さようなら!わたせ!
エンジンルームでパック酒にお燗をつけよう

※わたせ
富久娘「燗番娘」(お燗機能付きアルミ缶日本酒)のこと。
パッケージデザインをわたせせいぞう氏が行っていることから。標準小売価格291円。

ことの発端
くるまってのは結構無駄に廃熱しておるよなあ。
冬場に熱を見境無く廃棄するってのは農民の感覚から言うと非常にMOTTAINAI(迎合)。
そこで我々特命釣査隊は戦局を有利に運ぶ廃熱の活用法を思索し始めた。

「・・・パック酒に燗を付けてはどうか」

「危険すぎる!電気系統のショート、車内からの逸脱・・・轟沈のおそれすらある!」

「しかし、既燗酒を銀色の断熱材でくるめば、半日は温度を保つだろう・・・
遊漁巡洋艦による洋上作戦で制海権を得ることも不可能ではない・・・。」

「あるていど走った後にエンジンに入れとけばいんじゃね?」

「ばか!それじゃあったまる前に船出ちゃうだろ!」

「あっ、そうか。」

「ん、でも安全だし、陸釣りだったらそれ採用。夜釣りは冷えるからね〜。」

「まあやってみよう、まずは走行で。正直ネタになりゃ何でもいいんだ、俺ゃ。」

こうして、緊急招集された幹部たちによる討論は実に一分にも及んだ。


さっそくトライ

道程 横横衣笠IC→三浦市・三崎港
おおむね制限速で流す。大きな渋滞無し。

被検体 鬼ころし105円(紙パック)

作業工程 エンジンルームのスパークプラグとエンジンの間に挟み込む。
ただ結構無理に押し込んだのでちょっと車が可愛そう。ここのところは要改良。

道程(ダイジェスト)
ブーン。「あっ、間違えた、ここは宮川港だ。」「もっと下れば三崎に出るよ。」
「この季節は夕暮れが速いねえ。♪あーおーいー、とーばぁりがぁー。」
「ほい、三崎は北条湾に到着。」「誰も釣れてやしねえ、ご苦労ちゃん。」

結論
・合成酒がネクタルに変わっておりました。うめー。あったまるー。
人肌よりちょっと熱いくらいの温度を得ることが出来た。絶妙。
・紙パック酒のストローって何のために付いてるんだかわかんなかったけど
こういう時のために使うんだね。

反省及び展望
・挟み込むとかしないで(機械に負担をかけず)うまいこと燗が出来るアイテムを
作った方が良いな。百円ショップのサムシングを改造して。
・酔いざましはマズイ
・酔って海風に当たるとがくんと体力が奪われる
・エギングって釣れねーとか思わないでちゃんとやってれば報われるんですね。


後日談

山下重工は安全、的確にパック酒に燗を付ける機構の開発を秘密裏に、
着々と進めていた。そして季節は移り変わり、ついに今夏・・・
「つ、ついにプロトタイプが完成しました・・・!これがあれば・・・」
「むむっ!早速装着だ!内燃機関防護ハッチオープン!」

「そうちゃくう〜!ハイドーン!」

ザァーーーン・・・・(あくまでも静かに、しかし凛然とした存在感を放ってる音)
「す、素晴らしい!低コストを実現しながら機能を極限まで追求した
このフォルム・・・燗付時には熱を効果的に取り入れ、未使用時には
ファンの冷却風を妨げない!」

「よし!今日は早速庄やにて完成祝賀会の開催だ!」
「今日は暑いすからキンキンに冷えたビールがいいすねー。ソラマメソラマメ。」
「冷酒でカッとやって、ヤッコでクールダウンってのも乙だなあ。」

おわり

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