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柄本佑 映画情報
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檸檬のころ
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原作:豊島ミホ「檸檬のころ」(幻冬社文庫)
脚本・監督:岩田ユキ
出演:榮倉奈々 谷村美月 柄本佑 石田法嗣 林直次郎(平川地一丁目)ほか
3月31日(土)より渋谷シネ・アミューズ、池袋シネマ・ロサ、109シネマズMM横浜ほか全国順次ロードショー!
公式HP:http://www.lemon-no-koro.com/
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【ストーリー】

吹奏楽部の指揮者である高校三年生の秋元加代子(榮倉奈々)は、なんだってうまくこなし、成績も優秀。東京の大学に進学すると決めている。 野球部の西巧(石田法嗣)は、いつも加代子を見つめていた。忘れられない、中学時代の淡い思い。 そんな西に、ある日の放課後、野球部のエース佐々木富蔵(柄本佑)がおちゃらけて言った。「オレ、加代ちゃんのこと好きなんだ」。 絡まない、西と加代子の視線。近づいていく加代子と富蔵の距離。 それぞれの思いが交錯していく中、季節は移り変わる。別れの日が近づいてきていた。
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【柄本佑の『好きな人』】

おばあちゃん

僕のおばあちゃんは、最高にカッコいい。まあこんなにカッコいい老人がいるのかなってくらいにカッコいい。 フレッド・アステアが大好きで、アステアの曲を口ずさみながら一人台所に立つ粋なおばあちゃんです。 映画の話を始めたら切りがない。誰も知らないような俳優の名前を挙げながら、いろいろな作品を教えてくれます。 しかも、それだけの名前を列挙するのに考えることなく、当たり前のようにスラスラと話すのです。

また、柄本家で怒らせると一番恐ろしいのもおばあちゃんです。怒ると直接怒鳴ってくるわけではありません。 ただ話をしてくれなくなります。このときの威圧感はすごいものがあります。 僕は必死で台所の手伝いをしたり、話しかけたりしながら少しずつ許してもらうのです。 そのおばあちゃんが今年の1月に入院しました。ちょうど映画「チェケラッチョ!!」のロケ最中でした。 翌月、沖縄ロケから帰って来てお見舞いに行くと、最初誰だか分らないくらいにおばあちゃんは小さくなっていました。 ボウズにされ全身に管が通された姿は、あまりにも痛々しい病人でした。話はできないですが、 意識はあるので話しかけると、朦朧としながら反応します。

しかし、もうアステアの曲を口ずさむことも映画の話をすることもないのです。 「沖縄に行ってたんだよ」僕がそう言うと急にフッといつもの顔に戻り、「へぇ〜」と言ってくれたことがありました。 まるで映画の一場面のよう。手を握って最初は話しかけるのですが、途中で何を話せばいいのか分からなくなり、 周りを見渡したり、外を眺めたりして、じわりと切なさが押し寄せる。早くカットをかけてくれという気持ちになる。 いつやめればいいのかが分からないのです。

暫くして寝ついた頃、起こさないようそっと手を離して帰ります。 こんなおばあちゃんを見ていると辛くて嫌だけどやはり、人間は死ぬんだなぁと思ってしまいます。 だからこそ、その表情の一つ一つを記憶に留めておこうと思っています。

(ミニシアターマガジン「プリクル」より転載)



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