「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)と定義されています(厚生労働省ガイドラインより)。実際的には診療所においては、診療録(カルテ)がその中心となります。医療機関は、個人情報保護法により、これらを尊守することが義務付けられています。

当クリニックは、受診された皆様方から知りえた個人情報の管理につきましては万全の配慮をいたしております。皆様方の同意無しに情報を第三者に提示することはありません。ただし、以下にあげられるような診療上必要な場合には、この限りではありません。ご確認くださいますようお願いいたします。

・健康保険への診療費用の請求

・検体検査(血液・尿など)の外部機関への依頼

・医療上必要と考えられる他の医療機関との連携 (紹介状の作成や各種検査の依頼、病態についての他医への相談など)

従いまして、警察などの公的機関、職場、学校、保険会社などからの問合せに対してもご本人の同意が無い場合には、お答えすることはできません(一部、法的根拠がある場合を除く)。さらに、ご家族からの問合せであってもご本人と同席しているか、ご本人の同意を示すものがあるか、あるいはご本人が同意することが困難な状態にある場合を除いて、原則としてお答えできないことをご了解下さい。家族を含む関係者の方で、説明をお聞きになりたい方は、なるべくご本人と伴に来院してくださるようにお願い申し上げます。

また、診療の結果等を学術研究のために利用する場合は法的に認められておりますが、この場合には個人が特定できるような情報(氏名、住所、生年月日、身体的特徴を残す写真等)は一切使用することはありません。なお、診療上得られた血液・尿・組織などについても、同様の配慮の元に学術的利用をする場合があることを、あらかじめご了解ください。ただし、遺伝子レベルの研究に使用する場合には必ず説明させていただき、あらかじめ同意をいただいた場合にのみ利用させていただきます。

皆様方に、同意を必要とするような状況が生じた場合には、その都度説明申し上げます。また、一度同意されても、撤回することは可能ですので、その場合には速やかに申し出てください。また、当クリニックで保管している個人情報につきましては、ご本人の要請により開示することができます。ご希望のある方は、別途ご相談下さい。

当クリニックでは、個人情報を守るために個人の確認が不十分となり、医療事故につながるようなリスクが高い場合には、法的に許容できる範囲で事故防止を優先したいと考えています。また、医療の提供は患者の皆様との間の信頼関係に基づくものであるとの理念より、あまりに法律論に走り過ぎ温かみを失うことは、絶対に避けるべきこととも考えております。今後も、様々な試行錯誤の中から、よりよい医療の提供と個人情報の保護の両立に向け努力していきたいと思いますので、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。