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インフォーメーション・サービス73:

2005年度対策 経済史・経済事情 連載 第5回

X 雇用情勢

1 雇用の状況 

(1) 99年1月を底とする景気拡大過程のなかで、2000年度は雇用が増加し、4四半期連続で雇用者数はプラスの伸び率であった。建設業、製造業は依然として減少する中で、サービス業の雇用が大幅に増加したのが主な要因である。

(2) 2001年も雇用者数は、5369万人と13万人増え、2年連続の増加となったが、景気後退を反映して、年後半は62万人の減少となった。2002年も、雇用者数は、5,331万人と38万人減少した。

(3) 2003年の雇用者数は、5,335万人であり、微増であった。前半に弱含みとなったが、2004年に入り増加傾向にある。業種別に見ると、2002年初めから雇用が増加しているのは、医療、福祉、教育などのサービス業だけである。製造業が最も減少し、建設業の雇用も減少し、卸・小売りと飲食など第三次産業でも雇用が減少している。

 雇用形態別には、パートタイム労働者が一貫して増加し、一般労働者の雇用が同程度減少している。

(4)自営業者を含めた就業者数は、2002年に6,330万人で82万人減少し、2003年も6,316万人で14万人減少し、6年連続の減少となった。この6年間、雇用者が増加した年もあったが、それを上回って自営業主とその家族従業者の減少が生じたためである。

2 パートタイム労働者比率の増加

  パートタイム労働者比率は、上昇しており、92年に13.8%であったが、2001年には21.0%に上昇している。

上昇の理由

(1) 一般の労働者に比べ、人件費が半分程度である。

(2) 特定時間の労働投入が可能であることである。

(3) 景気変動に応じた労働投入の調整が可能であることである。

3 現金給与総額の変化

(1) 98年に戦後初めて現金給与総額が減少した。これは、所定外給与(残業手当)や特別給与(ボーナス)が大幅に減少したためである。そして、パートタイム労働者の増加も平均給与の低下に寄与している。

(2) 99年も現金給与総額は、2年連続下落したが、残業の増加により所定外給与が増加に転じた。

(3) 2000年の現金給与総額は、所定外給与がさらに増加したことや所定内給与も増加に転じ、3年ぶりに増加に転じた。

(4) 2001年の現金給与総額は、2000年11月からの景気後退により、前年比1.1%減少した。所定外給与と特別給与の減少が大きかった。

(5) 2002年の現金給与総額は、34万3,688円と前年比2.3%減少し、最大の落ち込みであった。デフレの下で、コスト削減のため、賃金低下に歯止めがかかっていないことを示している。所定内給与が1.2%減、特別給与が7.2%減と、いずれも最大の落ち込みであった。

(6)2003年の現金給与総額は、前年比0.1%減であった。2002年以降の景気回復にもかかわらず、賃金が上昇しない要因は、第一に、リストラの動きは減少したが、企業は人件費の増加には依然慎重になっていることである。第二に、給与が低いパートタイム労働者の割合が上昇していることである。

4 完全失業率の増加

 完全失業率は、91年以降長期的に上昇傾向にあり、特に98年以降は急上昇しており、2002年は5.4%であった。完全失業者数も、2002年は359万人であった。自発的失業者も多かったが、リストラによる非自発的失業者がそれ以上に増加していた。

 しかし、2003年初めから完全失業率は低下し、失業率は最高の5.5%から2004年9月の4.6%まで低下している。

(1) 2003年からの完全失業率低下の要因

 雇用の伸びが低い中で、完全失業率が低下傾向にある要因としては、次の要因が挙げられる。

@ 企業のリストラがピークを過ぎ、新たな失業者が減少している。

A 非労働者である主婦等が、就職しようとして、非労状態から失業者へ移行する人数が減少している

(2) 高水準の長期失業者

 失業期間1年以上の長期失業者は、91年2月に24万人であったが、2003年4〜6月期には127万人へと増加した。2004年第1四半期は、112万人へと低下したが、依然高水準である。

 年齢別では、25〜34歳の若年層の長期失業者が最も多い(若年層は、完全失業率も高水準である)。長期失業者が2003年半ばから低下している中で、若年層の長期失業者は増加傾向にある。 この要因としては、第一に、企業の即戦力指向により、若年層の採用を減少させる傾向にあることである。第二に、若年層の求職姿勢であるが、適職が見つけられないというミスマッチの側面が強い。これは、構造的失業であり、欠員率と失業率が一致した状況で、需要不足のない失業である。また、親と同居する若年者が多いため、求職の誘因(インセンティブ)が低いことも一要因である。


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