~ 重ね合う ~






「ハロウィーン?」
「そ。ハロウィーン。何かやる予定あるか?」

まじまじと小次郎は健を見る。
ランドセルを背負っての小学校からの帰宅途中、「ハロウィーンの日に何か予定あるか」と健に聞かれたものの、その真意が測れなかった。

時期は10月も半ばを過ぎて、新聞配達で回る家の玄関にもカボチャやコウモリが飾られるようになっている。小次郎にだってハロウィーンが近づいてきているのは分かっていた。だが、それが今の自分や日向家に関係するイベントだとは思っていなかった。

「俺んちは何も予定なんかないけど。・・・お前んちは何かするの?ハロウィーンに?」

若島津の家は空手道場を営んでいるうえに、家も立派な日本家屋だ。門構えにしたって、正月の門松ならともかく、ハロウィーンのJack-o'-Lanternが似合うとは小次郎には思えない。クリスマスリースだってどうかというくらいなのに。

意外そうな顔をする小次郎に、健は「家っつーより、道場な。新規顧客獲得キャンペーンって、かあさんと姉ちゃんがやる気出してて」と説明した。

「道場の宣伝兼ねて、近所の子供にお菓子を配るんだって。まあ大したもん配る訳じゃないだろうけど」
「へえ。そんなことするんだ」
「親父はそういうの興味ないけど、女たちは好きなんだろうな、イベントとかお祭りとかさ」

小次郎は若島津の父親を思い浮かべる。何度か会ったこともあるし、そのたびに挨拶をしているが、見るからに真面目で固そうで、確かにハロウィーンだからといって何か企画して楽しむようなタイプの人には見えなかった。ただ大人の男の人はそんなものかもしれないな・・・と思いかけたところで、いや、自分の父親は違ったか、と思いだす。

「そうえいばうちも、父ちゃんが生きていた頃はしてたな。どこの家を回るか決まってて、みんなで一緒に回ってた。勝が母ちゃんのお腹にいた時は、父ちゃんがついてきてくれたんだ。尊と直子も連れて・・・あいつらも楽しそうにしてたな」

一つ思い出を引っ張りだすと、するすると糸が解けていくように次から次へと記憶が鮮明に甦る。
小次郎にとっての父親はよく笑う人で、そのハロウィーンの夜も『暗くて怖い』と愚図る直子を抱き上げて、にこにこと笑っていた。尊が光る玩具を振り回して「見てー!見てー!」とはしゃげば、それも笑って眺めていた。小次郎が集まったお菓子を見せれば、そうっと手を伸ばしてくるような茶目っ気も併せ持つ人だった。
今の今まで、どうして忘れ去っていたのだろうというくらいに、ハロウィーンには温かい思い出しかない。

「・・・尊も直子も、覚えてるのかな。あの頃のこと」

尊はギリギリ覚えているかもしれない。うっすらとでも。だが直子はおそらく記憶がに無いだろう。

「・・・・別に、貰ったからって道場に入らなくてもいいんだ。だから尊や直子ちゃんたち、連れてこいよ。」
「え、いいよ」

確か昔に回ったその時、自分の家でも回る子供たちの人数分のお菓子を用意していたのだ。母親同士で事前に打ち合わせをして、幾つ用意するか、どう回るかを決めていた。
今の日向の家では、時間もお金もそんなことに使う余裕は無い。

「タダで近所の子供に配るって言ってるだろ。どこからもお返しなんか来ないし、貰って帰ればいいんだよ」
「だけど」
「勝や直子ちゃんは、楽しいんじゃねえの?」

そこを突かれると小次郎も弱い。弟妹たちも幼いながらに自分の家が困窮していることくらい分かる。だから勝も直子も、「あれ買って、これ買って」とは言わないようになった。我慢をさせているだろうことは、小次郎も理解している。

「お菓子を貰うってことだけじゃなくてさ。仮装とか、普段とちょっと違う恰好をして出歩くのも楽しいだろ?小さい子には」
「・・・だろうな」
「お前の家から俺んちなら遠くもないし、勝でも歩ける。だから連れて来いよ。何だったら、チラシだけ勝の友達にでも後で渡してくれりゃいいよ」
「何だよ、それ」

健の適当な言いように、小次郎もつい吹き出してしまう。

「分かったよ。連れてく。・・・夕方くらいでいいのか?新聞配達あるから、そのあとでもいいよな?」
「いいよ、それで。遅くなっても別に大丈夫だからな。取っておくから」
「ありがとう」

他人に甘えるのが不得手な小次郎だが、弟妹を思いやっての健の提案には素直に感謝した。子供が他人から物を貰ってくるのをいい顔しない母親も、この程度ならきっと許してくれるだろう。そう判断して、小次郎は弟たちを連れてハロウィーンの夜に若島津邸に赴くことを決めた。

「お前って、意外に好い奴だよな」
「意外ってのが余計なんだけど」

今回に限らず、健はこうして日向家の弟たちのことを何かあるたびに気にして可愛がってくれる。それが他の人間なら、小次郎も場合によっては煩わしく思うのかもしれないが、健であればもはや腹が立つこともなかった。寧ろくすぐったく感じるくらいだ。それに勝たちも、健のことをもう一人の兄のように慕っている。

「あいつら、きっと大喜びするな」

何も無くとも、健が家に遊びに来るだけで喜ぶのだ。それをハロウィーンの仮装をして若島津家に行けるというのだから、勝や直子が大騒ぎする様子が小次郎には容易に想像できた。思わず頬が緩む。

そんな小次郎の嬉しそうな笑顔を見て、健も唇の端を引き上げた。






****







「お。直ちゃん、可愛いね」
「魔女なのー!保育園で作ったの!」

くるりと回って見せる直子が羽織っているのは、黒いビニールでできたマントで、頭には画用紙で作ったとんがり帽子をちょこんと載せている。手にはこれも手作りの小さな箒を持って、小さくて可愛らしい魔女といった出で立ちだった。
勝はといえば白い布をポンチョのように被り、胸のところにお化けの絵やらカボチャの絵を描いていた。

「勝のも可愛いな。これも保育園で作ったの?」
「うん!みんなつくったんだよ!」
「・・・わざわざ、迎えに来なくても良かったのによ」

健がピンポン、と日向家の呼び鈴を鳴らした時、真っ先に玄関に飛んで行ったのは直子だった。続いて勝。そのあとに迎えに出た小次郎は「ほんとに来たんだ」と呆れたように漏らした。

「最近は外が暗くなるの早いし、勝と直ちゃん連れてお前一人じゃ心配だって言っただろ」
「尊もいるんだ。お前が来なくても大丈夫だっつーの」

ハロウィーン当日、学校で別れ際に「じゃあ夕方になったら、お前の家に行くからな」と告げた小次郎に対して「迎えに行くから、家で待ってろよ」と健が言い出したのだ。曰く、小さい子を連れて歩くのだから、大きい人間は多くいた方が安心だろうとのことだった。

小次郎はその場で「大丈夫だから」「家で待ってればいい」と主張したのだが、そもそも健が小次郎の言うことを聞く必要もなく、自分のしたいようにするだろうということは予想がついた。若島津健とはそういう少年だった。
だけど何となく信用されていない気がして、小次郎もつい憎まれ口を叩いてしまう。

「俺が誘ったんだから、何かあったら困るなー、ってだけだよ。・・・あれ。お前は仮装しねえの?」
「しねえよ。勝と直子だけ」
「俺もしないよ。健兄ちゃんもしないんだね」

小次郎は健と放課後に別れた時のまま、普段の恰好だった。その兄の背中からひょこっと尊が顔を出す。

「こんばんは。健兄ちゃん。今日はお誘いありがとう」

にっこり笑ってお礼を言う小学一年生の尊は、年齢に比べて随分としっかりしている。尊が意識して直子や勝の方ではなく、小次郎の立場に近い方に在ろうとしていることは、健も気が付いている。そして小次郎がたまにその事を気にしていることも。

健は尊の髪をグシャリと混ぜるように撫でた。

「そろそろ行こうぜ。日向」
「ああ」

日向家の兄弟4人と健は連なって、日が落ちて急に肌寒く感じるようになった戸外に出ていった。






懐中電灯を持った尊と小次郎が先頭を歩き、間に勝と直子を挟んで殿に健が続く。
直子も勝もテンションが高く、今日保育園で何をした、友達がどうだったと健に報告するので忙しい。
健も普段は小さな子供の相手など道場でもしないが、二人の話は笑顔で聞いていた。

「健兄ちゃんって・・・意外だよね。あんまり小さな子の面倒とか見そうにないのにね」
「お前もそう思うか?俺も同じことを思ってたよ、今日」
「アレかな。直子は見た目が兄ちゃんにそっくりだし、勝は中身が兄ちゃんみたいだし。だからかな」
「何だよ、それ」

言葉の意味が分からずに横を歩く弟を見れば、その尊はじっと小次郎を見上げている。それからまだ小次郎よりも一回り小さな手を伸ばしてきて、兄と手を繋ごうとする。
勝や直子とはしょっちゅうしているが、尊と手を繋ぐのは久しぶりだった。前に繋いだのがいつなのか思い出せないくらいに。

小次郎は少し力を籠めて、ギュ、と自分よりも柔らかい尊の手を握り返した。普段、尊には一番我慢をさせているんだろうな・・・と思いながら。

「あー!兄ちゃんたち、手を繋いでる!健ちゃんも、直子たちと繋ごうよ!」

目敏く見つけた直子が声高くバラしても、尊は離すどころかますます強く小次郎の手を握ってくる。
小次郎が後ろを振り返れば健の両手に直子と勝がそれぞれぶら下がっていて、更に賑やかな声を響かせていた。






「とりっくおあとりーと!」

直子と勝が若島津邸の玄関先で声を揃えてお決まりの言葉を唱えると、「まあー!可愛らしい!」と若島津家の母親と長女は語尾にハートマークをつけてキャッキャと喜んだ。

「やあだ、ほんっと二人とも可愛い!ねえねえ、写真撮ってもいいかな、こーちゃん?」
「別にいいけど・・・」
「ネットに載せたりすんなよ」
「しないわよう。他所様の子でそんなこと」

健が釘を指せば、志乃は当然とばかりに答える。今は道場の宣伝に使う写真だって、子供たちの練習風景を勝手に撮る訳にはいかないのだ。撮りたければ、予め用途を明らかにして保護者の了承を得なければならない。

スマホのカメラで直子と勝の写真を何枚か撮った後、志乃は「こーちゃんたちも入って。全員で撮ってあげる」と子供たち全員を収めた写真を撮った。
それから用意していたお菓子を一人一人に渡す。勿論、若島津家の次男坊にも。

「ほんとにチラシが入ってる」
「ホームページなんか、俺の写真が使われてるんだぞ」
「だから他所様の子を載せる訳にいかないでしょう、って話。大丈夫。顔は見えない角度だから」

そういう問題かよ・・と呟く健を、小次郎は新鮮なものを見るように眺めた。学校にいる時の健は同級生に比べて大人びているが、こうして家にいる時の健はちゃんと「末っ子をしている」ように見える。

挨拶もしたしお菓子も貰ったし、そろそろ・・・と小次郎が辞去しようと考えた頃、健の母親が「そうだ、健。これ、大菅さんの家に持っていってくれないかしら」と袋を持ってきた。

「うちの山で取れた栗。大菅さん、いつも楽しみにしているから。それから、中山さんの家にも持っていけるようだったら持っていって。小次郎くんの家への途中だから。そうだ、小次郎くんたちも持っていきなさいな。沢山あって余っているから」

小次郎が答える前に、スーパーの袋に詰まった栗を持たされた。健も近所の人に渡す分を山と持たされている。「貰ってって。本当に沢山あるから。俺、もう飽きてるから」と健が言うので、遠慮せずに小次郎は受け取ることにした。







「ちょっと寄り道していくことになったな。悪いな」

若島津は自転車を出してきて栗の入った袋を籠に載せた。日向家の分も一緒にその上に置く。

「いいよ!寄り道、楽しいよ」

直子や勝は却って長く健といられるのが嬉しいようで、喜んでいる。小次郎としても、弟たちが歩けるのであれば問題はない。

「これから行く家は、じいちゃんの友達んちでさ。年寄りしかいないから、昔から俺が行くと喜ぶんだ。今日はこれだけ大勢だから、もっと喜ぶかもな」
「ふうん」
「遣いで行くと、いつもお菓子とかくれる。もしかしたら今日もくれるかも。・・そうしたら、大人しく貰っておけよ」
「・・・ふうん」

それは小次郎だけに伝えられた言葉だった。
何となく、今日この時間に遣いを健に頼んだ若島津家の考えが読めてしまった。小次郎としては、あまりいい気分はしない。
日向家の暮らしぶりは貧しいけれど、小次郎自身は他人に物を恵んで貰いたいと思ったことは一度も無い。何かを受け取るなら、それなりの対価を払うべきだ。子供であろうとなかろうと。

「日向。怒るなよ」
「・・・怒ってない。・・・でも、もしかしてお前、知ってた?」
「知らなかったけど。だけど母さんも姉ちゃんも、お前を困らせようとしている訳じゃ無いから。・・・お前たちのことが好きなだけだから」
「・・・うん」
「それに毎年、栗のお返しに色々とくれるんだよ。羊羹やら饅頭やら。それくらいなら子供のお菓子の方が安くていいって考えたんじゃねーの」
「分かった」

分かった。そう思うことにする。        小次郎がそう答えたことに、健もほっとしたような顔を見せる。
一度割り切ったなら、その後に小次郎が蒸し返すことは無い。それは健が好ましいと思う小次郎の美点の一つだ。

微妙な雰囲気になりつつあった年長者二人の空気を敏感に読み取ったのか、気が付けば尊も直子も勝も、少し離れて後ろを大人しくついてきていた。
小次郎は振り返って、「さ、若島津と一緒に行くぞ。勝、ちゃんと歩こうな」と弟たちに向かって手を差し出した。








健に連れられて訪問した2軒の家では、若島津家と同じように「健ちゃん!こんなに可愛らしい友達を沢山連れてきてくれて!」と歓待を受けた。
それから「そういえば、今日はハロウィーンだったわねえ。ちょっと待っててね」と、一旦奥に引っ込んでから、小さな袋に詰められたお菓子を渡された。『たまたま』『偶然』を装ってはいたが、前もって若島津家から話が通っていただろうことは確実だった。袋にはハロウィーンならではイラストも描かれていて、中身もいかにも子供用のお菓子ばかりだった。

それを渡されて尊も微妙な表情をしていたけれど、直子と勝は単純に喜んでいた。だから「こんな日だから、いいのか」と小次郎も思うようにした。それに渡してくれた家の人も、楽しそうだった。最後まで直子を勝のことを「可愛い可愛い」と手放しで褒めていた。

結局は全員が栗と引き換えにお菓子を受け取り、少し遠回りにはなったけれど無事に日向家まで戻ってくることが出来た。



「じゃあ、若島津。気を付けて帰れよ」
「ああ、今日は付き合ってくれてありがとな」
「それはこっちの台詞だろ」

健は小次郎と一緒にどこかに出掛けて遅くなると、いつも小次郎のことを家まで送ってくれる。今日もそうだった。
今回は日向家の方が人数が多いのだから、健をこそ家に送っていった方がいいのではないかと思ったが、そこは健が譲らなかった。それこそいつものように「自転車だから、大丈夫」と言って。

「健ちゃん、ありがとー。楽しかった!」

日向家の玄関先で直子と勝が「バイバイ」と手を振るのに、健も「また来年もやろうな」と笑って返事をする。
尊も「健兄ちゃん、ありがとう」とお礼を告げて、小さい二人を連れて先に家の中に入った。

家の中から「ただいまあ。楽しかったあ」と勝たちの声が聞えるようになってから、小次郎は改めて健に向かい合った。

「今日は本当にありがとうな。あいつらも喜んでいたし・・・俺も楽しかった」
「お前が楽しかったなら、良かったよ。・・・一度は怒らせたかと思って、ちょっとビビったけど」

健の正直な感想に、小次郎からもつい苦笑が漏れる。

「俺からすればさ。お前はもうちょっと周りに甘えてもいいんだよ」
「・・・・・」
「小さい子がいれば道だって危ないんだし、俺がいた方が安心なのは本当だろ?だからそういうのはさ、助けてくれる奴がいるなら、甘えてもいいんじゃねえの?・・・まあ、それは例えの一つだけど」
「・・・そう、かな」
「そうだよ。逆に誰かが困っていれば、助けてあげればいいだけの話だし。・・あんまり、自分だけでどうにかしようと思うなよ?」
「・・・うん」

父親が亡くなってから、他人に期待することは止めた。家族だけで頑張ってきたつもりだった。小次郎自身もアルバイトをして弟たちの面倒を見て、家の手伝いもして、出来ることは何でもしている。
それでも、弟たちに十分なことをしてあげられているとは思っていない。
早く大人になりたい。でも自分はまだ11歳で、大人になるまでは何年もかかる・・・そう考えると、小次郎は時折り不安に押しつぶされそうにもなった。

だけど家族以外でも、今みたいに気にかけてくれる人がいる。
それが同級生の子供で社会的には何の力が無くても、それでも味方でいてくれるだけで心が温かくなる。背負ってるものが、少しだけ軽くなるような気がする。ただ傍にこうして、居てくれるだけで。

そんなこともやっぱり、小次郎はこれまで知らなかった。
小次郎の頬が仄かに熱をもつ。健に出会ったことで、気づくことがこんなにもある。自分がどんどん変わっていくような気がする。たぶん、いい方向に。ありたい方に。


父親と一緒に回ったハロウィーンの夜の思い出は、小次郎にとっては掛け替えのない大事なものだ。だけど今日のことも、それに負けないくらいに忘れたくない出来事になった。小次郎だけでなく、きっと勝たちにとっても。

こんな風に健と一緒に、これからも二人で新しい思い出を作っていけたなら。
夏祭りのあの花火の夜のように、今日のハロウィーンの夜のように、共有するものを一つ一つ丁寧に重ねていけたなら。そしてどれも消えないように、失くならないように、自分の中で大切にしていけたなら。
そう出来たなら、どれだけ喜ばしいことだろう。

小次郎の表情が、ふわりとした優しいものに変わる。それは小さな花のつぼみがほころぶような微かな変化だったけれども、健の目を惹きつけるには十分だった。

健は一瞬真顔になり、思わず「・・・・それ見せれば、大概の奴はお前のために動くんだけどな」と呟いた。
小次郎にも聞こえないくらいのほんの小さな声だったから、誰に拾われることも無かったけれど。



「じゃあな。また学校でな」
「明日な。気を付けてな!」
「おう」

健は自転車に跨ってペダルを踏みだし、家に向かってハンドルを切る。
小次郎はその背中が視界に入らなくなるまで、その場から動かずにじっと健のことを見送っていた。





END

2016.10.29

         top