オマーン・ニュースNO.2
11月18日に、第29回建国記念日祝賀式典が今年は内陸のイブリ市で国王臨席の下で行われた。当日の祝典への大勢の参列者を前にしての国王の演説の骨子は以下の通り。
なお、この演説は国内外の注目を集めているものであり、国内はもちろん、サウジアラビア・エジプト・ヨルダンやカタ−ル・バハレ−ンなどの周辺諸国でもTVで生中継された。
国王、第29回建国記念日祝典で経済の多様化を強調
国王は、「国家の経済成長にとって経済の多様化と民営化が肝要である」と強調した。また、「経済目標を達成するためには、人的資源と豊富な鉱物の開発が重要である」とも力説した。
また、国王は「慎重な財政・経済政策の重要性」も強調した。「民営化促進と観光開発のための効果的な戦略を求め、グロ−バリゼイションの逆効果への取り組みの必要性」に言及した。
「石油への依存を戒めながら、そのための4つの方策を示した。経済の多様化、人的技能の開発、利用し得る天然資源の利用と民間部門の国民経済における役割増大のための施策創出である」
過去2年間の経済悪化に関して、国王は「昨今の石油価格の改善にもかかわらず、引き続いての慎重な財政及び経済運営」を是とした。
これに関連して、「支出の切り詰め、貯蓄の奨励と不必要な消費カットの重要性」を挙げ、個人も国家経済への貢献が奨励さるべき」と付け加えた。
国王は、「また経済の多様化を目指す大規模プロジェクト、すなわちLNG、サラーラ・コンテ−ナ−とソハ−ル港プロジェクト」についても触れた。
国王は、「これらプロジェクトは5ヵ年計画の所産である」とし、5ヵ年計画の他の特長として「人的資源の開発、職業訓練と一般及び高等教育と技術教育」を挙げた。また、「オマーン人化、雇用創出とヘルスケアでの目覚しい改善」をも指摘した。
国王は、「民営化が優先するが、安定した財政と予算も第6次5ヵ年計画の目的である」と強調した。
グロバリゼイションに目を向けさせながら、国王は「政府も個人もWTOへの加入に伴う挑戦に十分備えるよう促した。これらは、国の能力強化、競争力と生産性向上、各機関の効率アップ、知識・技術・研究の促進、民間部門の成長に資する雰囲気作り等によって克服出きる」と説明した。
国王は、また「オマーン特有の自然と歴史によって、魅力的な経済部門であり雇用を創出する観光」についても触れた。「これが地域開発目標にも資する」点も指摘した。
国王は、「オマーン経済が湾岸、アラブと地域ブロック、さらには国際社会とリンクしていること」を歓迎した。
国王は、また「湾岸諸国との間ではあらゆる分野で協調と協力の促進が進んでいる」こと称賛した。
国際問題については、国王は「包括的で正当な中東和平の重要性を再確認し、パレスチナ人の独立国家樹立への願いやゴラン、南レバノンや他のアラブ・イスラムや国際的な主張の支持」を誓った。
国王は「国際社会が世界中で起っている紛争の解決策を見出し、国家間の安全保障、安定、調和と協力を進めるために懸命に働く」よう促した。
国王はまた、「軍隊と警察がルネッサンスの成果を守りつづけるのに果たしている役割に対しての誇りと感謝」を述べた。
演説を締めくくるに当たって、国王は、「来年の第30回目建国記念祝典の地としてマスカット」を指名した。