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インフォーメーション・サービス72:

2005年度対策 経済史・経済事情 連載 第4回

W 金融市場

 1 超低金利の金融市場

(1) 公定歩合は、91年から95年まで7回引下げられ、95年には0.5%となり、超低金利の市場となった。

(2) 95〜96年度に、駆け込み需要もあり、3〜4%の成長となり景気は完全に立ち直ったかに見えたが、消費税引き上げ、アジア危機などにより、97年度以降景気後退となり、99年2月から、日本銀行が、無担保コールレート(翌日物)を実質ゼロ水準に維持する資金供給を、2000年7月まで行った。

(3) 2001年に景気後退に入ったため、2〜3月と2回公定歩合が引下げられ、0.25%となり、同時多発テロによる景気後退懸念により、9月に公定歩合は0.1%となった。また、日銀の国債買いオペなどによる潤沢な資金供給により、4月から再び無担保コールレート(翌日物)がゼロ金利となった。

(4) 公定歩合も金利も下限に達し、日銀がさらに行った政策は、潤沢な資金供給であった。それは、日銀当座預金残高目標と長期国債買い入れ額の引き上げであった。双方とも徐々に引き上げられ、前者は、2004年2月に30〜35兆円程度となり、後者は、2002年10月に月1兆2,000億円程度となった。

(5)さらに、日銀は、2003年4月に、中小企業の売掛債権などを裏付けに発行する資産担保コマーシャルペーパー(CP)などを新たに購入する方針を打ち出した。これは、中小企業の資金繰りを容易にするためである。

 2 ペイオフ解禁

(1)2002年4月の定期預金のペイオフ(銀行が倒産すると、預金1,000万円とその利子だけしか保証しない制度)解禁により、1000万円以上の定期預金の2002年5月末の残高は、前年度同月比で42兆円も減少し、93兆円であった。しかし、1000万円未満の定期預金は、横ばいである。

(2)解約された定期預金が向かった先は、普通預金である。2002年5月に、普通預金を含む要求払い預金の残高が、約237兆円と定期預金を初めて上回った。

(3)都市銀行の預金残高は、2002年に入ってから前年同月比で6〜12%の高い伸び率を示し続けている。また、ペイオフの対象外である外国銀行も法人預金などが急増している。一方で、第二地銀は、減少が続いている。預金者は、ペイオフ解禁により安全な金融機関に預金をシフトさせているのである。2005年4月には、普通預金もペイオフ解禁となるため、弱小金融機関の建て直しや再編は急務である。

 3 不良債権処理

(1)バブル崩壊により、企業収益が悪化し増加させた借り入れの返済負担が重くなり、さらに、不動産担保価値が下落すると、金融機関の貸出債権は不良債権化するのである。

(2)2000年度末の大手銀行の不良債権残高は減少し、19.3兆円となったが、2001年度末には、前年同期比8.4兆円増加し、28.4兆円となった。デフレや景気後退により不良債権が新たに発生したことに加え、金融庁の特別検査により、銀行が融資を厳しく自己査定したためである。

 すべての民間金融機関の不良債権残高は、2001年度末には前年同期比9.5兆円増え、52兆4,000億円となった。この増加額は、ほとんど大手銀行のものである。

(3)大手銀行は、不良債権処理損(貸し倒れに備えた引当金や債権放棄)が、2001年度に本業の設けである業務純益の倍以上の8兆円規模となり、保有株の含み損処理などもあり、連結ベースの大手銀行の最終赤字は4兆2,924億円に達した。

(4)2002年度(2003年3月期)決算では、大手銀行7グループの不良債権残高が、合計約21兆円と前年同期比で23%減少した。不良債権の最終処理を約12兆円と倍増させたのが主な要因である。政府は、2005年3月末までに、大手銀行の不良債権比率(不良債権÷銀行の貸付残高)を、2002年3月末から半減させることを目標としており、各行とも対応を急いだのである。その結果、大手銀行の2002年度連結決算は、全行が最終赤字となり、最終赤字総額は4兆6,199億円であった。

(5)2003年度の大手銀行の連結決算は、UFJホールディングスとりそなホールディングスを除く5グループの税引き後利益が黒字となり、その黒字総額は約4兆円増加した。これは、景気の回復が明らかとなったことや、不良債権処理損失が減少したためである。そして、7グループの不良債権残高は、前期比6兆6,000億円減少し、13兆6,000億円となった。自己資本比率も、UFJホールディングスを除く6グループで上昇し、財務体質が改善された。

(6) 地方銀行と第二地方銀行の不良債権残高は、年々増加したため、2001年 度末には、14.8兆円にまで増加した。しかし、2002年以降の景気回復もあり、2003年度末には11.7兆円にまで減少した。しかし、不良債権比率などは大手銀行より劣っており、地域銀行の不良債権処理策は、大手銀行に劣らず必要なものとなっている。

(「自己資本比率」と「不良債権」については、「重要30用語」参照)


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