が直接身体に当らないようにする工夫も必要です。
前に記述したポールの高さを低くするこで、全体が低くなるため、開放感はなくなりますが風の影響も少なくなります。またレクタタープなどでは、風上側からの風の進入を防ぐ目的で、サブポールを外し、直接ペグダウンする方法や、別売りのエクステンション・シートを付けることも効果的でしょう。
別段高い費用をかけて純正品である必要はありません。DYIショップで売っているブルーシートや透明なビニールシートなどを使用することでも対処は可能です。

これらはあくまでも追加の処置です。これで完璧という訳ではありません。
ここに記載した対策を取ったのに、ペグが抜けて怪我をさせてしまったとしても、私が責任を持つわけではありませんので、自己責任にて対処をお願いします。
危険を避けるためには、撤収なども考える勇気ある決断も必要です。
雨対策
キャンプに行ったのに雨ってのは憂鬱ではありますが、雨対策しておくことで出来るだけ快適に過ごすことは可能です。
雨の吹き込み防止やペグ抜け防止などは、風対策と共通なので、合わせてそちらもご参照ください。
ここでは雨対策として、雨水をいかに逃がすかを主に更に追加すべきことを記載します。

雨対策としては、風対策に加えサイト内地面の水溜りによる浸水や泥濘による軟弱化によるペグ抜けの心配、およびタープなどへの水溜まりによる倒壊などがあります。
それに加え快適な雨の日サイトに関しても触れたいと思います。
【浸水対策】
水捌けの悪いサイトでは、雨が降ると水溜りができ、それがテント内の浸水に繋がります。この予防には、まず窪地などにテントを張らないなどの設営段階から対策は始まります。他の場所より低くなっているところや、川の側などは注意が必要です。水溜りの跡や増水時の跡等があれば、そこは避けるようにしましょう。また跡がない場合には管理人さんに聞くと言う方法もあります。
また、雨が降る危険が高い場合には、グランドシートは余計に水の浸入を促進する場合もありますので、テントのボトム下にはみ出さないように敷くか、思い切って敷かないといったことも必要です。
雨が溜まってしまった場合ですが、溜まっていない場所にテントを移動するか、溜まった雨水を他に逃がす方法が考えられます。ようはスコップで雨の逃げ道を作ってあげる訳です。例えば、テントの廻りにお城のお堀のように水を掘り、その溝に溜まった雨水をより低地に導くための堀を掘ってあげることです。
 
【地面の緩みによるペグ抜け対策】
ペグ抜け対策法は、風対策と同様ですが、雨の日の注意点として張り綱を通りペグまで垂れてくる水の影響があります。直接ペグのところに水が来ますので、その分ペグが抜け易くなってしまいます。
これを防ぐには張り綱の途中に水の通り道をつけることです。例えば、張り綱の途中に別のロープを結び付けペグダウンすることで、張り綱を伝わってきた水はそちらに落ちます。

 
【タープへの水溜り防止】
不思議なことに勾配がついているタープにも水は溜まります。これは水の重さでタープがたわみ、そこに水が溜まることでなお沈み込み更に溜まるといった形で放って置くとタープ倒壊に繋がります。
これを防ぐ方法は、水の通り道を作ってやることです。勾配を急な角度にすることもそのひとつですが、これは風の強い場合には難しいです。そこでタープの一箇所を低くすることが考えられます。余っているグロメットに引き綱を付け、そこをペグダウンすることで、家の屋根の雨どい的な働きをします。それと平行して、片方のポールの高さを変えることも雨の逃げ道を作ることになります。
また、予備ポールに幕体保護のために豚鼻を付け、一箇所を持ち上げ高くします。これで引き綱で低くしたところに高くしたところから水の通り道ができ、溜まることなく流れるようになります。
 
【快適なサイトにするための工夫】
雨が降っていても、テントとリビング、そして車への移動がスムーズなことが重要になります。それには動線を妨げないように張り綱を張ることやキャンプ道具の置き場所なども絡みます。その上でテントをタープの下に入れ込むことやSTの場合には、テントと連結させるなどの工夫が必要でしょう。
これだけの工夫で雨のキャンプを快適に過ごせます。
更に傘は忘れないように車に常備しておくことや、雨中での作業時に両手を使えるようにし、更に雨中でも遊べるレインウェア(合羽)なども準備しておくと良いでしょう。小雨程度であれば、撥水性を備えたアウターなどでもトイレや炊事場などへの移動程度であれば問題なくこなせます。
このように工夫次第で雨天キャンプも快適に過ごすことが出来ます。これ以外にも炊事場への移動を減らすための水タンクの使用や雨天時の遊び道具(トランプやお絵描き道具、クラフトなどなど)を準備しておくのも良いでしょう。
台風が来たら?
これはもう対策などで済むレベルではありません。
勇気ある決断でキャンセルするのが一番の方法です。キャンセル時には必ずキャンプ場に連絡を入れ、決して無断キャンセルはしないように注意しましょう。
知らずに行ってしまい、台風が強くなることも考えられます。この場合にも撤収して帰宅するというのが妥当でしょう。問題は帰り道が崖崩れなどで塞がった場合です。
この場合はキャンプ場に留まることを余儀なくされますが、過去にはキャンプ場内でテントで寝ているところに巨木が倒れ亡くなった方がいることもあり、管理人さんと相談して対処する必要があるでしょう。
空いているコテージやバンガローなどの宿泊施設があればそこに移るのも手ですし、一時的であれば車中に避難するということも考えられます。

寒い時の寝床の対策
晩秋や初春などは寒くて眠れないこともあります。寝不足では楽しいキャンプはできませんので、事前に気温や標高などを調べ、その準備をしていくことが重要です。
最近ではキャンプ場の場所のピンポイント天気予報などもありますので、前日の気温なども参考になると思います。この辺りの情報は、リンク集にリンク先があります。
まずは事前準備が重要ってことです。

それでは実際に暖かな寝床を作るには?って部分ですが、電源付のサイトであれば、ちょっと軟弱との意見もありますが、ホットカーペットや電気ストーブを持ち込むのも手です。寒さに震えるより、キャンプを楽しめないよりは私は良いと思っています。

電源がない場合は地面の冷気をどうやって遮断するかにかかっています。
地面からの冷気は想像を越え、非常に厳しいです。
冷気遮断には、その間にどれだけ空気層を作れるか?また、その空気層が暖まり冷めないようにすることが重要です。
快適な寝床を作るエアマットもありますが、これは一見厚い空気層があり良さそうに見えますが、中で空気の対流が発生し、暖まった空気が冷えてしまう現象が発生しお勧めできません。エアマットでも、インフレータブルマットのように、ウレタンなどが入り空気の対流が発生しないものがお勧めです。

空気層が小分けされ、対流が起きないダンボールや緩衝材の使用するプチプチも効果絶大です。プチプチの正式名称は知りませんが、クッキーなどにも入っている子供の頃に1個1個潰して『プチッ』っていう遊びに使うあれです。

これをインナーマットの下に敷くことで、冷気を遮断してくれます。

また銀マットもアルミを蒸着した面が冷気を遮断しますので、その面を下にして使用すると良いようです。

経験的にはダンボールが冷気も遮断し、結露などの水分も吸収してくれるので優れものだとは思っています。

あとは対応温度のあったシュラフを使うってことです。
ここで難しいのが、対応温度って奴です。ここまでは何とか使用可能って温度が通常書かれており、とてもその最低温度で快適に眠れるものではありません。
快眠温度などが記載されたものがありますので、それを参考にすると良いと思います。
我が家ではスノーピークのオフトン#6を使用しておりますが、その使用可能温度は3℃以上ですけどとてもその温度では眠れません。快眠できるのは10℃近くからではないでしょうか?その場合の対処としては、中にフリース地の毛布や他の3シーズンシュラフを重ねて使用しています。3月の西湖でマイナス数℃の気温で、モンベルのスーパーストレッチダウン#3の0℃〜と15℃〜のコールマン製シュラフの2枚重ねで快適に眠れるって感じです。

では、我が家の寒い時の寝床ですが、電源付と電源なしで以下のようになります。
寒い時期ってのは、11月の800m以上の標高のキャンプ場や12月〜3月のキャンプ場ってところです。マイナス数℃のレベル。
【電源付】
グランドシート(+テントボトム)+インナーマット+ホットカーペット+サーマレストのパーソナルマット+オフトンの上に3シーズンシュラフをセパレートにしてかけて寝ています。
【電源なし】
グランドシート(+テントボトム)+銀マット+インナーマット+サーマレストのパーソナルマット+3シーズンシュラフの中にオフトンを入れ込み、シュラフinシュラフで寝ています。嫁などは更にフリースの毛布をシュラフ内に入れていますが。
寒い時のリビングでの対策
これはもう服を着るしかないですね。それが一番です。
それ以外としては、焚火をする、ストーブを使うなどの方策と、寒さの元のひとつである風を避ける方法として、スクリーンタープをフルクローズで使用することでしょう。

着る服はアウターとして、風を通さない素材を着用することと、空気層をいかに作るかにかかっています。また、動くと体温変化がありますので、1枚が厚いものよりも、複数枚を重ね着するレイヤリングとして、厚い時には脱ぐなどの温度調節ができる方が良いでしょう。
注意点としては、中に防風のものを着ないことです。せっかく溜め込んだ暖かな空気がそこで遮断され、身体に伝わらなくなります。

ダウン+フリース+シャツ+新素材(速乾+発熱)のインナーって感じじゃないでしょうか。保温性はやはりダウンが一番だと思いますよ。
また上だけではダメです。体の冷えは足元から来ますので、ズボンにもアウターが必要でしょう。更にソックスや靴も保温を考慮したものが必要です。

さらに、ホッカイロなどを使用するのも良いでしょう。靴の中に入れるものなどもありますので。

あとは焚火の周りでヌクヌクとって感じですね。

じゃ〜焚火禁止の場合ですが、スクリーンタープ(ST)が効果大です。
この中でストーブを点けることで、ST内は結構暖かくなります。
気温がかなり低い時期や風がある場合には、薪ストーブや石油ストーブじゃないとST内も暖まりません。野外用のカセットガスのストーブでは限界があります。
その場合にはテーブルにテーブルクロスを掛け、その中にカセットガスを入れることで、コタツのようになります。ST内全体は無理でも、テーブルの下くらいの広さであれば暖めることができますので、これは結構暖かいですよ。七輪に入れた炭でもOKです。

但し、STやテーブルクロスは燃えやすい素材であったりしますので、火が燃え移ることや足で蹴倒すこと、それと締め切ったST内では一酸化炭素中毒も怖いので、
引火に注意すると共に、定期的な換気にもご注意ください。
ストーブじゃなくとも、ランタンなども
閉めきったST内では一酸化炭素中毒の恐れは非常に高いので、これだけはご注意ください。

野外では暖かく過ごすのは難しいですが、工夫次第で少しでも快適にはなりますので。
直線上に配置
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