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インフォーメーション・サービス56
2003年上半期 世界経済10大トピック

2003年上半期の世界経済のトピックで、特に重要なものを10件ピックアップしました。これは、週間トピックからの抜粋です。


(1) アメリカ失業率、昨年5.8%(2003/1/10) ***

 アメリカ労働省の昨年12月の雇用統計によると、アメリカの失業率は、前月と変わらず6.0%と高水準であった。景気を敏感に反映するとされる非農業部門の就業者数も、前月比10万1千人減と大幅なマイナスとなった。また、2002年年間の平均失業率は、5.8%で前年比1.0%上昇となり、8年ぶりの高水準となった。景気の先行き懸念が消えない中、アメリカ企業が雇用調整の動きを強めていることが分かる。


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(2) アメリカへの資金流入減少止まらず(2003/1/12) **

 海外からアメリカへの資金流入の減少が止まらない。ヨーロッパを中心に、対米リスクを嫌い自国に資金を留める傾向が強く、世界の対米直接投資は、2002年に前年比3分の1以下に落ち込んだと見られる(2000年は3000億ドル強、2001年は590億ドル)。証券投資も、昨年は2001年を下回ったようである。

 ここにきて、イラク情勢が緊迫化して、当事国のアメリカへの投資に対するリスクが増加し、対米投資に動きにくい状況となっている。


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(3)EU、独仏に財政赤字是正勧告(2003/1/20) ***

 欧州連合(EU)財務省理事会は、ユーロの安定を確保するための財政基準を、ドイツが破りフランスが破りつつあるとして、フランスを除く14ヶ国の賛成で、両国に是正勧告を行った。勧告は、昨年のポルトガルに続くものである。財政基準は、参加国の財政赤字が、GDP比で3%を超えた場合、財務省理事会が是正策を指示し、是正策に従わない場合は、GDP比で最大0.5%の罰金を科す内容である。

 ドイツは、昨年の財政赤字が同比で3.7%を記録し、シュレーダー政権は勧告を受け入れる方針を示し、既に増税と超緊縮財政を打ち出した。また、フランスは、昨年の財政赤字が同比2.8%であった。財務省理事会は、今年から年0.5%の赤字削減をフランスに示した。しかし、同国のシラク政権は、大型減税を約束する一方で、国防費増額も打ち出しており、財政基準適用には反発している。

 財政基準が、財政発動を含め、独自の経済政策の執行を摘み取っている現状には、不満が募っている側面もある。


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(4)アメリカ「双子の赤字」急拡大(2003/1/27) ***

 アメリカでは、経常収支と財政収支の「双子の赤字」が急拡大している。昨年の経常収支の赤字は、4600〜4900億ドルと見られ、過去最高である。対名目GDP比でも5%に迫り、プラザ合意によるドル高是正が行われた80年代でも3%台であったのに比べると、高水準である。一方、財政収支は、景気後退による税収の減少や同時テロによる国防費の膨張から、2002会計年度(2001年10月から2002年9月)は、1500億ドルあまりの赤字となった。97年度以来の赤字である。ブッシュ大統領の減税政策やイラク攻撃の戦費などにより、当面財政赤字は続く見通しである。


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(5)ロシア原油生産、11年振り800万バレル超す(2003/2/11) **

 ロシアの1月の原油生産量は、前年同月比12%増の日量804万バレルで、92年以来約11年振りに800万バレル台となった。高騰する原油価格安定のため、生産枠を拡大した石油輸出国機構(OPEC)と足並みをそろえ、増産ベースを上げている。国別では、最大の産油国サウジアラビアが、1月に日量約850万バレルまで増産しており、ロシアはアメリカとともにサウジを追っている。


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(6)アメリカの相手国別輸入額、中国が日本を上回る(2003/2/19) ***

  昨年のアメリカの相手国別輸入額で、中国が日本を上回り、カナダ、メキシコに次ぐ第三位になる見通しであることが分かった。中国は、昨年アメリカを抜き日本の最大の輸入相手国にもなっており、世界の工場としての存在感を高めている。ただ、輸入品目別にみると、中国からの輸入品は、ラジオ、暖房器具やおもちゃなどが多く、自動車などが多い日本より、付加価値の低い製品が多い。


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(7)WTO農業交渉、非農産品も合意できず(2003/5/29) ***

 世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)のうち、鉱工業製品など非農産品分野の交渉は、意見の対立が大きく、5月末が期限とされていた自由化の枠組み作りで合意できないまま終了した。農業交渉に続き、合意期限を守れず、新ラウンド協議全体にも影響を与えそうである。

 26日から始まった非農産品の交渉では、ジラール議長が提示した案について、加盟国・地域から不満が相次いだ。議長案は、関税引き下げ方式について、欧米が主張していた一律削減方式を提示し、最終的に関税撤廃を目指す7分野を設けた。この中に、自動車部品のほかに、水産物や革製品が入るなど、日本にとっては厳しい内容となっている。


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(8)欧州中央銀行(ECB)0.5%利下げ、最低更新(2003/6/5) ***

 欧州中央銀行(ECB)は、政策理事会でユーロ件12カ国の短期金利の誘導目標となる主要政策金利を、現行の2.5%から2.0%に引下げることを決めた。9日から実施する。金利水準は、ユーロ導入後最低となった。金融緩和による景気てこ入れが目的である。ドイセンベルク中央銀行総裁は、「経済成長の下ぶれリスクを考慮した」と言明し、米欧間の金利差が一因とされる過去一年のユーロ高についても「対外的な価格競争力を低下させる」と述べ、輸出への悪影響を認めた。


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(9)新ラウンド、農業交渉で対立続く(2003/6/23) **

 世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)の議論は、エジプトでの非公式閣僚会合でも目立った進展がなかった。

 EUは現在、域内の共通農業政策で、農業助成金の削減を検討している。この結果、農産品の関税の大幅な引下げを求めるアメリカの主張にも変化が出ると期待する。しかし、EUの農業改革は、フランスなどの反対で難航している。結論が出ないケースや、結論が出てもアメリカが不十分と判断する可能性もある。このような情勢になると、新ラウンド全体の進展も図れない状況に追い込まれそうだ。


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(10)アメリカFF金利引下げ、デフレ抑止正念場(/6/27) **

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、日本のコール・レートに相当するフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、0.25%引下げ、年1.0%としたが(2001年1月以降12回目の引下げ)、デフレ傾向を抑止する効果は未知数との見方が多い。利下げ余地の狭まりから、FRBはFF金利の誘導に留まらない非伝統的手法に踏み込むことも検討する構えである。

 アメリカ経済は、1〜3月期のGDP実質伸び率の確定値が、年率換算で前期比1.4%増と0.5%下方修正され、前期と横ばいの低成長になった。アメリカ経済が今後、潜在成長率とされる3〜4%台の伸び率に、いつ回復するかは見えない。アメリカ政府は、5月に関連法が成立した総額3500億ドルの減税と、FRBの利下げの相乗効果に期待している。しかし、企業の売上高減となる物価下落が続けば、回復はさらに遠いものとなりかねない。


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[知って得する数字―各国の実質GDP成長率(2002年)]付録

アメリカ 2.4%
ユーロ圏 0.8%
イギリス 1.8%
日  本 1.6% (日本は年度)
[寸評]他の先進国に比べ、ユーロ圏の低成長が目立つ。これを反映しユーロ圏の失業率が、前年の8.0%から2002年には8.3%へと上昇している。


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