オペアンプ
はじめに
1つのオペアンプの中には、トランジスタ・抵抗などが複数入っていて
少ない外付け部品を組み合わせる事で、簡単に回路が作成できる
ユニット的な存在で、求めている性能毎に最適なオペアンプを選択する
ちなみにコンパレータはオペアンプの位相補正と取り除いた存在で
増幅などをすると発振しやすいので使わない方が良い。(比較用途のみ)
性能
電源電圧:+V〜GNDまたは+V〜-V間に掛けて良い最大電圧(壊れる)
単電源用と両電源用でも電圧の最大の開きの事
電源電圧は出力したい電圧などから決めればよい
ちなみに両電源を単電源で使用するには同相入力電圧範囲内で使用し
最大出力電圧やGND付近の出力が正しく出るか確認する必要がある
差動入力電圧:入力端子間に掛けても大丈夫な電圧差の最大値(壊れる)
オペアンプによっては電源電圧よりかなり低い物があり注意(電圧差)
入力電圧:入力端子に掛けても良い最大電圧(壊れる)
単電源では-Vは流していけない物があるので注意
また電源電圧の範囲を超えた入力電圧は壊れる可能性がある
消費電力:文字通りで消費できる最大の電力(壊れる)
信号を扱うような一般的な扱いでは出力は数mAなので気にしなくて良い
オフセット電圧:入力端子間が0Vの場合は出力も0Vになるが
完全には0Vにはならない値(設計上どうしても0Vが必要な場合は調整付きを)
最大出力電圧:理論上では最大で出力電圧=電源電圧になるが
実際は電源電圧よりも1.5V(オペアンプによる)低い電圧までしか出力出来ない
-Vでも同様な事が起きる、また負荷抵抗によっても変わる
単電源では出力電圧がGND付近まで落ちない事がある(その場合ハイインピーダンス)
また一般的に出力電流は10mA以下で使用すること
大振幅電圧利得:開票状態でのその周波数における最大の利得値
周波数が高くなると低くなる
ゼロクロス周波数:この周波数では増幅度が0Db(1倍)の周波数を表す
スルーレート:入力に対して出力の追従が足りなくなる場合がある
1μSあたりの電圧変化量を示す 1V/μSなど
パルス入力の場合問題になる
位相補正:オペアンプは上記の通り外付け部品によって動作が決定され
増幅も発振も出来る、それゆえ増幅したい場合でも最悪発振する場合もある
特に非反転増幅回路では発振する可能性があり注意が必要
許容出力短絡時間:オペアンプは出力短路保護回路が付いている場合があり
瞬間ショートは即破壊にはならないが、無期限となっていても連続した場合、
内部発熱などで破壊される事になる。
ちなみに簡単とは言っても厳密な動作となると内部の
トランジスタやFETの知識が必要となってくるので注意
種類
非反転増幅回路:入力に対して同じ位相で出力
倍率は1+(R1/R2)=2倍となる(2倍=+6dB)
ちなみに100倍(+40dB)にしたい場合は単純にR1=990kΩ、R2=10kΩ
R1,R2の抵抗値は低すぎても高すぎても問題が出る。
一般的によく使い、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスを低く出来る
単電源で入力が-Vの時は、出力がいきなり反転する(Vdd付近まで)事や
入力がVdd付近(またはVdd以上)だと出力がいきなり反転する場合があるので注意
(両電源の場合出力が-Vccまで一気に反転する)
反転増幅回路:入力に対して反転した状態で出力される
入力に対して180°反転出力となる。
-R1/R2=-1倍(反転)となり、-100倍はR1=1000kΩ、R2=10kΩ。
単電源の場合は+INはGNDではなくVddとGNDの中点電位にすると良い
(逆に言うと単電源でGND接続だとINが-Vの時しか出力されない)
実際にはこんな感じ。
差動増幅回路:
OUT=R3/R1(IN1-IN2)となるR1=R2、R3=R4の場合
実際に表すと上記の抵抗値の場合
IN1=1V&IN2=0V→OUT=1V IN1=1V&IN2=1V→OUT=0V IN1=0V&IN2=1V→OUT=-1V
となり抵抗値を変えれば出力の倍率も変更可(R1=R2、R3=R4を守る)
また単電源の場合、VddとGNDの中点電位をR4GNDに入れ替えれば一応可能?
微分回路
微分回路=HPS(ハイパスフィルタ)であり
高い周波数は通すが低い周波数は通さない
積分回路
積分回路=LPF(ローパスフィルタ)であり
低い周波数は通すが高い周波数は通さない
ちなみに高い周波数は通さないと言っても多少通ります
それだけでなく位相がズレながらやってくるので、
その信号が回路的に問題になる場合がある(フィルタ全般に言える)
大抵、自分が予想していない所で起きるので注意。
実際の使用
増幅回路などは簡単に作れるので良いが、
あくまでトランジスタやFETの集まりなので、
初段入力がトランジスタとFETで特性の違いによる周辺回路の設計や、
最終出力段の特性なども回路設計する場合頭に入れておく必要がある、
また外付け部品の値によって簡単に不安定動作になるほか、
あまりにリファレンス回路と異なる動作等もやめておいた方が吉、
また、オペアンプが異常動作するパターンは
・電源電圧より高い入力電圧の場合、おかしな出力が出る
・帰還抵抗が高すぎたり低すぎる場合、十分に増幅など出来なくなる
・出力に容量負荷(C)や高負荷場合、異常発振する場合がある
・高い周波数と高増幅の組み合わせによっては位相がずれて、異常発振する場合がある
くらいは守って使えば良いでしょう。
使わない入力端子は、
・コンパレータの場合:+−を接続し、出力はオープン
・オペアンプの場合:+をGND、出力とーを接続
で良い(電源端子にはカップリングコンデンサくらい付けとく)