県史跡・ 稲荷前古墳群(イナリマエコフン)[横浜市青葉区大場町156-10] 
東急田園都市線「市ヶ尾駅」から市営・東急バス
「水道局青葉営業所前」下車徒歩3分
この丘陵上には、かつて前方後円墳・前方後方墳・円墳・方墳の計10基の古墳と、3つの横穴群が所在していました。これらは4世紀から7世紀にかけての古墳時代に継続的に造られていったものです。4世紀から5世紀頃に、ここ谷本川流域を中心とする都筑の地は、一首長によって統合されていきます。そして、大和政権とも、一定の政治的文化的関係をもつようになります。この古代の横浜の地が、国の一部として機能し始めたときです。前方後円墳の1号墳・6号墳と、前方後方墳の16号墳の3基は、この地域の歴代首長の墓です。それ以外は、その一族あるいは子孫の墓と考えられます。ここに造営された各種の古墳は、古代の文化や政治の移り変わりを知る手がかりとなる貴重な文化遺産です。現在これらの古墳群のうち、15号墳・16号墳・17号墳の3基が丘陵上に保存されています。特に16号墳は、全国的にも数少ない形を示す前方後方墳で、神奈川県下で最初に発見されたものです。その文化的価値は高く、この丘陵全体が神奈川県の指定史跡となりました。
平成4年(2001)3月 横浜市教育委員会