■ 骨折り損でくたびれ損〜自前で骨折

皆さんだれしも、ゲームセンターにはまったことがあるでしょう。昔は体力使うゲームが多かったですよね。エアーホッケーなんかも、けっこう燃えた覚えがありますね。

自分の学生時代にインベーダーゲームが登場し、以後はどんどん電脳ゲームが増えていくわけですね。ただ、体力勝負のゲームも一部では人気があって腕相撲マシーンとか、球速測定マシーンなんてのは最近でもあるようです。ところが、それがケガのもと、今回のお話のねたなんです。

ゲームセンターから救急車要請。患者は25才、男性。体格は良好。血圧などには問題ありませんが、腕相撲ゲームしていたところ、右腕の痛みと変形。よろしくお願いします。というわけで、実はね、こういう時の怪我はたいてい上腕骨骨折なんです。それも骨の真ん中が上から下まで斜めに螺旋状にはでに折れるんですよ。レントゲン写真でも結構インパクトありますよ。その名はまさに腕相撲骨折といいます。もちろん、普通に誰かと腕相撲をしていて起こすこともありますし、球速測定マシーンでむやみやたらとスピードを出そうとした時にも起こすことがあります。

ちょっと難しい言葉でいうと、「自家筋力による骨折」というもので、グィーっと力を入れた途端に自分の筋肉の力で骨をねじ切ってしまうような状態と考えてください。腕相撲では、がんばって相手をねじ伏せようとしている時には、上腕骨の肩側と肘側では反対向きの力がかかっているのです。相手が弱いか、あるいはよほど強ければ自分の骨が折れる前に決着がつきますが、力が均衡している場合には要注意です。手術が必要なケースも少なくありませんし、それより神経を同時に損傷してしまうこともあります。しょせん、ゲームですからほどほどに。

同じく自分の力で骨折する代表が肋骨骨折です。上半身をねじるような動作をした際に、いっちゃうんですね。一番多いのがゴルフ。ですから、ゴルフの「スイング骨折」という名称があるくらいです。インパクトの後、ボールよなるべく遠くに飛んでくれ、という気持ちが上体の回転に結びつきポキッ。うまい人なら、上体は残して、フォロースルーを大きく取るんでこんなケガはしない。ケガした方は、もう一度自分のフォームを要チェックですよ。

肋骨が折れると胸が動く時、あるいは広がる時に痛みが出るので、咳がつらい、くしゃみがつらい、大笑いがつらい。直る前にかぜでもひこうものなら大変です。だいたい一ヶ月がまんすれば痛みはでなくなりますから、しばらくはテレビのバラエティは見てはいけません。