~ 曖昧な正しさ ~




誰かが肩を揺らしている。目を覚ますと同時に、日向はそのことに気が付いた。
まだ開き切らない目を擦ると、柔らかくその手を抑えられる。「擦っちゃダメですって」と笑いを抑えたような声がして、自分がLHRの間中、ずっと寝ていたらしいことにも気が付いた。

「相原」
「よーく寝てましたよ。日向さん」

そっか、と返してあくびをする。相原と呼ばれた少年も日向と同じで、東邦学園高等部のサッカー部員だ。相原はにこにこと笑って、日向の乱れた前髪を直してやった。

「あー・・・ねみぃ・・。HR、終わったんだよな?なら部活に行こうぜ」
「はい。あ、でもその前に・・」

席を立ちあがりかけた日向を相原が止める。その時、さきほどまでLHRを仕切っていたクラス委員の辻から「日向。お前、文化祭の実行委員に決まったからな」と声を掛けられ、日向は思わず「・・・はあ?」と頓狂な声を出した。

「文化祭?何の話だよ、それ」
「何の話って、さっきそれを決めてたんだろーが」
「マジで?ホントに?」
「ほんともほんと。残念だけど、お前、籤で決まったんだよ」
「いや、ンなの無理に決まってんだろ」

LHRが始まってすぐに、担任は用事があるといって教室を出ていった。「決めることさえ決めれば、後は時間になれば帰っていい」と言い残して。
日向が覚えているのはそこまでだ。いつの間にか机に突っ伏して眠ってしまっていた。だから議題が何だったかなんてことは、全く記憶にない。

だが日向が寝ているうちにも進んでいたHRでは、今日の議題のうちの一つでもある文化祭の実行委員決めが難航した。立候補を募ったところで、そんな面倒なことを引き受ける人間などいない。最終的には籤で決めることとなった。

その籤で決まったのが日向なのだと、辻は言う。

「俺、籤引いてねえぞ」
「お前、寝てただろうが。だから残った一つがお前の籤。で、それが当たり。言っとくけど、不正はしてないからな」
「いや、だから無理だっつーの」

文化祭の実行委員などになったら、それが終わるまでは打ち合わせや準備作業に時間を取られる。サッカー部は夏のインターハイに向けてこれから更に練習量も増えていくし、それでなくとも日向は年代別の日本代表選手として試合や合宿に召集されることもある。学校行事に割く時間など無かった。

「大丈夫ですよ。実行委員の方は日向さんの代わりに、俺がなるから」
「相原」

段々と険悪な雰囲気になりつつある日向と辻の間に入り、相原が取りなした。

「このクラスにサッカー部の人間が何人いると思ってるんです。やらないで済むならそれに越したことないけど、もし日向さんが当たったりしたら、替わる気でいましたよ、みんな。だから日向さんを起こす前に、誰が替わるかって決めたんです。大丈夫です」
「・・・悪いな」
「いえ。当然のことですから」

さすがに恐縮したように日向が礼を言うと、相原はにっこりと笑って返事をした。
ところがそれに異論を挟んできたのは、辻だった。

「ちょっと待てよ。当然ってなんだ。替わるか替わらないかはお前らの自由だけど、その考え方は少しおかしいんじゃないか」
「何だよ。おかしいって何がだよ」
「日向だって、文化祭当日は学校に来てるなら参加するんだろう?楽しいことだけ享受して面倒なことは免除っての、それっておかしくないのか・・って言ってんだよ。それともこういうの、サッカー部では普通なワケ?」
「別に全く手伝わないとか言ってないだろ。ただ委員会に出る時間が取れないから仕方がないってだけの話だ。替わりになる人間がいれば迷惑だってかけないんだし、何が問題だよ」
「相原」 

辻に喰ってかかったのは、日向ではなかった。穏やかな性格で、普段はクラスでもサッカー部でも他人と揉めることなど殆ど無い相原だった。日向はその意外性に目を丸くする。

「そりゃあ、日向が特待生だっていうのは、俺だってわかってるぜ? だけど、学校行事まで免除ってことはないだろーが。日向、お前さあ、他人の好意に甘えすぎてんじゃねえの?」
「それこそ、お前には関係のないことだろう!?俺らがやりたくてやってんだよ、放っておけよ!」

言い争ううちに徐々に辻も相原もヒートアップし、声も大きくなる。まだ教室に残っていた生徒たちが、何事かと集まってきた。

日向は暫しあっけにとられて二人の諍いを眺めていたが、周りの状況に気が付いて、どの辺りでいかに収めるべきかを計り始めた。

辻の言っていることは正しい。
東邦学園における日向の役割はサッカー部を全国レベルの大会で勝たせることだ。それは最優先事項であって、そのためには余計なものは出来るだけ削ぎ落としたいと日向は思っている。だが学園の一生徒としては、確かに行事への参加を疎かにしていい訳は無かった。

とはいえ現実においては、やはり無理なものは無理なのだ。それこそ怪我でもして、療養中にでもならない限り。

引き受けようと思えば引き受けるだけならできる。だが到底、責任は全うできない。ならば最初から引き受けるべきじゃない。頭を下げてでも辞退するべきだ。でないと却って周りに迷惑をかけることになる      これは働きながら4人の子供を育てていた日向の母の信条でもあった。

「そんな風に『サッカーだけやってればいいんです』なんて周りが認めるのもおかしいだろ。なら学校なんか中退してさっさとプロになれって話だよ。少なくともここに在籍している限りは、俺は他の奴らと同等に仕事を割り振っていくからな。そうじゃなきゃ平等じゃないだろう」
「ああ、そうしろよ。それで日向さんに割り振られた分は、俺らで片付けるよ。それでいいんだろ!?」
「分かんねえ奴だな!そういうことを言ってんじゃねえだろうがよ!!」

激昂した辻が相原の胸ぐらを掴む。それほど大柄ではない相原の身体が傾ぎ、押された机や椅子がガタガタと音を立てる。
争うのは別にいいが、手を出すのも出されるのも不味い。日向は慌てて間に入ろうとした。

「お前らがそうやって日向を甘やかすから、こいつだって勝手をするんだろう!?去年のこと、部外者の俺らだって知ってるぜ!無断で沖縄くんだりまで行って・・・あの時こいつに何かあったならサッカー部の存続も危うかっただろうさ!で、その挙げ句に引き分けだって・・・・ッ!」
「相原ッ!!」

投げつけられた言葉に相原の顔色が変わる。辻に向かって振り上げられた拳にその意図を見てとった日向が、相原の右腕に体ごとしがみつくようにして止めた。

「相原ッ!止せっ!」

日向が叫ぶと、相原は大きく身体を震わせ、それから弛緩した。

「・・・す、すみません、俺」

拳はゆっくりと下された。殴ってはいない。暴力はふるっていない。日向はホっと息を吐いた。
だが辻も辻で収まりがつかないらしく、クラスメイトに抑えられながらも身を捩って暴れている。

「日向さん、おれ・・」
「大丈夫だ、相原。お前は殴っていない。辻もだ。こんなのは些細な言い争いだ」

相原は自分が何をしようとしていたのか気がつき、動揺していた。その相原を落ち着かせるように、日向は声のトーンを落としてゆっくりと話しかける。目と目を合わせて、言い聞かせるように。
それから辻を振り返って、告げる。

「辻。お前を不快にさせて申し訳ないけれど、やっぱりその役目は俺には難しい。悪いとは思っている。・・・さっき寝てたことも合わせて、ごめん。悪かった」
「日向さん・・・」

日向の名を呟いたのは相原だった。

「誰かに替わって貰えるなら替わって貰うし、手伝いだって正直どこまでできるか分からねえし、俺はあまり役には立たないのかもしれないけれど」
「・・・・」
「でも、学校のイベントをくだらないとかは思わないし、馬鹿にしているつもりもないから。・・・俺、この学校好きだし。このクラスも、楽しくていいクラスだし。それは、お前のお蔭でもあるんだろうな」

このクラスも・・・のところで、ふいに辻の表情から険が抜け落ちる。あれ、と相原は思った。眼鏡のブリッジを指で押し上げる辻の耳が、見る間に赤く染まっていく。

(・・・そういや、反町がよく『人たらし』って言ってたっけ。日向さんのこと)

「本当にごめん」

日向はもう一度繰り返す。

相原は隣に立つ日向を見上げた。ふざけたり笑って誤魔化すようなところは全くなく、真剣な表情をしていた。本気で謝罪をしていることが、相原にも分かった。

(こういう人だから・・・ついていきたくなるんだよなぁ)

感嘆の眼差しを送れば、日向がその視線に気が付いたようで『どうした?』と問うように首を傾げる。
相原は柔らかく微笑んで、何でもないというようにかぶりを振った。












「本当にすみません・・・」
「馬鹿、謝るな。元々は俺が悪いんだ」
「そんなことはありません」
「もういいじゃねえか。別にペナルティも無いし、口頭で注意されただけだ」

あの後、何となく落ち着いて『さあ、今度こそ部活に』となったところで、騒ぎを聞きつけた教師がやってきた。
そのまま生徒指導室に三人とも連れていかれて事情を聞かれていたのだ。それですっかり部活に参加するのが遅れてしまった。

「だけど驚いたな。お前、意外に気性が激しいし、手も出るんだな」
「あれは!・・・普段、そんなことは無いんですけど・・。でも、去年のことを持ちだされたら」
「そうか」
「・・・お前が何を知ってるんだよ、って思って。日向さんが、俺たちが、あの時に何をどう感じていたかなんて、分かる筈がないだろう、って」
「ああ、そうだな」
「・・・すみません」
「謝るなって、言ってるだろ」

クラブハウスに向かいながら、日向と相原は並んで歩いていた。

どうして揉めていたのかを教師から尋ねられはしたものの、結局は三人とも無罪放免となった。
辻が『自分が日向君とサッカー部に対して失礼なことを言ったから、相原君がそれに対して怒っただけです』と説明したからだ。
『自分としては馬鹿にするつもりではありませんでしたが、そう聞こえても無理は無かったと思います』とも付け加えたから、学校側としてもそれ以上は追求することは無かった。


「まあ、お前には本当に悪かったと思ってるよ。実行委員を替わって貰って、そのうえこの騒ぎだからな」
「いえ・・・。実行委員の件はともかく、騒ぎの方はほぼ自分が蒔いた種というか・・・」

これが反町や若島津だったら、きっともっと上手く立ち回って、生徒指導室に連行されることも無かったのだろうと相原は思う。残念ながら、自分はあの二人ほどに器用ではない。
グラウンドに出たら、きっと揶揄われるか、下手すれば怒られるんだろうなあ・・・と少し憂鬱にもなった。

日向は何も言わずに、相原の髪をグシャリと混ぜてくれた。




二人で監督と主将に遅れたことを謝罪し、それぞれのグループに分かれる。
日向はAグループの中でもトップのレギュラーグループに。相原はサブよりも下に位置する、Bグループに。

Bグループの集まっているところに走って行くと、ニヤニヤと笑っている面々に迎えられた。どうやら先ほどの騒ぎを全員が知っているらしいと思うと、ついため息も出てしまう。

「お疲れさん」
「相原、かっけえな!」
「ご苦労だったな」

だが予想に反して、先輩も同期の一年生たちも、皆が相原に労いの言葉をくれた。または言葉が無くても、すれ違う部員たちは揃って相原の背中を叩いていったり、肩に手を置いていく。

「・・・あれ?俺、怒られないでいいの?」
「何で『怒られる』ってなるんだよ。お前、日向さんのこと守ろうとしたんじゃん」
「反町」

そうは言ってもよくよく考えてみれば、あと一歩で暴力沙汰になるところだったのだ。未遂で済んだとはいえ、本来なら罰を受けてもいいくらいのことをしでかした筈だ。
だが部員たちはそうは捉えていないらしい。

「そりゃあさ、暴力はマズイよ?だけど、俺らの尊厳を損なうようなことを言われっぱなしで、それで尻尾巻いてちゃさ、男として終わってるじゃん」
「・・・・」
「お前にしちゃ上出来だったって言ってんの。みんなそう思ってるよ。いらない心配すんなよ」

そう言って反町は戻っていった。
サブグループで練習をしている筈の反町がやってきて、わざわざ声を掛けてきたのだ。上出来。その意味を考える。

「・・・俺なんかでも、守れたのかな」

却って迷惑をかけたような気もしていたけれど。
だけど、あの人の誇りとか、自尊心とか、そういったものをちょっとだけでも     。

振り返ってレギュラー陣の練習している方を見てみれば、日向が楽しそうにボールを追っていた。そのキレの良さも当たりの強さも、やはり他の選手たちとはレベルが違う。
相原はふ、と笑って、今の自分が為すべきことをやるために、自グループの練習に入っていった。


いつかはあそこに、彼のいるあの場所へ行くのだと、胸の内に静かに闘志を沸き立たせながら。










***




「たらしっぷりは健在だね、日向さん」
「何の話だよ」


夜も更けた寮の一室で、若島津はベッドに寝そべりながら日向に話し掛ける。
就寝時刻も過ぎているのに、日向はまだ机に向かって宿題を片づけているところだった。若島津が手伝えば早く終わるが、それは必要ないと日向は言う。自分でやらなければ身にならないからと。

(だから、寝不足になるんだよ・・・・)

サッカーはともかく、勉強くらいは手を抜いたっていいのに・・と若島津は思う。試験の時にも自分が手伝ってあげるのに、と。

だがそれが出来るほどに器用じゃないから、日向なのだとも思う。
小学生の時からそうだった。サッカーも、家のことも、アルバイトも、どれもこれも一所懸命に頑張って、たまに倒れてしまうほどに無茶をした。
心配で仕方が無かった。それで事あるごとに『迎えに行く』などと口実を作って、なるべく多く会えるようにもした。
日向に何か変化があれば、誰よりもいち早く知りたかった。

今もそれは変わらない。日向の傍にいて、日向に何かあれば一番先に気付きたいし、またそうでなければいけないとも思っている。
だがあの頃と違って、日向の周りには多くの味方がいるのも事実だった。それが若島津からしても、多少は妬けないでもないが心強くもあった。

今日の放課後、日向のクラスで何があったのか。
そのことは日向と相原が部に来る前に、既に部員に知れ渡っていた。日向と同じクラスに、相原以外の他のサッカー部員もいるからだ。
日向と相原、それと辻が教師に連れていかれた後に彼らはクラブハウスに来て、事の詳細を報告した。そしてそこにいた全員が、相原らしからぬ行動に驚いたのだ。

だが、いざ自分がその場にいたらどうだっただろう     ?
置き替えてみれば、相原の気持ちは痛いほどに分かった。特に今の一年生であれば、去年のあの出来事は忘れようがない。そして上級生たちも当時は既に高等部と中等部で分かれてはいたものの、随分と心配してくれていた。

「相原は今日、ちょっとばかり男を上げたね。正直意外だったよ」
「ん?・・・ああ、確かに今日はあいつの新しい一面を見たな。俺もびっくりした。・・・何だよ、俺が『誑した』っていうのは相原のことか?」
「いや。どっちかっていうと、辻の方でしょ」
「辻?俺、なんもしてないぞ」
「こっちも証言があるからねえ・・・」

日向と相原に突っかかっていた筈の辻が、日向が何のてらいもなく好意を露わにした途端、耳を赤くして狼狽えていたのだという。
若島津も辻のことは中等部から知っているが、ああいった理屈っぽくて扱いの面倒なタイプは、日向のようにまっすぐで裏表の無いタイプには弱いだろう。若島津にはよく分かる。

「あんまり、信奉者を増やさないでね。可愛さ余って憎さ百倍とも言うしさ。そのうち、被害者の会を設立されても知らないよ?」
「・・・お前の言ってること、半分も分かんねえんだけど」

もういいから、邪魔すんな。宿題終わんねえから     そう言ってまた机に齧りつく日向に、若島津はベッドを降りて後ろから近づいた。
そっと椅子ごと背中から抱きしめると、頤を掴んで上を向かせる。
そのまま日向に口付けて、柔らかな唇を食む。それから奥へと舌を侵入させて、熱い日向の舌や頬の内側を弄った。

やがて満足した若島津が顔を離すと、日向はその顔を見上げて尋ねた。

「・・・なあ、若島津。平等って、何だろうな。今日の場合は、俺が大人しく引き受けるのが『平等』だったのかな」
「・・・例えば、この学校のために俺たちに出来ることが幾つかあるとしてね。それは行事のことだけじゃなくてさ。部活もそうだし、偏差値を上げることもそうだし、社会的に表彰されるようなこととかね。それらの全てを『平等』に俺たち全員で割ったなら、あんたはもう十分にやってると思うんだよ。それ以上に出来ないことは『出来ない』って言うべきだ」

若島津がそう言い切ると、日向は「ああ、なるほどな」と頷いて笑った。




そもそも日向は、人生が平等であるなどとは思っていない。生まれも育ちも、人はそれぞれに違う。そこに同じだけの負担を課せば、結果は持たざる者がより持たざる状況に陥るだけだ。

これまでにも何度か『平等』や『公平』という言葉には悩まされてきた。
明和FC時代は日向以上に強い選手などいなかったが、それでもバイトがあるからと練習に遅刻していく日向が試合のスタメンに選ばれることに対して、批判的な保護者はやはりいた。『練習に最初から参加しない子が選ばれるのは不公平だ』と真っ向から糾弾されたこともある。

だからこそ、日向は実力でそれらの声をねじ伏せてきたのだけれど。そうせざるを得なかったのだけれど。


「・・・あいつらには、あんな思い・・させたくねえなあ・・・」


零れてきた呟きは、ただただ愛情と憐憫と、相手を心配する情に溢れていて。
それが誰を想っての言葉なのか、日向がそこまで言わなくても若島津には手に取るように分かる。

自分だって傷つきながらも闘っているのに、それでも離れて暮らす家族のために心を砕く。
そんな日向を目の前にして、あの幼い子たちにすら嫉妬してしまいそうな自分を嗤い、若島津はもう一度背後から優しい人を抱きしめた。

「そんな思いをして、分かることもあるんだよ。正論であればあるほど、人を傷つける場合もあるってこととか。でもあいつらは利口だから、うまく対処するよ」
「・・・そうだな」
「あんたに似て、タフな子たちだ。心配いらない」

若島津が断言してくれる。日向はその腕の中でそっと息を吐いた。

この親友は普段は面倒なことをうざったいくらいにあれこれと考えているのに、そのくせシンプルに物事を片づけることも出来る。若島津と話していると、時々日向は呼吸が楽になるような気がした。本当に時々、ほんのたまのことではあるけれど。


日向は若島津を振り向き、その首に両腕を絡めて引き寄せた。
それから耳元で「タフって、女の子に対しても褒め言葉なのか?」と尋ねる。若島津はそれには答えずに低く笑って、熱っぽくてしなやかな身体にそっと手を滑らせた。







END

2017.02.21

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