何時の頃からか

貴方が此処に来るのを

ずっとひとりで
ひとりきりで

待っている


どうしてかわからないけれど



待つという事が私にとって生きている事だと気が付いたのは


この右眼を
貴方に

差し上げた時だ


貴方は自分の感情しか見えないとても可哀想な眼をお持ちだったので

不自由だと思い

右眼を



この右眼を差し出した


おかえりなさいませ


貴方は全く躊躇なく

私の右眼を抉り取り

何も言わず
無言のまま
差し替えた




貴方の腐った眼が足元を転がってゆくのがひとつ残された左眼から見える



次は何が欲しいのですか



次は
私の右足を差し上げましょうか
貴方は真実に向かって歩いてゆけない弱い足をお持ちだから

私の足でよろしければ


そうすれば
きっと
未来に向かって歩けるでしょう



ひとりきりでも


私は貴方のスペアです


私の抉り取られた右眼が最後に見たものは

貴方の白くて長い指と顔でした

感情の全くない表情は
十字架に架けられたイエスのように神々しく
目玉を抉りだすその瞬間さえ

貴方はこんなにも美しいのかと思いました


そして
私は右眼を失ったのです

天に昇らん我命、我、君主と共にあり


何時貴方と逢えるのでしょうか
次に私は何を失うのでしょうか


貴方が捨てていった目を私の中に入れて見ました
不自由だと思われていたその目は、不自由所か、世界が見える嘘をつけない目でした





煩悩的戯言